2017年4月14日金曜日

小学校で100人村ワークショップ[4年生]

こんにちは。ボランティアの木村です。
2月16日に、渋谷区立長谷戸小学校にスタッフの中村、小口と、講師派遣に行きました。これは、東京都教育委員会主催の「オリンピック・パラリンピック教育推進のための『教育支援プログラム』」として、DEARの100人村のワークショップも登録されたため、学校から依頼がありました。

所狭しに立ち並ぶ都心のビルに囲まれた長谷戸小学校。しかし子どもたちは元気いっぱいにのびのびと学んでいる様子でした。私たちスタッフが学校につくとちょうど給食が終わったころで、昼休みに校庭に飛び出していく子どもたちが大勢いました。

今回ワークショップをするのは4年生の22名。女の子の人数は少なくとも、立場は強いような雰囲気があります。

まずは、アイスブレークとして現在の世界や日本の人口を聞くと、詳細な日本の人口を挙げる子どもがいて、スタッフも先生もびっくり。

その後、輪になって地球儀ボールを落とさないように回してタイムを計ります。タイムを縮めるにはどうすればいいか聞くと、「渡す時にハイと言う」「手を傾けて流す様に渡す」「ふざけない」など提案が上がり、試しては改善していき、最後は最初の半分以下の時間でスムーズに回すことができました。元気なことも大事だけど、ふざけずにみんなで協力してやればこんなにすごい事ができるんだね!とみんなで大喜びしました。

地球儀ボールを上手に回してみよう!
こうして盛り上がってきたところで運命の写真とカードを配付します。色々な国に住む人たちの写真を見て、私たちの生活と同じところ・違うところを見つけて発表してもらいました。

その後、役割カードに書かれた挨拶をもとに仲間探しをして、人数の多いグループから挨拶を紹介していきます。一番多く使われている言葉が中国語なことにみんな驚き。また、スペインはヨーロッパにあるのに、中南米の国々がスペイン語を話している理由を聞くと、元気だった教室が静かになりました。そこで、歴史の授業で習うのはもっと後だとは思いますが、少しだけ植民地などの話をしました

次に大陸ごとに紐で区切られたスペースにそれぞれ入ってもらいましたが、アジアのグループは紐から片足が出そうなほどにぎゅうぎゅうです。人口が多いこと・少ないことの良い点と困る点を挙げてもらい、人口の差を実感してもらいました。

そして、紐から生徒たちを解放し、ある紙を見せます。何人かの生徒は「あ!!」と言って役割カードを確認するとその場に座り、他の生徒たちや先生はポカンとしています。

これは、座ってくださいと言う意味の言葉です。今立っている人たちは、字が読めないのです」とスタッフ言うと、みんな納得の様子。「学校に行けばいいのに」「貧しいから行けないんだよ」「働けばいいじゃん」「文字が読めなきゃ働けない場所が多いよ」など、自分たちとはかけ離れた状況に想像力をフル回転させていました。

その後、役割カードに書かれた記号ごとに5グループになってもらい、代表者で運命のじゃんけんをします。この勝敗により、富の順位が決まる大事なじゃんけんです。

富を表す24枚のクッキーを自分たちのグループは何枚もらえるか予想してもらうと、最も裕福なグループは声高々に「17枚!」。すると他のグループは大慌てで、最も貧しいグループは「私達は1枚もないかもしれない」と嘆いていました。

結局、全員の予想を合わせると24枚を超えてしまい、待望の答え合わせで代表にクッキーを分配していくと、一番裕福なグループは18枚と予想より多い結果になりました。一方、一番貧しいグループは4分の1枚のクッキーを前に茫然とした様子。

「自由に分けて食べてください」と伝えると、喜んで食べ始める1つのグループと、それを恨めしそうに見る他の4グループ。そのうち、持っているクッキーをポケットに隠す生徒、奪う生徒、取り返そうとする生徒、割り当てられたクッキーで我慢する生徒、クッキーが小さすぎて分けられず途方に暮れる生徒など、教室は混乱状態に。


最終的に分け合って貧しい人たちのもとにもクッキーがめぐってきました。すると「僕は奪われてしまったから1枚も食べてない」「私もあげちゃったから食べてないよ」と言う一番裕福なグループの生徒が数人。

慌てて皆の持っているクッキーを割って、皆が食べることが出来ました。奪い合いもありましたが、裕福だったのに人に与えすぎて逆に貧しくなってしまったり、自分のクッキーを校長先生に分けてあげたり、ハンディキャップのあるクラスメイトの周りにも常に誰かがいて、全員が手を差し伸べているのが見られる、元気と優しさを兼ね備えたクラスでした


最後に先生が「世界がもし100人の村だったら」の絵本を読み聞かせしてくださいました。それを聞いた後で、生徒たちには今日のワークショップを体験して感じたことを「わたしの気持ち」シートに記入してもらいました。

ある子どもは「裕福な人がうらやましかった。僕は一番貧しいグループでクッキーを4分の1しかもらえなかったけど、貧しくて立場が違うから、裕福なグループにクッキーちょうだいって言えなかった」と言っていて、ロールプレイによって貧しい立場を自分ごとにできたようでした。これこそが参加型の醍醐味だなと嬉しくなりました。


先生からは、「普段あまり授業に参加しない子どもが真剣に参加していた」「世界の状況を体験を通して実感することができて、いろいろ考えることができてよかった」という感想をいただきました。引き続き、世界のことに関心を持ってほしいと思いました。
(報告:木村明日美)

DEARへの講師派遣の依頼方法はこちらをご覧ください。
http://www.dear.or.jp/facilitator/index.html

2017年4月11日火曜日

「世界一大きな授業のすすめ方」実践者のためのワークショップをやりました

今年も4月15日(土)~5月31日(水)に実施する「世界一大きな授業」。キャンペーンの開催に先駆けて、4月8日(土)に横浜YMCAの協力で「世界一大きな授業のすすめ方」実践者のためのワークショップ@横浜を開催しました。ファシリテーターは、DEAR事務局長の中村と職員の小口で実施しました。


当日は、なんと超満員の40名が参加!参加者も高校生、大学生、先生、企業の方、などとっても多様。「今大学で教職課程を取っているんですが、今日、私の高校の時の恩師も来てて、とってもびっくりしました!数年ぶりに再会したんです!」という奇跡の再会(?)を果たす参加者も。大盛り上がり、あっという間の2時間半でした。

「世界一大きな授業2017」の公式教材には、7つのアクティビティが収められていますが、その中から以下の5つのアクティビティを実施。その後、今後自分が実施するにあたっての意見交換をしました。

1.クイズ
2.識字(コップの水を選んで飲むシミュレーション)
3.教育と資金(リボンをつかったシミュレーション)
4.ちがいのちがい SDGs4バージョン(カード)
5.首相・外務大臣に手紙を書こう(意見交換+文章表現)

「文字が読めないってどういうこと?」を疑似体験。みんなが飲んだものは果たして・・・?
教育援助額とゲーム費・軍事費をリボンを使って比べます。軍事費は、発展途上国のすべての子どもが高校まで行くのに必要な年間援助額の何倍?
今年の新アクティビティである「ちがいのちがい SDGs4バージョン」は、カードに書かれている事柄について「あってもいいと思う違い」だと思うか、「あってはいけないと思う違い」だと思うか、理由も出しあいながら分類するアクティビティです。
今年の新アクティビティ「ちがいのちがい SDGs4バージョン」。一つ一つのカードについてじっくり考えます。
一つのカードをとっても、想像する背景やその事象に至った理由は様々。例えば「タカフミさんは地元の中学校に通っているが、同い年のトオルさんは隣町のフリースクールに通っている」というカードがあります。「学校=教育ではない。本人がフリースクールに通いたくて通っているのであればあっていい違いなんじゃない?」という意見もあれば、「本人は学校に行きたかったけれど何かの理由で拒否されたり行けなくなってしまったのであれば、あってはいけないと思う」という意見も出ました。

もちろん、正解はありません。ですが、参加者は、一つ一つのカードについて話し合いながら考えを深めながら、話し合いのプロセスの中で、お互いの視点の違いを楽しんでいたようでした。具体的な事柄を話すことで、そして「もし自分だったら…」と考えることで、今現在の教育の課題や、より良い教育の在り方について、それぞれの考えを深める時間となりました。

最後に、グループごとに書いた「首相・外務大臣に向けた手紙」を持ってフォト・アクションをしました。
Raise your voice!!良い写真ですね^^
この写真とともに、皆さんに書いていただいた「首相・外務大臣への手紙」は責任を持ってキャンペーン事務局が政府に届けます!

最後に、参加者の方から出た感想の一部を紹介します。
  • 新しい発見をグループの中ですることができ、色々な人たちと色々な考え方を知りあうことができる大切さを改めて感じた
  • どんな状況でも、背景がどうなっているかを知る必要があると感じた。
  • 自分の価値観で物事を判断しがちになっていることに気付かされた。
  • ワークショップで理不尽な環境に置かれている人達が沢山いることを学び、「私たちはいけないのか」という極端な発想になりそうでだったが、そうではなくて出来ることから始めるのが大切、例えばフェアトレードの商品から買う、状況を友人に伝える、国の方針を決める政府に声を届ける等、グループの方の意見から気付きを得た。
  • 日本だけが良い、ではなく、世界が良くなるために日本に、自分に何ができるか、考える事が出来た。
今年のキャンペーン期間は5月31日(水)まで。
今年からの新アクティビティ「ちがいのちがい」はもちろん、各アクティビティで注意すべきことなど、今年の教材は非常に分かりやすくバージョンアップしています!昨年までの教材がお手元にある方も、絶対にこちらから今年の教材をダウンロードしてください
世界の子どもたちの教育のために、より大きな声を日本政府に届けましょう!
皆様のご参加をお待ちしております。
(報告:小口)

●「世界一大きな授業」とは…
現在、世界で小学校に通えない子どもは6,100万人、読み書きができない大人は7億5,800万人も存在します。こうした事実の背景には、戦争や貧困などはもちろん、教育の機会が与えられなかった人々が直面する厳しい現実など、さまざまな問題が隠れています。2015年9月に国連総会は「持続可能な開発目標」(SDGs=Sustainable Development Goals/通称:エス・ディ・ジーズ)を採択し、2030年までにすべての子どもが質の高い就学前教育、初等教育、中等教育を受け、大人の識字率も大幅に改善することを新たな目標として掲げました。

「世界一大きな授業」とは、そんな世界の現状に目を向け、教育の大切さを、同じ時期に考えようという地球規模のイベントです。「世界中の子どもに教育を」を合言葉に、2003年にスタートし、2008年には、885万人が参加し、ギネスブックにも登録されました。日本でも2016年には、764校・グループの56,234人が参加しました。

2017年も、世界中のNGOや教職員たちのネットワークを通じて、世界100カ国の小・中・高等学校や、大学、専門学校、各種団体などで、一斉に開催されます。また、今年からは新たに、授業を受けた「生徒」たちが提言を発表するフォト・アクション「Raise Your Voice!(レイズ・ユア・ボイス!=声をあげよう)」という活動への参加を呼びかけます。

【主催】教育協力NGOネットワーク(JNNE)
【「世界一大きな授業」はJNNE に参加する次の団体が実施しています】オックスファム・ジャパン、開発教育協会、シャンティ国際ボランティア会、日本YMCA同盟、プラン・インターナショナル・ジャパン、フリー・ザ・チルドレン・ジャパン、ラオスのこども、ワールド・ビジョン・ジャパン
【公式サイト】http://www.jnne.org/gce/
※授業を実施される方は、必ず事前に申込みをして今年の公式教材をご利用ください。