2009年12月21日月曜日

対立から学ぶワークショップ 大阪②

大阪の研修2日目です。


研修生たちと一緒に

 朝、昨日の振り返りをした。対立の分析、ニーズまで深く掘り下げることで、今まで争っていたことではない別の次元に問題が組み替えられること。それを例を挙げて説明すると、早速「今日は自分の問題について扱えるのか?」と質問が。昨日より、やる気度が上がっている感じでちょっとうれしい。「もちろん」と答え、その前に、全体で、質問をして、それぞれのニーズや気持を聞きだすことを練習した。参加者の一人、トンガのユナさんの事例を取り上げてみる。

 コミュニティの中の教会が老朽化して、建て替えようという動きになるが、年配者たちは、壊れている部分だけを直したらよいと言っている。一方で若者は近代的なものに建て替えることを望んでいる。年配者たちのニーズは、「伝統を残したい」そして「尊重されたい」「認めてほしい」。若者たちは、建物はみんなが使うものなので「長く安全にもたせたい」「自分たちも尊重してほしい」。

 それぞれのニーズや、気持をもっと深く知るために、他の参加者から質問をしてもらう。教会はどのくらいの歴史があるのか? コミュニティにおける教会の役割は?、年配者と若者の関係は? 話し合いはどこでどのようにおこなわれているのか? 周りに他の土地はあるのか? 建て替える場合の費用は? ファンドレイジングはどのようにおこなわれているのか? などなど

 そして、代替案として挙がったのは、古いものの一部を残して新しいものをくる、古いものの材料を使って新しいものをつくる、古いものをより長持ちできるように建て替える、古い教会を象徴するオブジェを作って、新しい教会に置く、もっと両者が話し合う、両方に入っている人から意見を聞く、両者で別のイベントを行い話し合いやすい雰囲気をつくる、第三者に入ってもらう、専門の建築家に見てもらって安全性について話してもらう、司祭にとりもってもらう。などなど

 質問や提案を聞いて、ユナさんは「もっと詳しく住民に様子を聞いてみる」「いくつかは実際に考えてもらえそう」と言っていた。

 これを例にして、メンバーそれぞれの事例を3人組になって、話し、質問し、代替案を出していく。コミュニティで実際働いている研修生からは、次々とリアルな事例が出される。2つのコミュニティでどこに橋をかけるかの争い、国立公園の管理をだれがやるのか、病院をもっと有効に使うには、市民活動組織の問題、日曜日の午前中の時間の使い方、など。各問題について、それぞれの気持ちやニーズを掘り下げていく。次第に「なるほどね、そういうニーズもあるのかも」「そんな気持ちかもしれない」「そういう方法もあるね」と声が挙がってくる。ちょっと光が見えた感じがする。

 私たちの思考は実はいろいろなものにとらわれている。1つ1つ分析し、全く別の視点で質問されたり、相手の立場に立つことで、別の世界が見えてくる。今回だけでは時間は足りず、全ての問題によい解決策が見つかったわけでもないが、みんな何となく満足そうな顔をしていた。事例を聞いていて、各自の問題の共通点も多いとも感じた。

 最後に、参加型開発研究所の坂西さんに、水俣の問題を例に、分析表を使って、患者や市民、政府や企業それぞれの立場、気持ちやニーズ、そして代替案について話してもらった。研修生は水俣にも研修で訪れていたので、分かりやすいと思ったことと、まさに、水俣の「もやいなおし」が「コンフリクト トランスフォーメーション」の例であったからだ。

 最後に全体で一言共有をした。気持やニーズ、質問、聞くこと、などの重要性が挙がった。2日間は短いがこれから、コミュニティで活躍する彼らに、少しでもヒントとなれば、私としてもとてもうれしい。

 今回感じたのは、地域の対立の事例は非常に複雑ではあるけれど、突き詰めていけば、それぞれの立場に立つ人々の気持とニーズを理解していくことが重要である、ということ。
 三輪さんには、2年前より整理され、分かりやすくなってよかった、とお褒めの言葉をいただき、ホッとして家路に着きました。 参加者のみなさん、今回貴重な機会を下さったみなさん、ありがとうございました。(中村)
 

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