夜叉ヶ池その後

先日、DEARともお付き合いの深いNGOアーユス主催の「語りと音楽とトークで贈る・夜叉ヶ池その後」に行ってきました。

語りも三味線も、お琴も満喫しましたが、なにより会場の求道会館がすてきでした。大正時代の建築家の建てた仏教の教会堂だということですが、和洋折衷・東西混合の不思議空間。第1部は1階で聴いていましたが、第2部は2階にあがってステンドグラスや天井も満喫しました。


演目は泉鏡花の「夜叉ケ池」を原作に、現代にまで続く物語とした書き下ろされたもの。第2部では、物語の中に出てくるお坊さん(学円)の「一言」を巡ってのトークでした。

その「一言」は、確かに「お坊さんが、それを言っちゃっていいの?」と驚くような、人間臭いというか、その場の勢いで出ちゃったような言葉。アーユスの枝木さんの発言が印象的でした。

「お坊さんというのは、きれいごとをいうものと決まっている。でも、どんなきれいごとを言っても、行動をしなければ、なにも変わらない。彼の言葉は、それを発したこと自体が行動だったのでは」
「自分の行動を、後からただ美化したり、正当化するのではなく、“あれでよかったのか”、“こうした方がよかったのでは”と後から逡巡することこそが大切」、など。

あと、自ら命を差し出した娘のことを、「自己犠牲ではなく、彼女なりの社会へのプロテスト」と解釈していたのも面白かったです。

仏教とご縁の深いアーユスのおかげで、DEARも仏教寺院を会場に利用させていただいたことがあるのですが、ここは特別な雰囲気。もっといろんなお寺に行ってみたいと思いました(お寺のみなさん、ぜひ会場を貸してください・・)。
(八木)

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