中学校・総合学習(国際理解)で2回シリーズのオンライン授業

こんにちは。スタッフの八木です。

11月6日・13日(金)の2日間、東京の千代田区立九段中等教育学校からのご依頼で総合学習のオンライン授業を実施しました。対象者は3年生の4クラス。生徒は教室から、講師のわたしたちはオンラインで、という「2020年らしい」形式での開催となりました。

生徒は教室から参加、講師のわたしたちはオンラインで実施しました(画像はイメージです)。

学校からのご依頼は「国際社会の現状や問題について総合的に理解を深める」というものでした。COVID19に触れずに「国際社会の現状や問題について総合的に理解を深める」ことはできないだろうと考えて、以下の2回をご提案し、実施しました。

<1回目>
コロナ禍の今、世界と日本の現状を知り、これからの社会について考える。
使用教材:『COVID19とわたしたち』(DEAR)&『SDGsアクティビティ集』(SCJ×DEAR)

<2回目>
教育と教育政策に焦点を当て、政治の役割についても考える。
使用教材:『SDG4教育キャンペーン2020』公式教材(JNNE)

生徒はマスクをして前(ディスプレイ)を観て参加、となりの生徒と2人一組での話はOK、グループワークはNGという方法でしたが、何度か話し合いの時間を入れながら「参加型」で実施しました。

生徒の感想を抜粋してご紹介します。

<1回目:コロナと世界・わたしたち>
  • 面白かった。コロナ禍のせいで2020年はあっという間で、1年ふり返ってみてなつかしいなと思った。
  • 15年前から日本は改善されているところもあれば、されていないところもあって、個人的には女性・富裕層じゃない側として、男女格差や経済格差はどうにかしてほしいなと感じた。
  • 世界の現在とこれからについて考えることができてよかった。今、米国大統領選挙が行われているけど、わたしは詳しく知らないし、世界はおろか日本のニュースも最近は観れていないので、やはり私たちの暮らす背景は知っておかなければならないと感じました。
  • コロナウイルスという身近な問題から、世界という規模が大きいことを考えることができてよかった。できるだけ早く「転換点」をつくることをしたいと思いました。
  • 昔に比べて今は謎の「女性や子どもは学ばなくていい」というのが世界的に無くなってきていて、それはとても良い方に進んだなと思った。これからニュースを観るのが楽しくなりそうです。
  • 15年前と今の世界が、わたしが想像していた以上に変化していたことに驚いた。2020年のコロナ流行によって大きく変わる可能性があることも知った。日本は改善できていないことも、改善できている国もあるので、どのような政策をとっているのか調べてみたいと思った。
『SDGsアクティビティ集』から日本を含む9か国の人口や識字率、五歳未満児死亡率、二酸化炭素排出量、女性の国会議員の割合、ジニ係数をクイズ形式でみていきました。

<2回目:教育と教育政策>
  • 社会問題は願っているだけでは変わらない
  • みんな今の状況に対し、改革が必要だと思っているのに議論が進まない状況をなんとかしなければと思った。また、言うだけでなく、自分にもできることをしていかなければと感じた。
  • 教育について日頃から不満に思っていたことをまず書き出したが、その後の内容をふまえると、なんて贅沢な悩みだったんだろうと驚くものも多かった。わたしたちは、もっと世界で何が起きているのを知り、解決へ向けて考え続ける必要があると思った。
  • ジェンダーについては近代化している今、すごく大切な問題だと思うので知れて良かったです。世界の子どもたちの教育についてわたしはすごく関心のある分野なので、うれしかった。将来、世界の子どもたちが平等に教育を受けられるように務めたいです。
  • 政府は積極的に教育関係に支出をしていくべきだと思う。日本をつくっていく若者への投資をしなければ、発展はしていけないと思う。さらに、ジェンダー問題が深刻だと感じた。「女性活躍社会を」と国は行っても、国会議員や政府の中に女性が少ないのは問題だと思う。女性だけがんばっても実現できることではないので、もっと男性の意識を変えていくべき
  • 市民の活動が国会へ影響を与えることができることもわかった。
  • 党名をふせて、教育課題についての意見を見て、賛否はほとんど変わらないがそれぞれ理由や政策や違っていてとてもおもしろかった。経済的な理由によって受けたい教育が受けられない、学ぶことができないのはおかしいかなと思うので、そこを改善できたらさらによくなると思う。
  • 今まで、子どもは発言力は弱いので政府が中心となって課題を解決すべきだと思っていた。確かにそれは大切だが、自分たちが現状と未来を考えることによって大きな意味があることを知った。
2回目は『SDG4教育キャンペーン2020』公式教材(JNNE)を使って実施しました

子ども・ユースも声をあげることができるんだ!声をあげていくことで変化が起こせる!という感想が多くありました。

2回目では、生徒たち自身も当事者である「教育」に焦点を当てたことで、自分自身のこととして考えられたようです。また、「SDG4教育キャンペーン2020」での政策提言活動に参加した子ども・ユースの姿もインパクトが大きかったようでした。

1回目には、日本と世界の現状を知り「もっと知りたい」「調べたい」「〇〇になっていくといいと思う」と言っていた生徒たち。2回目で政策提言活動に触れることで、「願っているだけでは変化は起きない」「声をあげていくことが大事」と変化がみられました。(報告:八木)

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