12月は出張が多く、大阪、高山、福島、名古屋と飛び回り、たくさんの学びがありました!遅ればせながらいくつか報告していきます。
1つ目はJICA大阪の「JICA-NGO連携による実践的参加型村落開発コース」でおこなった対立ワークについて。6週間世界各国の研修生が来て、参加型開発について学ぶコースの中のモジュール3「多様性/インクルージョン」で12月1日-2日の2日間「コンフリクト トランスフォーメーション」の研修を担当させてもらった。2007年度と昨年度に引き続き、今回は3回目。
研修生は、フィリピン、ネパール、パキスタン、グアテマラ、ドミニカ共和国からと、日本の参加者を含めて8名。メインファシリテーターの三輪敦子さんから言われていたとおり、少人数でとても雰囲気がよかった。
今回の研修会で、私自身が学んだことが2つある。1つは「参加者をよく知ること、よく知っている人に助けてもらって進行をすること」。当たり前と言えば当たり前であるが、改めて今回感じたことだ。「対立解決のワーク」は、抑えるポイントが多く、てきぱきとすすめがちだった。今回、三輪さんから時間で区切らず、じっくりと話させてもよいのでは、とアドバイスをいただいた。最初は、今日の予定は終わらないかな、と思ったが、実際、関心のある部分を多くとり、思い切って省いたら、それはそれでよかった。今までゆったりと進んできたこともあり、そのスタイルの方があっていることを確認した。
2日目は、各自の対立の分析。いつもは、3人グループで行なうが、今回は、全員でやった方がよいという三輪さんのアドバイスにより、全体で2つの事例を分析した。一つ目はネパールのYさんの対立事例。コミュニティの学校教員を2名選ぶのに、選考委員内でおきた対立。9名の選考委員のうち6名は穏健派で民主的に教員を選びたい(A)、3名は急進派で権力を持つ委員長がいる。その委員長は自分の親族を教員にさせたい(B)。それに対して穏健派(A)が反対すると、委員長が勝手に学校を閉鎖してしまった。このことに関して、それぞれのニーズ、気持ち、背景、を分析し、解決方法をたくさん出していく。政治的な背景があるので、それは詳しく説明してもらう。どうしても、A側に気持ちが偏るが、あくまでも中立的にBの気持ちやニーズも分析する。そうすると、力をみせたい、尊重されたい、特に学校教育に影響力を持ちたい、などがでてくる。そして、解決策をみんなで出し合う。委員長ではないもう一人の委員と話す。子どもたちに手紙を書かせる。学校ではない場所で青空教室を開く。大体出たかな、と思ったところで、少し間があった。疲れた顔をしている参加者もいる。こういうとき、ここで続けるか、一旦やめるか、いつも悩む。すると、三輪さんから言われた。「これ、もう少し出そうだからグループでやりません?」なるほど、それは考えなかった。その後3つのグループになると、熱心に議論が始まり、また、新しい解決策が出た。教員のうち一人は委員長の親族でももう1人はA側で選び、一旦教員をやらせてみる。メディアで学校閉鎖の問題を海外に知らせる、などなど。事例を出したYさんは非常に満足げで、早速、メールでこの解決策を送る、といっていた。
1人で進行すると、プログラムを続けるかやめるかの判断が難しい時がある。こうやって他の人の目が入ると冷静に次の展開を考えられる。何より、参加者をよく知っている三輪さんがいてくれたことが本当によかった。また、可能な限り進行は、複数でおこなえるとよいとも感じた。別の視点で全体を見てくれる人がいるのはとても安心できる。その後、もう1人の事例を全体で分析し、ミディエーションの練習をし、ふりかえりをして終了した。
今回のもう1つの学びは「参加者に任せることの重要性」である。これは、私が帰った翌日の出来事を聞いて実感したことだ。
翌日は、モジュール3全体の振り返りであったが、三輪さんは出られず、サブファシリテーターの堀内さん(AMネット)にお願いしていた。研修生に何がやりたいかを聞くと、対立の分析をしたいと言う。まだ分析していない研修生の事例を使い、自分たちで分析を始めたと言う。その間、話を聞かない人も出てきて崩壊しそうにもなりながら、お互い助け合って複数の解決策を出したという。
後でその話を聞いて、とてもうれしかった。その様子を見たかったな、と思いつつ、三輪さんも私もいなかったから、そのような流れになったのだろうと思った。ある程度になったら任せること。任せられて、実際に自分たちでやってみることが、本当の力になる、と改めて思った。
以上のように、私自身の学びの多い2日間でした。この機会をいただいた三輪さん、堀内さん、研修生のみなさまありがとうございました!
(中村)
1つ目はJICA大阪の「JICA-NGO連携による実践的参加型村落開発コース」でおこなった対立ワークについて。6週間世界各国の研修生が来て、参加型開発について学ぶコースの中のモジュール3「多様性/インクルージョン」で12月1日-2日の2日間「コンフリクト トランスフォーメーション」の研修を担当させてもらった。2007年度と昨年度に引き続き、今回は3回目。
研修生は、フィリピン、ネパール、パキスタン、グアテマラ、ドミニカ共和国からと、日本の参加者を含めて8名。メインファシリテーターの三輪敦子さんから言われていたとおり、少人数でとても雰囲気がよかった。
今回の研修会で、私自身が学んだことが2つある。1つは「参加者をよく知ること、よく知っている人に助けてもらって進行をすること」。当たり前と言えば当たり前であるが、改めて今回感じたことだ。「対立解決のワーク」は、抑えるポイントが多く、てきぱきとすすめがちだった。今回、三輪さんから時間で区切らず、じっくりと話させてもよいのでは、とアドバイスをいただいた。最初は、今日の予定は終わらないかな、と思ったが、実際、関心のある部分を多くとり、思い切って省いたら、それはそれでよかった。今までゆったりと進んできたこともあり、そのスタイルの方があっていることを確認した。
2日目は、各自の対立の分析。いつもは、3人グループで行なうが、今回は、全員でやった方がよいという三輪さんのアドバイスにより、全体で2つの事例を分析した。一つ目はネパールのYさんの対立事例。コミュニティの学校教員を2名選ぶのに、選考委員内でおきた対立。9名の選考委員のうち6名は穏健派で民主的に教員を選びたい(A)、3名は急進派で権力を持つ委員長がいる。その委員長は自分の親族を教員にさせたい(B)。それに対して穏健派(A)が反対すると、委員長が勝手に学校を閉鎖してしまった。このことに関して、それぞれのニーズ、気持ち、背景、を分析し、解決方法をたくさん出していく。政治的な背景があるので、それは詳しく説明してもらう。どうしても、A側に気持ちが偏るが、あくまでも中立的にBの気持ちやニーズも分析する。そうすると、力をみせたい、尊重されたい、特に学校教育に影響力を持ちたい、などがでてくる。そして、解決策をみんなで出し合う。委員長ではないもう一人の委員と話す。子どもたちに手紙を書かせる。学校ではない場所で青空教室を開く。大体出たかな、と思ったところで、少し間があった。疲れた顔をしている参加者もいる。こういうとき、ここで続けるか、一旦やめるか、いつも悩む。すると、三輪さんから言われた。「これ、もう少し出そうだからグループでやりません?」なるほど、それは考えなかった。その後3つのグループになると、熱心に議論が始まり、また、新しい解決策が出た。教員のうち一人は委員長の親族でももう1人はA側で選び、一旦教員をやらせてみる。メディアで学校閉鎖の問題を海外に知らせる、などなど。事例を出したYさんは非常に満足げで、早速、メールでこの解決策を送る、といっていた。
1人で進行すると、プログラムを続けるかやめるかの判断が難しい時がある。こうやって他の人の目が入ると冷静に次の展開を考えられる。何より、参加者をよく知っている三輪さんがいてくれたことが本当によかった。また、可能な限り進行は、複数でおこなえるとよいとも感じた。別の視点で全体を見てくれる人がいるのはとても安心できる。その後、もう1人の事例を全体で分析し、ミディエーションの練習をし、ふりかえりをして終了した。
グループの解決策を発表する研修生 |
翌日は、モジュール3全体の振り返りであったが、三輪さんは出られず、サブファシリテーターの堀内さん(AMネット)にお願いしていた。研修生に何がやりたいかを聞くと、対立の分析をしたいと言う。まだ分析していない研修生の事例を使い、自分たちで分析を始めたと言う。その間、話を聞かない人も出てきて崩壊しそうにもなりながら、お互い助け合って複数の解決策を出したという。
後でその話を聞いて、とてもうれしかった。その様子を見たかったな、と思いつつ、三輪さんも私もいなかったから、そのような流れになったのだろうと思った。ある程度になったら任せること。任せられて、実際に自分たちでやってみることが、本当の力になる、と改めて思った。
以上のように、私自身の学びの多い2日間でした。この機会をいただいた三輪さん、堀内さん、研修生のみなさまありがとうございました!
研修生と一緒に |
コメント
コメントを投稿