授業づくりサークル「原発事故をめぐる問題」その1


10月20日(土)に授業づくりサークル「原発事故をめぐる問題~子どもとともに考える」を開催しました。

教員・学生・会社員の方など、いつもより多い約30名が参加。福島から参加された方も3名おり、このテーマへの関心の高さがうかがえました。

原発事故をめぐる問題について、子ども達と共に“立ち位置”を探す試みを繰り返し行っている本山さん(中学校教員)により、まずは最近実践した授業内容についてお話していただきました。


▼フォトランゲージ
フォトジャーナリストが盗撮した発電所内部の写真やJOC臨界事故被害者の火傷跡、チェルノブイリの廃墟、事故後の福島第一原発の写真など、子ども達とともにフォトランゲージをおこなった写真をみる。

▼大熊町の教育長のお話
今年8月にお話を聞きにいった大熊町の教育長から聞いた、事故直後の避難の様子、学校再開の様子、現在抱えている問題などについて子ども達に伝える。

▼新聞記事の読み込み
4つの新聞記事を読み込む(中学生に向いている記事を選択するために、数社の何百もの記事を読んだとのこと!)。
  1. 「戻らぬ友 待つ教室」
  2. 「滋賀県ヨウ素剤備蓄」「基準250倍セシウム」「チョウ、被ばくで異常」
  3. 「闘う浪江町「希望の牧場」」
  4. 「【震災関連死】避難で疲労433人 原発事故で長期化 転居続きストレス増す」
▼子ども達の作文を読む
子ども達が記事の読み込みをした後に、感じたこと・考えたことをまとめた文章を読む。(※一部抜粋)
  • 私達の記憶の中で薄れてきてしまっている原発問題で闘っている人がいることを忘れてはいけないと思います。そして(浪江町に牛とともに残っている)吉沢さんの訴えを私達や政府は受け止めていかなければならないと思います。吉沢さんは自分自身が被ばくするのを恐れずに牛を守っています。私達が作ってしまった原子力発電所で、たくさんの動物、そして人の生命が危険にさらされ、失った生命も中にはあったと思います。原子力発電所にいままで日本は依存してきましたが、もっと人に安全なクリーンエネルギーを使っていくべきではないかとあらためて感じました。日本ではない他の国では、原子力発電所を使わなくても生活できているところもあります。政府は、便利さを求めることよりまず最初に人や動物、そういった生命の安全を考えるべきではないでしょうか。
  • 僕は吉沢さんのしている活動はすごいことだと思う。自分の体のことは考えずに、ただ牛のためだけに牧場に残り、牛を守り続けることはとても勇気が必要だと思うし、大変だとも思う。だからすごいと思った。しかし、吉沢さんの意見や活動には反対だ。なぜなら「死ぬ覚悟で国民の命を救え、と言いたかった」とあるが、国は国民の命を救うために避難命令を出しているわけで、今でも放射線がとても高い地に残り続けて活動していること自体が自らの命を危険にさらし、命をむだにしているようなものだと思うからだ。
  • 地震や原発事故に悩まされ、苦しんでいる人はたくさんいるということをあらためて思い知りました。住みなれていない町で暮らすことがすでにストレスになるというに、そこで落ち着く暇もなく新しい町へ何度も移転するのは相当ひどいストレスになることは、経験していない私でも分かります。この先も、このように苦しみながら亡くなってしまう人が何人もでてしまうのかと思うと重い気持ちを感じます。
  • 3月11日の東日本大震災があったとき、私はとてもこわくて、自分のことしか考えられていませんでした。でも、ニュースを見た時、福島の原子力発電所の事故があったときいて、とても驚きました。お父さんに放射線のことを聞くと、命に関わることだと教えてもらいました。ここで初めて放射線のおそろしさを耳にしました。東京にいても、こんなに怖いのに、福島の人々はどんな気持ちなんだろうと考えさせられました。そして、吉沢さんは「絶望ばかりのこの場所で、原発事故の意味を問うていきたい」と言っています。私はこの人はとても悔しいんだろうな、と思います。東京の電力をつくるもので、福島の人々の生活がおびやかされているのですから、当然だと思います。
  • 福島県の地方紙を読んで複雑な気持ちになった。先生は原発の近くに住んでいる人は原発で多く働くと言っていたが、その職場が日本でも世界でも悪い意味で名が知られ、さらに仕事もなくなり、害があると避難に避難を重ね死んでしまったことはとても無念なことだと思う。また、テレビで原発近くに住んでいる人は原発からのお金で生活を支えていると聞いた。生活をしていくために原発の近くで住んでいたのに、その原発のせいで生活する場から家族や環境まで失ってしまうなんて悲惨だと思う。
  • 今でも原発が問題となっていて、原発が本当はとても害のあるものだと知っているけれど、テレビで「原発再開」や建設途中の原発があるというのを聞くと私達の将来が不安になる。原発はたくさんの電気を生むけれども、同時に大きなリスクを背負っているのだから、他のエネルギーに変えるべきだと私は思う。また、大量の放射能を含むゴミも出されている。このゴミをゴミ置き場に置いておくだけで処理もできないのに、開発していくなんて身勝手すぎるし、あとのことを考えないで、コトを進めている政府や原発関係の人達が無責任すぎると感じる。事故から1年以上経っている今でも片付かない問題が多すぎると思う。
次回は、参加者の話し合いと感想を報告します。
(宮崎)

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