世界がもし100人の小学6年生だったら

こんにちは!インターンの星久美子です。

去る2月16日(日)、都内の小学校で親子体験授業が開催され、6年生3クラス90人に「世界がもし100人の村だったら」のワークショップを行いました。今回のワークショップのねらいは、世界の多様性と経済の格差、そして、世界と私たちの生活とのつながりに気付くことです。

前日の大雪で、校庭一面、雪で真っ白!太陽の光が反射してとってもキレイ。子どもたちはきっと、ワクワクしているんだろうなぁと思いながら、校舎に入りました。

会場である多目的室は「世界」です。
90人の小学6年生たちは世界に住む全ての「人」です。
そこには、どんな人たちが住んでいるでしょうか・・・?

1人に1枚、世界各国の人びとの様子が映された写真を配ります。
「わー!これどこだろう?」と子どもたちは興味しんしん。
今日、あなたはこの写真の地域の住人になってもらいます!
つづいて、それぞれの国の名前や挨拶の言葉、地域が書かれてたカードを配り、そのカードに従ってシミュレーションをしてもらいました。
  • 同じ挨拶で集まる:どの挨拶が一番多いかな?ハロー?ニーハオ?こんにちは?
  • ロープで大陸を作り住んでいる大陸の中に入る:北米、南米、アジア、ヨーロッパ、アフリカ、どの地域に一番多くの人が住んでるかな?
100人中、60人の生徒がアジアのロープの中にぎゅうぎゅう!
どのアクティビティも元気いっぱいで参加してくれました。

そして、いよいよ、最後のシミュレーション、「富」の分配です!
カードに書かれたAEの20人ずつの5グループに分かれます。いつもはクッキーを「富」として配りますが、今日はおもちゃのお札を使いました。

グループはお金持ちの順になっており、E=最も富裕である層~A=最も貧困である層となっています。「富」であるおもちゃのお札は100枚あります。しかし、1人1枚配るのではなく、現実の「富」の割合に合わせて各グループに分けていきます。すると…、以下のような分配になります。
  • E82
  • D12
  • C 3
  • B 2
  • A 1


お金をたくさんもらったEグループは大喜びですが・・・
お金をたくさんもらったEグループは大喜びですが・・・
グループでお金を分ける方法はとても興味深い!

D12枚を20人で分けなければいけません。よく見ていると、女の子たちは1人1枚持っています。あれ、男の子は?
「女の子たちがまずお金を分けて、余った分を僕たちにくれたんだ」
「俺たち二人で一枚。シェアハウスして暮らすよ」
「僕はお金をもらえなかったから、明日食べるものが無い」

Aは円を描いて座り、真ん中に1枚のお札がポツン。
どうやって1枚をみんなで分ければいいのか、途方に暮れているようです。

また、一番お金をもらったEグループの生徒(1人4枚もらえる)に
「こんなにお金持ってて、どうするの?」と聞くと、
「貯金する!」
という答えが返ってきました。 
「このお金、どうやって分けたらいいんだろう・・・」
最後に、『世界がもし100人の村だったら 総集編』(マガジンハウス)の中に出てくるメッセージを、見学されていた保護者の方々にマイクを回して朗読して頂きました。
「子どもが、子ども時代をうばわれることは、人類が生きのびるのに欠かせないしあわせの記憶が、うばわれることです」
大人の方に向けたメッセージも込めて作ったメッセージ、心に届いていたらいいですね。

感想から、子どもたちが色々なことに気付き、考えることができたことが伺えます。
  • 自分の生活があたりまえだと思ってた。
  • お金をもらえる人ともらえない人の違いはなぜあるのかと思った。
  • 自分はEグループで1人5枚も(お金を)もらえたが、Aグループに悪くて複雑。
  • 自分たちだけたくさん(お金を)もらえてていいのかな?
  • この「かわいそう」の気持ちをどれだけ行動に移せるかが私たちの課題だと思います。
  • 自分は食べ物を捨てている。
  • 日本がいつかゴミの世界にならないかと心配。
  • これからはご飯を残さず食べたいと思いました。
  • 自分たちがその人たちを困らせていると思うと複雑。
  • 世界の人たちのことを考えて生活していきたい。

参加してくださった保護者の方も、世界では6,000言語が話されているなどの話を興味津々に聞いていました。保護者の方からの感想も聞いてみたいと思いました。

6年生が今日体験したワークショップを自宅で話してくれたらいいなぁ。また、今回のワークショップで生まれた疑問や気付いたことが次の授業内容につながっていくと、更に意味のある深い学習の展開になっていくと思います。「仕方がない」「かわいそう」で終わらないように!

6年生の皆さん、ありがとうございました!
素敵な中学生になってくださいね!
(星)

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