ESDのためのユネスコ世界会議 レポート(2)白いストラップと青いストラップ

今回、会場に入れない経験をしたことで、ほんの少しだけ、差別される側の経験をすることができました。警備員の方は、ストラップの色しか見ていません。もちろん、ルールなので仕方ないのですが、ちょっと深読みをすると、作られた枠組みを疑うこともなく、その人の本質をみることもなく、分けられてしまうこと、は私たちの生活にもたくさんあって、自分が差別される側にならないと、気づかずに、差別する側に立っているのでは、と改めて思いました。

今回の会議は、4年前にやはり名古屋で開催された「COP10生物多様性会議」と比較し、情報の不足や不透明さ、市民社会のネットワーク不足が指摘されていました。これは、主催団体の問題もあるかもしれませんが、市民側の「ESDの10年」のすすめかたや意識にも問題があったのではと思います。

そもそも、ESDは、楽しく、みんなでつながって行えばよいものではなく、本質的な変化を社会に起こすものであり、そこでは、さまざまな摩擦や対立が避けられないはずです。

会場内に展示されたロケット
たとえば、日本で行われる「ESDの会議」で、原発の話は全く出ていません。2002年のヨハネスブルグサミットでは、日本政府がクリーンエネルギーとして、原発を紹介していましたが、今年は三菱重工がロケットを展示していました。「持続可能性」をどのようにとらえるのか、批判的に考えていくことが、必要だと思います。

11日(火)の夜は、海外ゲストとDEAR 関係者の交流会を行いました。ASPBAEのロビーさん、フィンランドのNGOネットワークKehysのリリーさん、南北センターのミゲールさん、ドイツのグローバル教育のネットワークを運営しているロバートさんと、DEARの理事・スタッフ総勢11名でした。

左よりリリーさん、ロビーさん、ミゲールさん

ヨーロッパや東南アジアのネットワーキングや対話の方法はそのまま日本で使えるわけではないですが、敵と味方をつくるのではなく、双方の共通するものを達成するために、協力するための対話をとにかく、重ねることの必要性を、みんなと熱く語り合いました。
(報告:中村)

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