2015年1月29日木曜日

ユネスコ地球市民性教育(GCED)フォーラム(1)

ブランス、パリより事務局長の中村です。
第2回ユネスコ地球市民性教育(GCED)フォーラムに参加しています。
パリは、どんより曇り空ですが、思ったよりも寒くないです。
パリに着いてちょっと散歩
本フォーラムの目的は、「ポスト2015」の教育目標のターゲットの一つとしてESD(持続可能な開発のための教育)も含んだGCEDを提案するために、GCEDの現在の傾向や未来の必要性を考え、GCEDの優先的な戦略や政策を決め、行動の枠組みを作ることです。

62か国から約250名が参加。主に、教育者、研究者、政策立案者、国連関係者、市民社会、ユース代表、UNESCO関係者などです。基本、招待状がないと参加できないので、私が参加できたのも、CONCORDのリリーさんたちが、UNESCOに掛け合ってくれたからです。感謝!
開会式の様子
開会式では、UNESCO事務局長のIrina Bokova氏のあいさつがありました。今年UNESCO設立70周年を迎えることから、UNESCOの平和のビジョンを強調していきたいこと、社会の相互依存関係が強まり、暴力ではなく寛容の力で若者を市民にしていくことの重要性、ESDの10年の成果も受けて、GCED(地球市民性教育)がますます必要になっていることが話されました。

その後、基調講演は、チュニジアのAl-Bawsalaという団体の代表であり、アクティビストのAmira Yahyaouiさんの力強いスピーチ。教育は、子どもだけではなく、親に対しても必要である。まず、違いを理解し、受け入れるための教育が必要。子ども時代を奪われた子どもたちがたくさんいること、そのような状況でどのような教育が必要なのかを考えてほしい。中東では、25歳以下の若者が人口の半分を占めること、だから、将来の政治的決定をする若者の市民性の教育が必要であることを話してくれました。

その後全体会で何人かが話したのですが、一番印象に残ったのは、インドの大学教授 Peter de Souza さんの話。今の教育システムが、構造的に社会的弱者をつくっていることを批判し、グローバリゼーションの影響を受けた教育がグローバルエリートをつくる教育になっていることに気付くべきである、と述べて拍手をもらっていました。つい、日本のグローバル人材のことを思ってしまいました。

午後の分科会では、前半は、「GCEDの学習成果を図る」という分科会に参加しました。分科会の目的は「ポスト2015」の教育目標のターゲットの一つとしてGCEDとESDを統合し、共通する評価指標を考えることでした。そこでは、7人のスピーカーが検討しているそれぞれの評価指標を報告しました。
分科会「ESDの成果と今後」
そのなかで、態度や価値観の変化をどのように測るのか、地域によって測れるものと測れないものがある、子ども全体の変化をどのように測るのか、変化は測れるが、その背景や影響を明確にすることは難しい。などの質問・意見が出てきました。指標だけみていると、学習者の姿が見えなくなってしまうのは問題ですね。

OECDからは、PISA2015の指標には、社会的情緒的(social emotional)な指標が入ること、そして、PISA2018の指標には、グローバルなコンピテンシーの指標が入ることが報告されました。そのことによるいろいろな影響が予測されます。そもそも評価の目的が、現状を把握し、その教育を見直すことになっていればよいのだけど、外から評価されることだけを目的にすると、本末転倒だなとも思いました。

後半は、「ESD世界会議の成果:今後の行動に向けて」に参加しました。UNESCOのESD課長のAlexander Leicht氏と、インドのNGO、CEE(Center for Environmental Education)の事務局長のKartikeya Sarabhai氏の報告を受け、ESDの10年の後の行動枠組みである「グローバルアクションプログラム(GAP)」の優先分野に分かれて小グループで話しました。

この分科会に参加している多くの参加者は、ESDとGCEDの関係が気になっていて、私が参加した「政策について」のグループでは、GAPをGCEDの行動枠組みや、評価指標に活用するように提案しようという話になりました。他に参加していたコスタリカからの参加者は、名古屋のESD会議に教育副大臣が参加したことで、一気にESDの支援が進んだそうです。そういう意味では場合によってはトップダウンも必要かと、思いました。
レバノン料理屋で
その後、歓迎会が開催され、みんなとひとしきり交流した後、CONCORDのリリーさんとDEEEPのアナさん、エイミーさんと、ホテルの近くのレバノン料理屋さんへ。種類が豊富でおいしかったけど、みんなの話し声が大きすぎて、途中で、他のフランス人の客が露骨に嫌な顔をしていたのに気付き、私は一人で恐縮してしまいました。でも楽しかったです!
(報告:中村)

2 件のコメント:

  1. ご報告ありがとうございます。GECDのDってなんですか?GCEはglobal campaign for educationと混同されるので変わってよかったですが。三宅隆史

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  2. 三宅さん、コメントありがとうございます。GCEDは、Global Citizenship EDucation です。おっしゃる通り、GCEと混乱しないように、したようです。
    (中村)

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