2015年5月22日金曜日

世界教育フォーラム(WEF)in 仁川 報告6

本会合3日目

昨日の午後の全体会で、女性が出した課題提起は、KoFID(韓国の国際協力NGOのネットワーク)として国連に抗議文を出すことになったようです。同時に、韓国市民社会が準備に関わったにもかかわらず、本会議への席が非常に限られていたことに対しても声明を出すそうです。日本の市民社会としても応援したいと思います。

午前中は分科会で、「国際的地域的コーディネーション、モニタリングのメカニズム」に参加しました。ポスト2015の教育目標は、公正な教育、質の高い教育、包摂性、生涯学習などが含まれているため、今までのEFA(万人のための教育)よりも、その計画、実施、モニタリングは課題が多いと思われます。世界各地域の政府、国連関係者からは、以下のような課題があがりました。

  • 政府が学校を超えたデータを集めることが難しい。
  • 省庁間の連携が足りない(外務省、文部省だけでなく、厚生省、環境省、防衛省、総務省など様々な省庁が関わる必要がある)。
  • もっとも疎外されている人々へのアクセスが難しい。
  • 先住民族の文化なども考える必要がある。
  • 民間企業の影響力は大きくなっているが、そのデータが集められない、などなど。
ダカールの行動枠組みは、トップダウンで作られたものでしたが、今回の枠組みは、市民社会が参加して作っていることが評価され、政府と市民社会の対話が不可欠であることが強調されました。さらに、行動計画の作成、実施、モニタリングは各国、各地域の文脈にあわせて行う必要があるが、同時にグローバルな枠組みも必要であることが確認されました。

全体会「ポスト2015の持続可能な開発に貢献するには」

その後、行われた全体会のタイトルは「ポスト2015の持続可能な開発に貢献するには」で、国連アドバイザーのモハメド氏が司会をしました。コートジボアールの文部大臣は、HIVやリプロダクツヘルス、エボラ熱などについても正確な情報を得て、健康のための教育をしていくことが重要で、そのためには、保健省など様々な省庁間の連携が必要であることを強調。

クック諸島の財務大臣は、気候変動についての科学的な教育が必要なことを訴えました。ブラジルの文部大臣は、教育が貧困解消に貢献していることを話し、もっとも貧困の状態に置かれている人へのアクセスを重視したいと話しました。

会場からは、財政の問題だけでなく、それを利用、配分する各国政府の責任が大きいのでは、との意見に拍手が。また、視覚障碍の方(ネパール出身で現在筑波大学にいる方でした)から、障碍者への教育を重視するべき、障碍者が10年学校に行くことができれば、貧困から抜け出す確率が飛躍的に上がること、障碍者はチャリティの対象ではなく、投資の対象としてみるべき。と訴えました。

休憩は外の空気を!

宣言文の採択へ

昼食を挟んだ全体会では「教育2030 行動枠組みへの合意と最終宣言文の採択」と題し、いよいよ、成果文書としてポスト2015の教育目標の方針を定めた「仁川宣言」の採択に向けて議論しました。お昼前に、最終的な宣言案が出され、それについて議論します。この最終段階では、各国政府しか意見が言えません

各国政府からは、「宣言文の実施の責任は政府にある」という文章について、各国政府の状況を配慮するべきであることや、国内予算の配分についても書かれている数値には縛られないことなどが挙げられました。「この宣言文を批准することが国内の政策を変えることにはならない」と言い放ったアメリカに対して、会場はあきれた様子でした。しかしながら、小さな修正で宣言文は採択されました

最終文書を見ると、準備会やNGOフォーラムで市民社会が訴えてきたことが追加されていて、声を挙げていた人々の顔が浮かびました。例えば、以下のことです。

  • 生涯学習の強調
  • 包摂性、公正さの項目の具体化 アクセス、参加の平等
  • 教育政策の変容の必要性
  • もっとも不利な立場にある障碍者への教育
  • ジェンダー平等(独立した一つの項目に!)
  • 教員、指導者のエンパワメント
  • 人権教育の強調
  • 亡命者や難民などを含む、暴力や攻撃、紛争下の人々のニーズに対応する教育
  • 紛争時、緊急時、紛争後の復興における教育の責任を国、地域、国際レベルで担うこと

プロセスへの市民社会の参加

今回の宣言文作成の草稿委員には、市民社会が参加しリードしてきました。そのプロセスは、対話、交渉を通して、とても大変なものだったと思います。DEARもこのプロセスを通して、意見を出すことが出来ましたし、それぞれの意見をまとめていく過程が民主的で学ぶことが多かったです。

今後はこの行動枠組みを考えていくのですが、国際的な動きを受けて、各国でどのように進めていくか、そのプロセスこそが重要になってくると思います。今回の会議に参加する機会を頂けたことを感謝します。

夜は、ASPBAEの会長のロビーさんの誕生会をASPBAEやほかのNGOのスタッフと祝いました。みなさんお疲れ様でした!
会合の後ねぎらい合うNGOのメンバー
ロビーさんの誕生日会
(5/21 中村)

▼5月30日(土)には、「これからのESD・地球市民性教育~『世界教育フォーラム2015』報告会」を開催します。
http://www.dear.or.jp/getinvolved/e150530.html


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