フリースペース「えん」でワークショップ2015年度   第1回「パパラギ」

こんにちは!DEARインターンの藤田真理です。今年の8月下旬から事務局にてインターンをさせて頂いています。
川崎市子ども夢パークの入り口
去る、8月26日(水)に昨年度から一緒にワークショップを行っている、川崎市子ども夢パークにある「フリースペースえん(フリースペースたまりば運営)」に今年度“初”のワークショップを届けてまいりました!今回のテーマは・・・「パパラギ」です。

『パパラギ』という本を読んだことがある人は多いのではないでしょうか?文明を見たサモアの酋長が文明人の暮らしを批判的に見て、自分の村の人々に伝える演説集です。『パパラギ』のストーリーを通して、私たちにとって当り前の様々なモノやことに対して、疑問を掘り起こして皆で考えてみよう、そんなワークショップでした。

そして、今回はえんに来ている男の子がカメラマンを引き受けてくれました。しかも、とっても立派なカメラで撮ってくれるとのこと、ありがたい!

まずは、・・・新しくなって帰ってきました・・・「五感で当てよう!世界一周ゲームVersion2」。今までの世界一周ゲームに五感という要素を加え、そのもの自体を当てるというステップを加えました。

「袋に入っているモノは何だろう?触って、聞いて、見て、食べて・・・次に、そのモノがどの国旗やマークとつながりがあるか、当ててみよう!」

<やり方>
  1. 中央の机に国旗/マークを並べる。
  2. その中の国旗/マークと関係しているモノを、五感を使ってクイズに答える(みんなで考える)。
  3. 国が分からなくても、世界のどの辺りかどんどん出してもらう。※国とは限らない
<用意したモノ>
  • マレーシア:パーム油
  • 中国:パンダの絵
  • ドイツ:ハリボー(グミ)
  • マヤ民族:マヤ文字の写真
  • ベトナム:バナメイエビの写真
  • 南極:ペンギンのぬいぐるみ
  • タンザニア:カリンバ(楽器)
  • ブラジル:コーヒー
  • インド:インドカレーのスパイス
  • ハラルマーク:ハラルフード(お菓子)
10個の国旗やマークをホワイトボードに
袋のモノにどんどん手を突っ込んでいく子どもたち。昨年、パーム油についてのワークショップをやっていたからなのか、すぐに「これ、パーム油じゃない?」という一言が出たことにスタッフ一同、ビックリ。

また、パンダの絵では、「パンダのしっぽの色は白か黒か」というクイズに喧々諤々。「白でしょ」「いや、黒に決まってんじゃん」・・・正解は是非調べてみてくださいね。

カリンバ(楽器)は別名親指ピアノ、ハンドオルゴールともいわれ、まさに親指で金属部分をはじくとオルゴールのような素敵な音色が奏でられます。実は、フリースペースえんには手作りのカリンバがあり、なんと本体部分はひょうたんで出来ていました!うっとりするような音がしっかりと出ていて、なんでも作っちゃうんだなぁと関心。
2つのカリンバ、右が、たまりばのハンドメイドカリンバ。
子どもたちは普段から世界に興味があるのだろうか?と思わせるほどの正解率と即答率。答えが分からなくても臆せずに、「これじゃない?」と自分の意見を出していきます。
袋の中にはパーム油。なんか洗剤みたいというコメントも。
こうやってクイズが進むうちにその場の雰囲気も和んできました。この日は研修で来ている大学生の皆さんも混じっており、皆で美味しくハラルフードのクッキーを食べて休憩を取りました。
休憩中にはこんな質問が子どもから出ました。

「もし、イスラームの人がハラルフードじゃないものを間違って食べちゃったらどうなるんだろう?」
この質問に我らが事務局長も
「うーん、どうなっちゃうんだろうね」
と唸っていました。実際はどうなんでしょう?

さて、美味しいクッキーを食べてお腹を満たした後に登場したのは・・・
“はじめて文明を見た南海の酋長ツイアビさん”(たまりば代表の西野さん)と“その通訳さん”(たまりばのスタッフの能條さん)。
お二人の迫真の演技に子どもたちは釘付け
このツイアビさん、一昨日東京に着いてから、たくさんの疑問を抱いていたようでした。
(ツイアビ:サモア村の酋長の名前、パパラギ:文明人=えんの子どもたち)

「なぜ、パパラギはいつも腕に時間を巻きつけて、それを何度も何度も見ているのか」
「手の上に乗せている四角いものはなんだ?友達がいてもずっとその四角いものばかり触っているのはなぜだ」
「四角い紙と丸い金属を大事そうにもっているパパラギよ、あれはなんなんだ?なぜ分けてやらないのだ」

こんなツイアビさんの素朴な疑問に答えようと、子どもたちが頭をはたらかせます。
「時計は、時間がはかれるもので、待ち合わせに遅れないように出来る」
「それ、スマートフォンっていうんだよ。電話も出来るし、カメラもついてる!カメラっていうのは、人やモノの映像を手元に残しておけるものなんだよ」
「それはお金。無くても生きていけるかも。おごってもらえばいいし」
などなど。

そして、今度は、ツイアビさんへ子どもたちから質問です。
「その、頭に付いてる葉っぱは何?」
「靴履かなくて、痛くないの?」
そんな質問に、ツイアビ扮する西野さん、通訳の能條さんはアドリブで答え、場を盛り上げます。

次に、ツイアビから、子どもたちが感じている「日常生活の中での素朴な疑問」を聞いてみます。子どもたちはどんな疑問を抱いているのでしょうか?
「日本は今は平和だけど、まだ戦争してる国もあるよね」
これに対して、
「朝のラッシュだって戦争じゃん」
という意見が。
なるほど、自分の生活と照らし合わせて、深く考えていることがよく分かります。

「僕たちは電子機器に頼り過ぎだと思う。三種の神器っていうのがあって、それによって生活が変わってしまった」
と、色々なことを知っている彼の手にはゲーム機PSPが。ジレンマを感じているのかもしれません。

一つひとつの意見が深く、驚かされるものばかり。
たまりばの子どもたちとのワークショップは、いつも私たちが考えさせられることが多く、心に響いて頭の中に残ります。

みんなからだいたい質問が出終わったところで、ツイアビさんは「うーむ、私には分からないことだらけだ、みんな、その疑問を持ち続け、よく考えておいてくれ!」という言葉を残し、去って行きました。

そのあとも、子どもたちは出てきた疑問の余韻に浸っていました。
ここですぐに答えが出るものでもないため、今回はここで終了としました。
後半は、子どもたちが真剣に考え、言葉を紡ぐ、その真摯な姿が印象的なワークショップとなりました。
ワークショップ後のシール帳を配っている様子。とびきりの笑顔はスタッフの星。
この後、代表の西野さんにインタビューを1時間ほど行いました。
その内容はここでは詳しく話しませんが(10月ニュースレターにてインタビュー記事が掲載されます!ぜひご覧ください!!)、「子どもたちのいのちを育む」ためには「くらし(寝る、食う、出す)」が最も重要と語る西野さん。その言葉一つひとつが胸を通り越して腹にまで響いてきました。
DEARの取り組みに関しても、子どもが「考える」きっかけ作りになっているとおっしゃっていました。

そんな感動的なインタビュー中、更にすごいことが!
子どもたちがフォルクローレのセッションを自然に始め、気づけばスペース中に楽器の音色と子どもたちの歌声が鳴り響いていました。
しかも、上手い
そして、音色からも歌声からもビンビンと伝わってくる「いのち」のエネルギーにスタッフ一同、驚きを隠せませんでした。

こんなにも子どもたちがエネルギッシュにいられる「たまりば」の存在の大きさにただただ、感嘆した一日でした。
フリースペースえん 入口のアート!
次回、またあの空間にいけることがとても楽しみで仕方ありません。
「安心」という言葉がしっくりくる、あんな素敵な場でワークショップをやらせて頂けることは幸せなことだと感じました。次回も一緒にわくわくどきどき出来るよう、スタッフ一同、頑張っていきたいと思います!
(報告:藤田)

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