2015年10月28日水曜日

フリースペース「えん」でワークショップ2015年度   第2回「カチカチ山」

こんにちは!事務局の星です。
9月11日(金)にフリースペース「えん」でワークショップを行いました。
※第1回目の様子はこちら

今回のテーマは「正義」です。ある昔話に出てくる「かたき討ち」について話し合ってもらおうと考えました。

その昔話とは、『カチカチ山』です!
日本各地に伝わる物語で、お世話になっているおばあさんをタヌキに殺され、ウサギがかたきを討つというお話です。調べてみると、古くから伝わるものには、おばあさんを食べてしまうなどの残酷なシーンがあるようですが・・・。
手作り「カチカチ山」のパズル
まず、子どもたちに7枚の絵をパズルのピースにしたものを配ります。
結構、難しく作ったつもりだったのですが、簡単だったようで、あっという間に完成してしまいました。「あ、知ってるこの話、カチカチ山でしょ~」とお話を説明してくれた子もいました。

子どもたちにお話ししたカチカチ山のあらすじはこちらです。
  1. 昔、ある所におじいさんとおばあさんが、仲良く暮らしていました。おじいさんは毎朝、暗いうちから山の畑で働いていましたが、タヌキがやって来て畑の物を食べてしまうので、二人は嘆いていました。
  2. ある日、おじいさんとおばあさんは仕事へ行きました。そこへ、留守を知ったタヌキがやってきました。お腹の空いたタヌキは台所へ行くと、食べものを漁り始めました。そこへ、おばあさんが洗濯を終えて帰ってきました。
  3. タヌキは慌てて逃げ出そうとしましたが、おばあさんに捕まってしまいそうです。タヌキは、棒でおばあさんを叩いて、逃げました。
  4. しばらくして、ウサギがやって来ました。倒れているおばあさんを見つけて、ウサギは泣きました。そして、タヌキの仕業に違いないと、かたき討ちを決心しました。
  5. いく日か過ぎました。ウサギはタヌキを呼び出して、かやを刈りに山へ行こうと誘いました。タヌキがかやを背負って歩いていると、ウサギは火打石を取り出して、火を起こし始めました。タヌキはカチカチと聞こえる音を不思議に思います。ウサギは「ここはカチカチ山だから、カチカチ鳥が鳴いているのさ」と教えました。ウサギがかやに火をつけると、かやはボウボウ燃え始めました。ウサギは「ここはボウボウ山だから、ボウボウ鳥が鳴いているのさ」と教えました。かやの火がいよいよ大きくなり、タヌキはそこらじゅう逃げ回りました。
  6. 数日後、背中に大火傷を負ったタヌキをウサギが見舞いにやってきました。ウサギは薬の代わりに唐辛子味噌を塗りました。タヌキは痛さにもがき、もっと具合が悪くなってしまいました。
  7. 今度は、ウサギはタヌキを魚釣りに誘い、池へ連れ出しました。ウサギは木の舟に乗り、タヌキは泥でできた舟に乗りました。池の真ん中まで漕ぐと、泥の舟は溶け出してタヌキは池の中へ落ちてしまいました。こうして、ウサギはおばあさんのかたきを討ったのでした。
パズルを完成させ、みんなでお話を聞きます。
このあらすじを読んで、皆さんはどんなことを思いますか?
子どもたちは口ぐちに感じたことを言います。
「ウサギ、可愛そう~」
「いや、ウサギひどいでしょ」
「タヌキに仕返ししたって、しょーがなくね?」
「でも、仕返ししたい気持ちはわかる」
「そもそも、タヌキは食べるものがなくて困ってて、盗んだんじゃない?」

「カチカチ山」という昔話から、こんなにも深い議論が行われました。
今日話し合いたいことが、導入として用意したパズルから、すでに話されていました。すごいなぁ…。
タヌキとウサギの行動や心境について思いを巡らせます。
14:46になりました。
今日で、東日本大震災から4年半が経ちました
みんなで広場へ出て、「ふるさと」を合唱しました。あの日を忘れないように、非常食を食べたり、震災時の記憶をみんなで共有しながら、休憩をとりました。

後半は、ビデオです。
今日は『NHK for School』で配信されている『昔話法廷』シリーズの「『カチカチ山』裁判」を使いました。
動画はこちらから→http://www.nhk.or.jp/sougou/houtei/?das_id=D0005180221_00000
被告人であるウサギはタヌキを殺そうとした罪に問われており、執行猶予を認めるかどうかが審議されます。
タヌキやおじいさんも呼ばれ、検察や弁護人から証人尋問がなされます。
子どもたちは、最初は着ぐるみのウサギやタヌキに笑っていましたが、だんだんと真剣に見始め、気持ちが揺れているのが分かりました。
映像の中で、結論(判決)は出ません。

自分の家族に暴力をふるわれたら?
子どもたちに質問してみました。

「やり返す」
「人による」
「でも、やり直したら相手と同じレベルになるじゃん」
「でもやり返したくなる…」

もしウサギに、タヌキのかたき討ちを手伝ってほしい、と頼まれたら?
とも聞いてみました。

「えー。ウサギに付いていくけど、自分は手は下さない」
子どもたちは、ジレンマを感じているようです。

また、「ウサギの気持ちはよく分かる。タヌキを殺すつもりはなかったのでは?」「タヌキも盗みたくて盗んだのではなくて、しょうがなくやったんじゃない?」という意見も出ました。

なるほど。
こういうシチュエーションは日常の中でも起こるのでしょうか?
実体験を踏まえた意見も聞くことができました。

最後に、2001年9月11日に起きた同時多発テロについて、当時の写真をスライドで見せながら紹介しました。
14年前というと、「えん」の子どもたちは生まれていない子がほとんどです。
私自身、当時小学生で、姉と一緒に夜更かししてテレビを観ていた時、画面が急に二塔のビルが煙を出している映像に切り替わり、驚きました。何が起きたのか分からない、でも、ただ事ではないという緊迫感を鮮明に覚えています。

今回、「カチカチ山」の物語からいろいろな意見が出ましたが、9.11とその後のイラク戦争についても、繋がる部分があることを感じてもらいたいと思い、このテーマを選びました。

「正義」とは何か?「かたき討ち」とは何か?
そんなことを、考えてらもうきっかけになったのではないでしょうか?

子どもたちは、自分の思いと意見を持っていて、一つのことについて多面的な見方ができ、他の人の意見からどんどんと議論を展開していけるということを、今回のワークショップを通して私は学びました。

次回からも、「話し合う」ということに着目して、ワークショップを進めていきたいなと思っています!
(報告:星)

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