BLDC in ベトナム 第2日目レポート

2日目は、グループワークから始まりました。
参加者は5つのグループに分かれて、基本的にそのグループでアクティビティを進めます。私のいるグループは「C」で、名前は「Success=成功」に決めました。というのも、メンバーの中に「Win」というニックネームのフィリピン人の男性と、「Rich」という名前(本名)のカンボジア人の男性がいて、そこからグループ・ネームが決まりました。


2日目、最初のアクティビティは「生涯教育における原理・方針は何か」について、メンバーの経験を紹介しながら、キーワードを洗い出すことでした。

スマホを使った実践を試みているという話、通信機器の代わりにラジオやテレビ番組を使っている話を聞き、また、教育システム自体に疑問を持っているなど、各国の団体の活動や実践者の経験を詳しく聞くことができました。

次に、ポスター作りです。
共有した実践を絵で表してみます。


実践の共有を始めた際、「美しいポスターを完成させること」が目的になっていました。
「急いで描こう」「もう話さなくていいから、描いて」など、焦りを感じたメンバーが他の人を急がせるシーンが多々ありました。

私は、最初は黙ってその様子を見ていましたが、居てもたっても居られなくなり、メンバー全員に向かって発言しました。
「このアクティビティを通して私たちは何を学びたいのかを、まず考えようよ。実践や経験を共有してアイディアを得ることがコースに望むことであるならば、ポスターを完成させることではなくて、話し合うプロセスにフォーカスしようよ」と言ってみました。
「そうだね、その通り」と同意してくれ、ほっとしました。

しかし、空気が変わったのもつかの間。
すぐにまた急ぐムードになってしまい、結局ポスターを急いで完成させてしまいました。
言葉や文化、年齢、立場などいろいろなことが違う人たちと一緒に一つのことに取り組むのは、簡単なことではないと改めて感じた瞬間でした。


午後は「コミュニティー・ラーニング・センター」(以下、CLC)を訪れました。
ベトナムでは教育省の傘下にCLCがあり、各区内に設置されています。日本の公民館をモデルにしているという説明もありました。

そこでは、昼間働いている若者へ向けた授業や識字教育、農業従事者に対する研修など、さまざまな生涯教育が行われています。区の少ない予算と参加者の参加費で運営されており、講師はボランティアが基本だそうです。


私たちが訪ねたのは小学校の一部屋をCLCとして使っている所でした。
副代表の方や先生たちよりCLCの説明を聞きながら、私たちにはさまざまな疑問が生まれました。

私が質問したのは「コミュニティーの声をどのように聞いて、研修を決定しているのか?」というものでした。市民に対して5ページに渡るアンケートシートを書いてもらっているようですが、そのアンケートを集計し、研修の有無を決定するのは市だそうです。
私の疑問はそこにありました。

限られた予算で研修を設置し、開催するのは簡単なことではないと感じたからです。また、小学校の一部屋をCLCとして市民に開放しているのですが、果たして誰しもに開かれている環境でしょうか?研修に参加する学習者が、小学校の門をくぐって参加することに抵抗はないのでしょうか?

また、アンケート調査について、例えば字が読めない人にとって、アンケートに答えることは簡単なのか、本当に市民の声がアンケートに表れるのか、など、疑問がたくさん湧きました。
実際に研修が行われている様子を見学させてもらえると、より具体的に知ることができるのではとも思いました。

ベトナム北部出身でNGOスタッフの参加者によると、30%のCLCでのみ、研修が開かれているそうで、活発に機能しているとは言えないそうです。
カリキュラムも政府の定めたもの使うそうで、中央集権のネガティブなポイントを指摘していました。
ますます、CLCについて知りたくなったと共に、日本はどうだろうと考える機会になりました。

夜は、ナイトマーケット、サイゴン川、パブへ繰り出しました。
文化は違えど、ガールズトークは尽きません!


ニュージーランド出身でマオリの女性に「おはよう」はマオリ語で「アツァ マリエエ」だと習いました。

「アツァ」は「朝」、「マリエエ」は「平和」だそうです。発音もしやすく、「アツァ=朝」ということには二人で驚きました。明日も楽しみです!
(報告:星)

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