2016年2月1日月曜日

フリースペース「えん」でワークショップ2015年度   第4回「強い国って?」

12月7日。
フリースペース「えん」でのワークショップの前に、近くのスーパーである物を買いました。
それはマシュマロ

毎回のワークショップでは、休憩のときにおやつを食べます。
子どもたちもそのおやつが楽しみにしている子もいるかもしれません。
どうして、今日のおやつはマシュマロなのか?

それは、「マシュマロ・チャレンジ」をやるためです!
https://www.youtube.com/watch?v=H0_yKBitO8M
もともと、チーム・ビルディングの手法として紹介されているのですが、今回は導入としてルールを易しくして行いました。
用意したのは、スパゲティの乾麺20本、ガムテープ、マシュマロ。
これらを使って、高いタワーを作ることが目的です。難しいのは、最後にマシュマロをてっぺんに刺して10秒キープできたらOK!というところです。
マシュマロを刺して10秒キープしたらメジャーで長さを測ります。
一人で黙々と作る子、スパゲティの麺を何本も束にして強固にする子、何人かで協力してガムテ―プをぐるぐる巻きにする子、みんな思考錯誤してタワーを作りました。
予想通りの大盛り上がり!

使っていいテープの長さを決めていなかったので、「それじゃぁスパゲティの麺で作ってるっていうより、テープで作ってるじゃん!」と突っ込みが入るほど…。

いつも、「えん」でやる導入のゲームでは、「競わない」ものを選んでいます。
しかし、今回は「より高いタワーを作る」ということをゴールにしていたので、競争になり、負けた子がその場を去ってしまうかもしれないという不安がありました。

いちばん先にタワーを築いた子がいました。メジャーで測ると30センチ!すご~い!と歓声が上がりました。
そのすぐあとに隣りの子のタワーも完成。
なんとさらに高い、50センチ!

そのとき私は「あ、まずい・・・。張り合いになってしまうかな、すねてしまうかな」とドキドキしました。
ところが、そんな心配をよそに、「すごいね~!」とさっきの子がみんなと一緒に拍手しています。
さらに高いタワーを作ることはしませんでした。

他では、作り途中の自分のタワーを差し出して、「じゃ、僕のと合体させようか、はい、あげる~」と言っている子もいました。

またもや、私の中の子ども像という先入観があることに気づかされました。

7台できたタワーの先に刺したマシュマロを食べ、きれいにテープをスパゲティの麺からはがしました。
マシュマロがこびりついた甘いスパゲティは、いつ食べるのかしら。



おやつの時間に世界のタワーについて紹介しました。
「この中で、いちばん高いタワーはどれでしょう?並べ替えてみて」と言うと、「これでしょ~」「いや、これはあり得ない!」など、興味深々でした。
世界でもっとも高いタワーはドバイにあると当てた子も。
みんなに見せたタワーの写真の中で、一番の高さを誇るのは「ドバイ・シティー・タワー」。なんと1,400mもあります。
「うそだろ~」という疑いの声が挙がり、実は2025年に完成予定であることを伝えました。

どうして、もっと高いタワーを建てるんだろう?」と、質問してみると、
「権力を見せるためでしょ」
「見栄じゃない?」
「国土が狭いから?」
「お金が余ってるとか…」
など、面白い答えが返ってきました。

子どもたちの言葉に、バベルの塔を思い出しました。



さて、ここからは本編です。
今回のテーマは「強い国って?」です。
実は、ワークショップの企画会議で、「平和」「戦争」「難民」「軍事」「憲法」などのテーマが出され、何をするか、かなり悩みました。
子どもたちと「平和」や「戦争」について話してみたい、世界で起きている問題について考える機会を持ちたいと思っていました。

しかし、今起こっている現状を伝えたり話すだけでは、子どもたちを悲しくさせてしまうし、退席させてしまうかもしれない。また、情報はいくらでもメディアから入ってきているし、子どもたちはいろいろな出来事をよく知っています。そこで、「どうして戦争状態になるのか」という国と国のやりとりをシュミレーションで体験してもらうことを考えました。

どうして軍事力(ここでは「爆弾」としました)が増えていくのか、というのがポイントです。

シュミレーションは「大人帝国」と「子ども帝国」の2つの国を設け、DEARスタッフ、「えん」スタッフは「大人帝国」側に、子どもたちみんなは「子ども帝国」側に分かれました。
実はシナリオがあり、「大人帝国」は爆弾をどんどん溜め込む国という設定にしてありました。
また、ルールもかなり無茶であるという点も否めませんが…。
シュミレーションの準備とルールは以下です。

【準備したもの】
  • 物カード:お金、医療、教育、食料、爆弾、白紙(出てきたものをその場で作れるように)
  • 状況カード:「災害が起きました」「ノーベル賞をとりました」「隣りの国が爆弾を作りました」など
物カード。「教育」カードのイラストに迷いました。学校、本などの固定観念が自分にあったこと、結局、鉛筆を描いてしまいました…
状況カード
【ルール】
  1. 「強い国をつくる」ことが目的であることを伝える。
  2. 両国ともまず「物カード」を3枚ずつ引き、見せ合う。
  3. 順に「状況カード」を1枚ずつ引き、その状況に対して国の人たちと話し合い、どうするか決める。
さぁ、スタートです!
「子ども帝国」が最初に引いた「状況カード」は…?
なんと、『新しい爆弾を発明しました!どこで実験しますか?』。
シナリオ的には「大人帝国」にそのカードを引いてもらい「ひひひ、爆弾ゲットだぜ~これで強い国になれる」となってもらいたかったのですが…。

「状況カード」を見て、どうするか話しあう「子ども帝国」。
子どもたちに世界地図を見せて、どこで実験するから話してもらいました。
「え、大人帝国はどこにあるの?爆弾落としちゃおっか~(笑)」
「どっかの海、北極は?」
「爆弾なんていらないよ」
「おれ、爆弾なんて作ってないよ、誰が新型爆弾なんて発明したんだ?!」

結局、「子ども帝国」内部は揉め、実験地は決まらず、とりあえず「新型爆弾」は保管することになりました。
爆弾の実験地を話す「子ども帝国」
その後も、さまざまなことが起こりました。

「大人帝国」は『災害が発生!「医療」カードが必要!』という「状況カード」を引きました。
しかし、「大人帝国」は「医療」を持っていません。「子ども帝国」に助けを求めると、交換条件を出してきました。

「医療」をあげる代わりに「食料」と「教育」をくれ、とのことでした。
「大人帝国」はしぶしぶ条件を飲みましたが、「子ども帝国が困ったときに、助けてあげないかもしれないよ!」なんてことも言っていました。

その後、なぜか「子ども帝国」は良い(?)「状況カード」を引き、「お金」を増やしていきました。
シナリオでは、「大人帝国」が「お金」をたくさん持ち、その「お金」で「爆弾」を買いまくるはずだったのですが…。

「お金」を持った「子ども帝国」、しかし何も買いません。「爆弾」も増えていきました。
これには「いざという時とっておく」と言った子に対して、「いざっていつだよ!」と突っ込む子も。

「大人帝国」は「子ども帝国」に戦争放棄を持ちかけました。持っている爆弾をお互いにせーので捨てようというものです。

賛成する子もいました。しかし、なかなか「爆弾」を手放せない子もいました。

全ての「状況カード」が引かれるまで、いろいろな発言がありました。
なんだか、聞いたことのある話がちらほら…。

「敵って誰よ?」
「国の周りに壁を作ろうよ!」
「平和条約結ぼうよ」
「爆弾なんてさ~要らなくない?」
「やっぱり内緒で爆弾持っておいた方がいいよ」
「難民が出たの?そりゃご飯あげないと!」
「戦争手伝ってって言われたら、自分でどうするか選べばいい」
「他の国にバレないように、同盟結ぼう」

「子ども帝国」内でも意見の違いからなかなか話し合いが進まず、フラストレーションが溜まっている場面が多々見受けられました。



「強い国」って結局、どんな国だろう?
そんなモヤモヤが生まれ、シミュレーション最中には、ジレンマが生まれているとうでした。

最後に、YouTubeの映像『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』という絵本の読み聞かせ映像を観ました。

水爆実験で被曝した第五福竜丸の乗組員のお話です。
「新型爆弾の実験は海でやろう」というシュミレーションでの話と繋がりました。

「どうして、爆弾なんていらない、こんなにも願っているのに爆弾は減らないんだろう」
そんな大きな疑問は、今日のシュミレーションで起きた一つひとつの出来事や話し合い、発言が物語っているな…そんなことを思いました。

大きなテーマでしたが、子どもたちにも、何か考え始めるきっかけを作ることができたのでは、と思っています。
(報告:星)

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