「YMCA地球市民育成プロジェクト2016」レポートその(3) 川崎「ふれあい館」への訪問

※レポートその1その2はこちら

思ったよりもかなり長文になっていますね。
お時間がある方は気長にお付き合いください。(笑)

前回に引き続き、フィールドワークについての振り返りです。神山復生院を訪問した後は川崎のふれあい館を訪問しました。初めに教会の中で金迅野さんにお話を伺いました。


在日外国人がたくさん生活をしているという桜本では、多様な言語や文化が息づいています。金さんは、ふれあい館の成り立ちから変遷、今に至るまでの地域に根付いた活動などを、壮絶な差別の現実も交えながらお話ししてくださいました。

もともとは、息子の保育園への入園を拒否された李仁夏牧師が、「それなら自分で保育園を作ってしまおう!」としたのが始まりだといいます。しかし、この保育園の中では通名を名乗ることができても小学校へ上がるといじめられてしまう、ということが繰り返されました。そこで始められた学童が、今のふれあい館の前身でした。


当時の子どもたちにとって、在日外国人としてのありのままの自分を受け入れてもらうのは本当に途方もないことだったのかもしれません。

以前、日本名を名乗って日本の高校まで進学した優秀な生徒がいたといいます。ある時友達同士で、順番に各家に泊まりあいっこをしていましたが、その子の番になり家に友人たちが泊まりにくることになったクリスマス前日に、その高校生は自ら命を絶ちました。

もし家に友達が来てしまったら、日本語が不自由な祖母がいること、韓国の置物が飾ってあることなどから、一目で自分が「在日韓国人」であることが知られてしまう。「日本人」として過ごしていくことができなくなってしまう、それがひとりの高校生を自殺にまで追いつめました。

こんな痛ましい事件を二度と起こさないように、とにかく、子どもも大人もお互いを理解する場をつくりたいと思いました、そう金さんはお話ししてくださいました。

金さんが観せてくださったヘイトスピーチの映像では、かなり攻撃的で暴力的な差別の様子を目の当たりにしました。

しかし、「当時実際にヘイトスピーチが桜本へ近づいてこようとしたときに、多くの日本人が守ってくれたこともまた、事実なんです」と教えてくださいました。“ひどい差別をする人=日本人”のように大きなカテゴリーでひとくくりに決めつけてしまうことは、彼らのヘイトスピーチと同じ行為であるということや、人は自分の関心の外の出来事への痛みには鈍くなってしまいがちであることなどを指摘していました。

また、質問などにも快く答えていただき、敵意を敵意で返して負の連鎖に陥ることは避けなければならないことや、ふれあい館の今後の課題として在日外国人の高校への進学支援や就職のサポートなども重要な問題であると話してくださいました。


お話を伺った後は、近くの作業場の見学や、保育園の設備の見学などを3つのチームに分かれて順番に行いました。

ふれあい館では障がい者の方々も活躍し、手作りのパンやお弁当などを作って販売しています。帰り道にバスの中でみんなでそのお弁当をいただきました!(夏みかんロールというパンもいただいて食べましたが、とてもおいしかったです!)

また、保育園にはたくさんの国籍を持った子どもたちが集まってきますが、園内の掲示などはすべての子どもたちの母語表示のものをそろえるんだそうです。子どもの入園時に、「ここが居場所だよ。安心して過ごしていいところだよ」と伝える意味も込めて、その子の母国語であいさつなどをみんなでやるのだそうです。

どんな時も「共に生きる」をスローガンに、地域づくりを行ってきたというふれあい館。みんなが理解しあい支えあいながら暮らしていけるような地域づくりが社会全体にもっと広まっていけばいいなと思いました。

お話し中は英語や韓国語、中国語での通訳サポートも大活躍し、海外参加者もかなり関心を持って積極的に質問をしていました。参加者にとってなかなかできない貴重な経験がたくさんできた盛りだくさんな一日となりました。
(中川)

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