2017年5月29日月曜日

開発教育入門講座・特別編「コーヒーカップの向こう側」レポート

こんにちは。インターンの山本です。
5月23日(火)に開催された「開発教育入門講座」に参加しました。教材「コーヒーカップの向こう側」の教材を使って、スタッフの小口とタスクチームの都築がファシリテーターを務めました。今回は特別編ということもあって満員御礼でした!ありがとうございました。

消費者教育教材資料表彰2017において優秀賞を受賞しました!
まず、1グループ6人ぐらいの島になって「4つの窓」というアイスブレイクをしました。「コーヒーを飲む頻度」というお題では、コーヒーを全く飲まない人もいれば、毎日3杯以上飲みますという人もいました。

その後、コーヒーに関するクイズをグループ内で話し合い、答え合わせをしました。何気に飲んでいるコーヒーですが、深く考えたことがなく、コーヒーにも消費する側と生産する側で南北問題があることに初めて知りました。

次に、コーヒーの生産工程の写真を並べ変えました。工程だけでなく、生産地や生産者・施設の様子も読み取ることができました。選別過程で若い女性がたくさん働いていることに皆さん気づいていたようです。

この写真は何をしている所かな?と一枚の写真から色々なことを想像してみます
次に、グループがコーヒー農家の家族となってコーヒーの契約栽培をする疑似体験しました。貧しい村にコーヒーのグローバル企業の営業マンが訪れ、「自分たちと一緒に頑張りましょう!」と企業との契約を勧めてきます。契約に慎重なグループもあれば、リスクを顧みずに挑戦するするグループもあり、家族ごとで方向性が異なっていました。しかし、年を経て赤字になってしまう家族もいました。

会社側からの突然の契約終了に「これからどうやってお金を稼ごう?」「コーヒー農地はどうすればいいの?」「こんなの契約に書いていなかった!」など、どのグループでも混乱発生!契約における弱者と強者の存在を認識していました。

振り返りとして、契約をするうえで改善してほしい点はあるか、なぜ農家側は有利な交渉ができなかったのかどのような契約条件があればよかったかをグループで話し合いました。契約内容の明確化してほしい、学校を作ってほしい、作業に対する賃金を出して欲しい、団体交渉権が欲しいなど、シュミレーションしたからこそ考え出せる要望がたくさんあがりました。

最後に、スタッフの八木がまとめとしてフェアトレードと開発教育について説明をしました。フェアトレード認定にはいくつかの項目があることやフェアトレードにおける植民地主義について話しました。

また、このことから消費者として何をするべきかを考える時間を持ちました。しかし、「知る」から「する」までの行動がなかなか難しいと言っていた参加者もいました。大きな事ではなくても、個人でできる小さな一歩が重要だと思います。私はマイボトルを持ち歩き、ペットボトル飲料をなるべく買わないように心がけています。

今月はフェアトレード月間。自分の身の回りのモノの向こうにある世界について、色々と考える時間を持ちたいですね。
学生、会社員、教員、NPO・NGO職員といった多様な方々が「開発教育入門講座」に参加しています。今回初めてDEARのイベントに参加された方もたくさんいました。次回の6月の入門講座でもお待ちしています。
(報告:山本絵理)

2017年5月23日火曜日

『写真で学ぼう!地球の食卓』が「内閣府特命担当大臣賞」受賞!

こんにちは。事務局の八木です。
このたび、教材『写真で学ぼう!地球の食卓 学習プラン10』が、(公財)消費者教育支援センター主催の消費者教育教材資料表彰2017の「内閣府特命担当大臣賞」を受賞いたしました。「内閣府特命担当大臣賞」は今年からはじまった賞なので、栄えある「第1回」受賞者となります。

5月22日(月)の「消費者月間シンポジウム」(主催:消費者庁)で発表があるということで、八木と山本(ボランティア)の2名で出席してきました。

あいさつされる消費者庁の岡村和美長官。「おめでとうございます!」とお声かけいただきました
会場では、とってもたくさんの方に「おめでとうございます」「すばらしい教材ですね」とたくさんお褒めいただきました。以前からDEARの活動を見守ってくださっている方々もおり「第1回目の受賞者がDEARさんで、ほんとうに良かった!」「開発教育と消費者市民教育は絶対につながる日が来ると思っていた」と、嬉しい言葉をいただきました。

国会議員の方々もたくさん出席されていました
懇親会では、今回の賞をくださった内閣府特命担当大臣の松本純議員ともお話しさせていただきました。驚いたことに、大臣はちゃんと教材の中身をご存知で、秘書の方や周りの方に、「これはさ、こうやって使う教材なんだぞ。比較するからこそおもしろいんだ」と説明までしてくださいました。そして、「世界もいいけど、47都道府県の食の多様さや健康度の違いがわかる教材もつくってらどうか」とご提案もいただきました。

松本純大臣より内容に対するするどい突っ込みも…
しっかり、励ましていただきました
東京のウキタ・ファミリーの写真といっしょに
初代の内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)を務められた福島みずほ議員もいらしていたので、先週の「国会議員のための世界一大きな授業」への参加のお礼をお伝えすることもできました。「あの『授業』もとてもいいし、消費者教育のいい教材も作成してくだってありがとう」とあたたかな言葉をかけていただきました。

審査員の方々からは‥「写真そのものが持つ力を活用することで、教育現場で求められている主体的・対話的な深い学びであるアクティブラーニングが可能であり、オリジナリティにあふれた魅力的な教材である。更に、教員が様々な発想でいろいろな教科、学年に対応して活用できるツールとなっていること」が、高く評価されました。

写真で学ぼう!地球の食卓 学習プラン10』は、200名を越える寄付者の方にご支援いただき、2010年に発行できた教材です。制作には、学校の先生やNGO、専門家の方、DEARのボランティアの方々など、多くの方が関わりました。

写真を撮られたピーター・メンツェルさんやフェイス・ダルージオさん、使ったくださった先生方等、多くの方にご尽力いただいた教材がこのように評価され、本当にうれしいことです。

また、影ながら見守ってきてくださった消費者教育支援センターのスタッフの皆さま、ありがとうございます。


正式な授賞式は6月26日(月)に開催される「消費者教育シンポジウム」となりますので、また改めてご報告します。
(報告:八木)

2017年5月19日金曜日

高校生8人が「国会議員のための世界一大きな授業」をやりました!

こんにちは。そして、初めまして!先週からインターンを始めた山本絵理です。8月の全研までの約2ヶ月半DEARでインターンをさせていただきます。

5月17日(水)に、衆議院第2議員会館で行なわれた「国会議員のための世界一大きな授業」に参加してきました。参加者は国会議員が18人、秘書7人、オブザーバー参加38人、スタッフ19人、高校生8人で、イベント参加者の合計は90人でした!去年よりも参加議員の数が増えていました。

オブザーバーも含め90名が参加しました
「先生」はフリー・ザ・チルドレン・ジャパンの8人の高校生、「生徒」は現役の国会議員の方々でした。授業時間が35分という短い時間の中で、先生である高校生が自分たちの思いを伝えようとする努力が、授業を受けていた国会議員の方々のみならず、関係者も観客にも届いたように感じました。あっという間で楽しい授業でした!

「先生」役の高校生たちはパワーポイントを使いながら、2~3人1組で1つの項目を担当し、約6つの項目から授業が成り立っていました。高校生の連携プレー・潜在能力や、高校生ならではの主張・若さに、会場にいた全員が「とてもよかった!」「考えさせられる授業でした」「次回の授業まで宿題頑張ります!」などのたくさんの言葉があがっていました。

まず、「全ての子どもに質の高い教育を」というキーワードで始まりました。そして、導入として、持続可能な開発目標(SDGs)とその中の4つ目の目標であるSDG4についての授業が行われました。SDGsに至るまでの経緯をMDGsの成果と残された課題と比較しながら説明していました。SDG4は「全ての人に衡平な質の高い教育と生涯学習の機会を提供する」という目標を掲げています。


次に、教育を受ける権利について、日本と途上国の学習環境を比較しました。先生は生徒に「なぜ途上国の子どもたちは教育を受けられないのでしょうか」と投げかけました。それに対し、真剣に考えて発言している国会議員の方々を見て、なかなか見ることの出来ない風景だと感じました。笑いもおきたりしていて、活発な授業が行なわれていました。

次に、SDG4をもう少し深く掘り下げて、SDGs4.5にある女性と障害者に焦点を当て「誰一人取り残さない教育」を考えていました。生徒に「女性が教育を受けられるとどんなメリットは何があるでしょうか」と考えさせ、生徒の発言の後にビデオを見せ、その感想を聞いていました。障害者のテーマでは、日本とフィリピンの障害者に対する教育や職業訓練の違いについて説明していました。

目が見えない体験をして、お札の金額を当ててもらいます。
特に面白いと思ったのは、途上国の学校を模した模擬授業体験です。生徒になっている国会議員の1人が先生役となり、他の国会議員に簡単な算数を教えてました。しかし、その学習環境は日本の教室とは異なるものでした。先生は間違ったことを生徒に教えていて、さらに、生徒たちは小さい紙・インクしかないペン・狭いイスを使って授業を受けていました。そこから、「先生」である高校生は途上国の学習環境を改善するためには「教育者の育成」が重要だと訴えていました。

模擬授業。3人がけのイスに4人で座る議員のみなさん。
先生役は御法川議員です。
最後に授業のまとめとして、2つ政策提言をしました。1つめは、「初等教育支援強化」です。小学校中退・貧困の悪循環を止めるためや子どもの健康状態改善のために、初等教育を当たり前のものにしていくことが重要だと述べていました。2つめは、「教師支援の強化」です。途上国にペン・ノート・黒板などの物資を与えるのではなく、教師に生徒に教えるための知識や技術を教えることが必要だと、堂々と主張していました。この授業の軸となっていた「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教える」を最後に発表し、最終的に自分たちで生きていける方法を提案していました。


参加された国会議員からの感想で、高校生の考えに+αしたものが出されました。それは、「新しい魚の釣り方を教える」というものでした。これには、会場にいた全員からどよめきが起こりました!

他にも、「ODAの予算をチェックするべきだと思いました」「クイズ・質問・アクティビティをしたり、意見を述べさせたりすることで、工夫して伝えるのが上手でした」「国内のみならず世界に向けた政治をしていかなければならないと感じました」「価値観と文化の多様性を大切にしていきます。」など、次世代に向けた感想があがっていました。


18歳選挙がスタートし、参加した高校生の中に選挙権を持っている人もいました。1人の有権者・国民として目の前の国会議員の方々に対して、「日本だけでなく世界に向けた政策提言を国会の中でしてください!」とお願いしていました。それを聞いた議員たちも「次回までにこの宿題を頑張ります!!!」とみなさん応えていました。めったに国会議員と対話することのない高校生が、ここまで積極的に物怖じせずに自分たちの主張を貫き通している姿を見て、子どもを見守る母のような気持ちになり、8人の高校生をとても頼もしく感じました!
(報告:山本絵理)

▼授業の様子はyoutubeから観ることができます