開発教育入門講座・特別編「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」

みなさん、こんにちは。DEARボランティアの木村です。

3月11日(月)に聖心女子大学のBE*hive(ビーハイブ)で、開発教育入門講座・特別編「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」が実施されました。私は今回、参加者として入門講座を体験したので参加者目線で講座の様子をご報告します。

今回は2012年発行のこちらの教材をつかいました

3月11日といえば、8年前の東日本大震災を思い出さずにはいられません。この日の入門講座も、いつもの通常編ではなく特別編と題して、エネルギー・原発をテーマに開催されました。

午後7時。広尾駅にほど近い会場のBE*hiveに、三々五々、参加者が集まってきました。ほぼ全員が1人での参加。入門講座への参加自体が初めてという方もいらっしゃって、少し緊張がただよう講座の始まりでした。

そんな雰囲気を、ファシリテーターの大野さんの穏やかな笑顔が払拭してくれました。まずは、3~4人のグループに分かれて自己紹介。参加した理由を話すと、私と同じように、「3月11日のこの機会に、原発や福島のことについて学んだり話をしたりしたかったから」という方が多くいて、お会いしてから5分もたっていないのに何だかとても親近感がわいてしまいました。

ワーク1:あの日から今日まで…

自己紹介の後、東日本大震災が発生してから今日までのことを振り返り、「考えたこと、感じたこと、変わったこと、変えたいと思ったが変えられないことなど」を付箋を使って、各自書き出しました。

あの日の自分の行動は詳細に覚えている人も多いと思いますが、考えたこととなるとすらすらとは出てこない(私だけ?)。数分後に、同じグループの人と書いた内容を共有しました。

「命の重さ、家族の大切さ、地域とのつながりの大事さを痛感した」「電気を大切に使おうと決めたのに、時々電気をつけっぱなしで寝てしまっている、、、」など。他の人の意見を聞いて「あー、そうそう、そんなこと思ってたんだよねー」と共感したり、「あ、そういう視点でものを見てるんだ。すごいなー」と感心したり。

大野さんにストップをかけられるまで、どのグループも話が尽きない様子でした。その後、各グループでどういった意見が出たかを共有しました。

ワーク2:仮想インタビュー

続いて、仮想インタビューのワークをしました。原発誘致が行われているある地域で、電力会社や行政、住民など9人に仮想のインタビューをするというものです。

9人に仮想のインタビューをしていきます

インタビュー内容は紙に書かれているものが壁に張り出されており、各グループで担当を決めて9人全員の意見を書き取って、共有しました。

9人の中には、原発誘致に賛成、反対、どちらでもないという立場、また、同じ立場でも理由が違っていたり、さまざまな意見があることを知ります。その中で、気になる意見や、誘致するかしないかの決定に影響を与えそうな人やその理由についてグループで話をしました。

面白いなと思ったのが、私と別グループで発表された方の意見が180度異なっていたこと。自分の意見を持つことは大切。だけど、それを正解とせずに他の人の意見にも耳を傾け、一人ひとり違うのだと認識することの大切さを改めて実感した瞬間でした。

ふりかえり

2つのワークを通じて、学んだこと、気づいたことを各自でふりかえりました。

普段、家族でも職場でもこんなにエネルギーや原発のことについて話をする機会がないのに、初めて会った人たちとざっくばらんに話をすることができたことに改めてすごいことだなあと思いました。

価値観や考え方、関心を同じくする方たちだったということもあるかもしれませんが、まず自分から話をしてみる、相手が違う意見でも耳を傾けるという姿勢があるからこそ、相手も心を開いて話をしてくれたのだと思います。これからも、機会をつくってこのトピックについて考えていきたいと思います。
(報告:木村)

※今回の入門講座で使用した教材「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」はDEARホームページにてお買い求めいただけます。詳細はこちらをご覧ください。
http://www.dear.or.jp/book/book01_energy16.html
※2019年度も毎月入門講座を開催します。日程と内容はこちらをご覧ください。
http://www.dear.or.jp/getinvolved/nyumon.html

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