自分の気持ちを表現できてよかった!オンラインでGE22号「COVID-19とわたしたち」

こんにちは。スタッフの八木です。

DEARでは先週15日(水)に「新型コロナウイルス感染症とわたしたち」という教材を発行しました。すでに300件に迫るダウンロードのお申し込みをいただいており、「こういうものを待っていた!」「家でやってみます」「遠隔授業に挑戦してみます」という声もたくさん届いています。ありがとうございます。

そんな折、教育系の国際協力NGO関係者による「オンライン交流会(飲み会)」の機会があったので、「アクティビティ1:わたしの気持ち」をやってみました。実施の参考になればと思い、どのように進めたのかをご報告します。

画像は「イメージ」です。実際はそれぞれの手元に食べ物や飲み物があり、とてもカジュアルな雰囲気でした。
  • 利用アプリ:ZOOM
  • 参加者:8名くらい(出入りあり)
  • 実施時間:約45分 ※ワークの前には90分ほど近況報告などでわいわいおしゃべりしていましたので、お互いのことは十分に知り合った状態で実施しました。
  • 実施プログラム:アクティビティ1「わたしの気持ち」
  • ワークシートを画面共有し、個人で1分間、3つの「気持ち」を選ぶ時間をとってから、ひとりずつ共有していきました。
4つのアクティビティを収録

参加者は国際協力NGO関係者ということもあり、いろいろな視点からの声を聴くことができました。以下、簡単にご紹介します。
※個人が特定されないように適宜編集しています。

Aさん(ネパール在住)
  • 悲しい、不安、役に立ちたい。
  • ネパールでも学校が休校になり、外出禁止も続いている。
  • ラジオの普及率が95%と高いので、ラジオで授業を再開する取り組みが出てきている。状況に対応した実践も出てきており、何か役に立ちたいと思う。
Bさん(大学院生)
  • 悲しい、不安、怒っている。
  • 毎日感染者数や死者数が増えることが悲しいし、不安。
  • 東南アジアの国でインターンシップをしながら調査をする予定だったけれど、いつ再開できるか分からない…。
  • 危機感が薄い人がまだ多くいることに、怒りを感じる。
Cさん
  • 怖い、怒っている、ざまあみろ!
  • どこかを触っても、人に会っても、どこにウイルスがついているか。見えないし、分からないことが怖い。
  • 政治についてよく考える機会になった。多くの人が目が覚めたのでは‥。ざまあみろ!(とある政治家に向かって)
  • これまで「当たり前」だったことが変わっていく機会になるのではないか。
Dさん
  • 居心地が悪い、疑い深い、わくわくする。
  • 自分はあまりマスクをしていないので、居心地の悪さを感じることがある。
  • 有効性の分からない情報が多い。
  • いろんなものがオンライン化しているけど、アクセスが難しい人々、排除される人々がいるのではと、オンライン化の動きをちょっと懐疑的にみている。
  • 主催したトレーニングに参加したユースたちがSNSの中で、家が安全な場じゃない人やマイノリティに目を向けた発信をしているのを見て、「社会教育をやってきてよかった」と思った。そういう意味で、わくわくしている。
Eさん
  • 励まされる、不思議、役に立ちたい。
  • アフガニスタンから報告が届いた。女性たちがコミュニティ・センターで、予防やほかの人のためにマスクや防護服を作りはじめているそうだ。タリバンの影響も受けた地域にもかかわず、大変な状況の中でも「何かしよう」という人々の働きに励まされている。
  • 識字教室をオープンスペースで、5人ほどの少人数で続けている事例なども聞いた。これらの取り組みの発信などで役に立てたらと思う。
  • 以前に仕事の環境により体調を崩したことがある。労災申請したけれどダメだったし、精神的にとても辛かった。困っている時に支えになるのが国や制度だと思うけれど、今回の政府の対応を見ても不思議なことばかり…
Fさん
  • 悲しい、不安、励まされる。
  • 数週間前にニューヨークに行ったばかり。その時は平穏だったので、今の状況に驚いているし、悲しい気持ち。
  • しばらくは旅行やお出かけはできないだろうし、社会もわたしたちの行動も「元通り」にはならないだろうと思う。
  • これまで気付かなかった人々への感謝の気持ち。励まされる。
Gさん
  • 疲れた、励まされる。
  • ニュースやネットの情報を見て、もう疲れた…。
  • 所属団体で世界中のネットワーク組織とZOOM会議をやっている。先日も300人ほどが参加した。世界各地の取り組みや発信に励まされている。
全員の話を聞いたあと、「どんなことを思った?」「今、あらためて言いたいことはある?」と問いかけました。その時に、みんなが言っていたのは「こうやって、自分の気持ちを話すことができてよかった」ということです。

また、こんな意見もありました。
  • 情報を受け取るばかりで、パッシブになっていることに気がついた。もっとプロアクティブに、自分の気持ちを表現することが大事だと思った。
  • 気持ちを話していいんだ、表現していいんだ。それができてよかった。
  • メディアの情報の洪水状態。「市民と市民の対話の場」がつくれるといい。
  • 「学校教育」を相対化する機会になっていると思う。「学ぶ」とはどういうことか。
  • CO2の排出量が減るなどして、気候変動に関してはポジティブな変化が起るかもしれない。
オンラインでやってみて分かったことは、対面のワークショップと同じように、進行役(ファシリテーター)の役割が大事だということ。また、このようなシンプルなワークであれば、十分に成り立つということです。

また、画面共有やコメント(チャッター)の書き込みができるので、文字での確認もできますし、参加者対進行役でなく、全員が参加者の顔を見ながら進めることができるのも利点のひとつだと思いました。

みなさまも、状況や参加者に合わせて、アレンジしながら実施してみてください。
(報告:八木)

●追記
別のオンラインの集まりで、アクティビティ3「様々な意見を読んで考える」をやってみました。
1.ワークシートを画面共有する。
2.これから8つの様々な意見を読み、読んだ後に「驚いたこと」や「印象に残ったこと」を共有することを伝える。
3.参加者が一人ずつ順番にA~H意見を音読する。
4.それぞれの「驚いたこと」や「印象に残ったこと」を共有する。
参加者が順番に音読することで、黙読するよりもしっかりと理解することができたと思います。参考になれば幸いです。

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