こんにちは。ファシリテーション研究会の楢府(ならふ)です。
昨年から始まった「開発教育ファシリテーション講座」を今年も開催しています。
本講座では、2019年にDEAR内に立ち上げたファシリテーション研究会で進めてきた議論や研究をベースに、参加者と一緒に学んでいきます。今年は、参加者16名と研究会メンバー10名に加え、昨年度の参加者(修了生とよんでいます)6名の計32名で進めていくことになりました。
講座の主旨は、学習を深めることを応援するファシリテーションを「共通したスキル」からではなく、それぞれの個性を発揮してできるよう、お手伝いをすることです。
第1回目では、全体説明、自己紹介、私とファシリテーションを振り返ることを中心に行われました。
もくじ
- 自己紹介
- 私とファシリテーション
- ファシリテーションの恐怖
- グループワークとまとめ
自己紹介
私とファシリテーション
そして、「私とファシリテーション」について取り組みました。
前半では、まず、「自分にとってのファシリテーターとは」をチャットに書いてもらいました。参加者の皆さんのチャットからは…
- 参加者の考えを引き出し話し合いの流れを作る人。
- 参加者の意見を上手に引き出して、最後に意見をまとめられる人
- 一緒に悩み考える人、学ぶ人/学び続ける人
- 自分を成長させてくれるもの、潤滑油、サポート役
などがありました。
その後、グループに分かれ、各自の考えを説明したり、理解する時間をとりました。
ファシリテーションの恐怖
休憩をはさんだ後半では、「ファシリテーションの恐怖」※を考えました。
※出典:SMILE ファシリテータートレーニング 研修資料より『学習者とともに考える 同和問題に関する参加型学習』社団法人 部落解放・人権研究所、2008年、p.22
以下の8つの中から当てはまるものを一つ選んでもらい、その後グループに分かれ意見交換をしました。
- 状況が手におえなくなる。
- 自分が無能力、または専門家でないようにみられる。
- グループのメンバー(参加者)が傷つけられる。
- 自分が表面下では何が起こっているのかを十分に見極めることができない。
- グループメンバーの期待に達し得ない。
- エクスパートの観察者としての客観性を失う。
- 自分よりもメンバー(参加者の誰か)の方が能力があるように見え、グループの助けになっている。
- グループのなかで起こってくる葛藤や危機を解消する手段・方法をつくりだすことができない。
全体では「ファシリテーションがうまくないと参加の意義を見いだせないのではないか」といった恐怖に対し、「参加者自身のグループワークや議論が充実していればよいと言う視点をもらった」という意見や、「全員が満足する議論を目指すのもよいが、程度の人が満足するでもいたしかたないのでは、そもそも何をもって満足というのか」などの指摘もありました。
グループワークとまとめ
それらを踏まえて、8つの恐怖一つひとつについて、さらに具体的な経験なども交えてグループで話し合いを深めました。
参加者の力を出し切れていない、湧かせられていない恐怖
→能力の高い参加者に任せるところは任せて、手綱を占めるだけでもよいのではと気づいた
表面下では何が起こっているのかを十分に見極めることができない恐怖
→利害関係、人間関係などその人状況など話し合いだけではわからない部分に気づかされた→言葉にできない分、表情からつかめることもあると知った
→まだうまくまとめられないが深く話せた
状況が手におえなくなる恐怖
→その目標を時間内に達成しなければならないか、持ち帰りでよいかでも変わってくる
能力不足の恐怖
→自分の型にはまっているとうまくいかないこともある
→能力があっても助けにならなかったりする場合もある
→能力がなくてもその場にあわせられれば大丈夫かもしれないなどに気づいた
まだまだ、結論には至らないものの解決の糸口や新しい視点がいくつか出てきていました。
最後に今日のまとめをグループで行い、各自それをまとめることが宿題となりました。
来週は「傾聴・パラフレーズ」に進みます。日曜日の朝からしっかり3時間、でもあっという間の3時間でもありました。(報告:楢府)
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