こんにちは。DEARスタッフのゆーこん(岩岡)です。
2021年12月6日(月)に、川崎市にある「フリースペースえん」で、3回目(全5回)のワークショップを行いました。
今回のテーマは「ジェンダー」。
社会や文化の中で作られた、性別に対する考え方を「ジェンダー」と言います。例えば、女の子は赤やピンク、男の子は青や黒などと、性別で色を分けたり、女の子はスカート、男の子はズボンなどと、性別で着る服を決めたりすることが挙げられます。
今回は、私たちの周りにある「女の子らしい」「男の子らしい」ってなんだろう?をみんなで一緒に考えてみました。
1.「〇〇だから△△しちゃだめ/しなさい」って言われたことある?
最初にほっしーから、みんなに相談がありました。
「今度、いとこが結婚するんだけど、結婚式で着るスカートが短くって…どうしたらいいかな?」
すると子どもたちから「もうおばさんだから、長いスカートの方がいいと思う」という声が。(残酷…!😅)
「結婚式で着るスカートが短くって…どうしたらいいかな?」と相談するほっしー |
「おばさんって、何歳からおばさん?」
「短いスカートは、何歳まではいていいの?」
そんなやりとりを皮切りに、みんなで
「●●だから、△△しちゃだめ/しなさい」って言われたことを出しあってみました。
すると、たくさん出てくる出てくる…!
- 男の子だから、泣いちゃダメ😠
- 男だから、力がある💪
- お姉ちゃんだから、お兄ちゃんとお風呂入ったらダメ🚿
- マイペースだから、早くしなさい🏃
- 20歳過ぎたから、お化粧しなさい💄
- 女の子だから、おしゃれしなさい👧
- 野球部だから、坊主にしなさい👦
- 女の子だから、足をとじて座りなさい👩
たくさん書き出されたホワイトボードを眺めながら、
「全部な~るほど!」「私もあるある!」
といった声があがります。
「全部あるあるだな~」「なるほど!」 |
中には、「怪我しているから運動しちゃダメ」という言葉も。
「そりゃそうだ~!笑」という突っ込みがあちこちから。
😕「お化粧は、男性は言われないけど、女性だけに言われることだね」
😗「野球部の坊主頭は、日本特有なのかな?女子野球部は言われないね」
といった、性別によるちがいに話が広がりました。
2.おんならしさ・おとこらしさって?
今度はみんなでカードを見ながら、「おんな」と「おとこ」にあえて分けてみました。
「料理」「掃除」「スカート」「ズボン」「あお色」「ピンク色」「消防士」「社長」「お医者さん」「看護師さん」といったいろんなカードを分けていく子どもたち。
どのカードも「え~女も男も関係なく、どっちもだよ」という声があがる一方で、「でも現実にはさ、スカートは女子だよね?」「ランドセルの色は男女関係なくいろんな色を選べるけれど、洋服は明るい色は女の子、暗い色は男の子が多い」といった声も。
オンライン組はJamboardを使って分けてみました! |
えんの中では、みんな料理もするし、みんな掃除もするから、「おんな」と「おとこ」で区別されることってほとんどないけれど、実際に外の世界にある区別とのギャップはあるよね、と気づく子どもたち。
3.このちがい、あり?なし?
後半は、実際に社会にある「おんな」と「おとこ」のちがいを寸劇でやってみることに!
3人くらいの小さいグループに分かれて、カードに書かれたお題にそって、急遽役づくりをしていきます。
このあたりの柔軟さは、さすがえんの皆さん!
白熱した演技が繰り広げられました。
<4つのお題>
- テレビを一緒にみていて、兄は家事を手伝わなくていいけれど、妹は家事を手伝うようにいわれます。
- 男の子は力仕事をしなさいといわれ、女の子は重いものは持たなくていいといわれます。
- 日本の国会議員(衆議院)は、90.3%が男性で、9.7%が女性です(2021年)。
- 日本で働く人の平均給与は、男性が540万円、女性は296万円です(2019年)。
一つ一つのお題について、「これってあり?なし?」と聞いていくと、どれも「なし!」という声がたくさんあがりました。
特に、国会議員の女性議員の少なさや、女性の平均給与の低さをグラフで目の当たりにすると、みんなから「ありえない!」「これって本当?」など驚きの声などが漏れました。
女性に家事や育児が偏っている現実、男性の長時間労働の問題など、社会の中に実際にある男女の格差や不平等の現状。一緒に参加していた大人たちからも、実体験などを交えてたくさんの事例や意見が出されました。
👩「髪の毛が長いから女の子?って聞かれて、モヤモヤした。男の子でも髪が長くていいと思う」
🙋「父親が家事をせず、女だからと母親や娘にやらせることがある」
👫「実家に帰ると、(家族や親せきから)結婚はまだ?と言われる」
今回のワークショップでは、身近にあるジェンダーの問題について分かりやすく理解をするために、あえて女性と男性という二つの視点から考えてみましたが、そもそも女性と男性の二つに分けることって難しいよね、という話がありました。
「社会では、女性か男性かのどちらかにカテゴライズされてしまうことで、そうではない人が生き辛さを感じているのでは?」
「本当は性別ではなく、その人自身を見てもらいたいよね」
ということを話しました。
えんの皆さん、どうもありがとうございました。
「いつもDEARの講座は素敵だけど、今日の講座は特に良かったです😊」なんて嬉しい声も!
次回(2022年1月)は、ジェンダー第2弾!トランスジェンダーの女性をゲストに招いてワークショップをします。
次回も白熱したお話ができることを楽しみにしています😊(報告:岩岡由季子)
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