こんにちは。昨年度の開発教育ファシリテーション講座修了生の山本敬典です。
10月23日(日)に「開発教育ファシリテーション講座2022」第2回が開催されました。
第2回は「感情や考えを聴く」をテーマに、エッセイを読んだ際の気持ちを共有したり、傾聴の練習を行ったりしました。私自身、昨年度の講座で一番印象に残っているワーク(!)である「3者リスニング」も行いました。
もくじ
- アイスブレイク〜今週のgood bad〜
- エッセイを読んで「わたしの気持ち」
- 傾聴〜3者リスニング〜、ふりかえり
- おわりに(連絡事項、次回の案内、懇親会連絡)
1.アイスブレイク〜今週のgood bad〜
グループに分かれて、今週あったgoodな出来事、またbadな出来事を紹介し合いました。
グループでの話を終えて、参加者の方からは「個人的な話をしたけど、皆さんが話を受け入れて聞いてくれてよかった」とのコメントがありました。
講座は2回目ですが、スタッフ・参加者で温かい場づくりができていることを実感しました。そして、慌ただしい毎日、何があったかを振り返る時はあまりないので、改めてgoodやbadを思い出して伝えることって大切だと感じました。
2.エッセイを読んで「わたしの気持ち」
次に、エッセイを読んで感じた気持ちとその理由、印象に残ったことをグループで共有しました。
エッセイの内容を簡単に紹介します。
「仙台生まれのケンタロ・オノさんは小学生の時に出会ったキリバスに憧れ、高校で首都タワラの高校に編入しました。その後、23歳でキリバス国籍を取得して会社を立ち上げます。キリバスは地球温暖化の影響で2050年には8割が海に沈むといわれています。ケンタロさんは地球温暖化は人災であることを訴え、日本人にも生活を振り返ってみてほしいとエッセイの中で主張しています」
※エッセイは『気候変動』(DEAR、2019)に収録されています。
※エッセイは『気候変動』(DEAR、2019)に収録されています。
エッセイを読んで「おどろいた」「すごい」「ありがたい」「不安」「うれしい」「悲しい」「もっと知りたい」「かわいそう」「腹が立つ」「自分には関係ない」など、自分の気持ちに近いものを選びます。グループワークで以下について共有しました。
- エッセイを読んでどう感じたか?
- 他の人の感じ方を聞いてどう思ったか?
- 自分の気持ちがわいてくる背景にはどんなことがあるのだろうか?
参加者の皆さんから出た意見を紹介します。
- 同じエッセイを読んだのに、感じている内容がそれぞれ違うことが面白かった。
- 経験や立場によって、感じることが違うと知れて、興味深い。
- 同じ文章を読んでも、感じ方が違う理由は何だろう、と自己分析した。端的に自分にはこういう特徴がある、と思えばいいのに、この場には学びに来ているので、どこか反省モードになっている。
本来、気持ちには「いい」「悪い」はないので、自分のありのままの気持ちを受け入れることが大切ですよね。そして、他者と気持ちをシェアすることで、自分が普段どのような枠組みで物事を捉えているのかに気づくことができることを改めて実感しました。
3.傾聴〜3者リスニング〜、ふりかえり
さて、いよいよ3者リスニングのワークです。
- 「話す役」は「開発教育に取り組む上で感じていること、もやもや、ジレンマ」を話します。
- 「聞き役」はパラフレージング(相手の話を違う言葉で要約して、言葉の意味や気持ちを確認する)を行いながら全身で傾聴します。
- 「観察役」は後でフィードバックします。
参加者の方々からは次のような振り返りがありました。
- 聞き手の知りたいことを聞くインタビューとは違う、傾聴という方法を初めて経験しました。話し手が「問わず語り」を始めるように、そしてその方自身が話すことで自身の考えがクリアになるように、ということのために傾聴が役立つことがとても印象に残りました。
- パラフレージングを知り、体感することで、新しい傾聴のスキルを実感することができた。自分のスキルと合わせて、バランスよく活用していこうと思えました。聴くことは、受け止めることであり、引き出すことであり、安心を生むものであるのですね。
- ファシリテーターが「引き出す、広げる、気付かせる、深める」人であるならば、その肝は「問い」だと思っていたけれど、実は「傾聴」も大事な肝だと気付いた。相手をしっかりと受け止めることが、ファシリテーターの最初の仕事なのだろうと思った。
- 参加型ワークショップは、人と人のコミュニケーションの中から学びを深めていくこととなる。その土台となる人と人のコミュニケーション、1対1のコミュニケーションでしっかり聞くことのできる環境づくりが大切だと改めて感じた。
「3者リスニング」について参加者の方の意見で印象に残った言葉がありました。
「以前、機械的におうむ返しされるワークがとても不快でした。相手の話を傾聴する時に、自分の枠組みを外すことがある一方で、外しすぎるとおうむ返しになるんじゃないかと思います。相手の話を受け止めて、解釈を入れて、返すのがパラフレーズだと感じました。また、新しいモヤモヤも生まれました」
確かに、ただのおうむ返しだと「聞いているのか?」と思われます。
ロボットのように機械的に行うのではなく、自分の解釈を入れること。聞いているだけじゃなく、考えてくれているという態度に好感がもてるということが改めてわかりました。
そして、聴いてもらえると安心感や心地よさがありますよね。聴き合うということが人間関係に安定をもたらします。こういったコミュニケーションが広まればいいなぁと思いました。
4.おわりに(連絡事項、次回の案内、懇親会連絡)
10月30日(日)、講座はお休み、懇親会が開催されます。
昨年も、様々なバックグラウンドをもった参加者の方々やスタッフのお話がたくさん聞けてとても濃かったです。今年はどうなるか、今からとても楽しみです。
そして、次回の講座は11月6日(日)です。
そして、次回の講座は11月6日(日)です。
余談ですが、第1回、ナンシーさんが書かれたブログに「鎌倉殿の13人」(開発教育ファシリの13人!)が出てきました。第2回を終えまして、源頼朝や、執権北条時政、北条義時も傾聴・パラフレーズを政治に取り入れていたら、鎌倉も変わった方向にいっていたのではないか…と想像が膨らみました。
(報告:山本敬典)
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