開発教育ファシリテーション講座 第6回「自分のファシリテーションを振り返る~よりよい教育実践をつくるために」

こんにちは。開発教育ファシリテーション講座修了生のしんちゃんこと、新川美佐絵です。

毎週日曜朝から、ご参加の皆さんもスタッフも頑張ってきた「開発教育ファシリテーション講座 2022」もいよいよ最終回。11月27日(日)の第6回は「自分のファシリテーションを振り返る~よりよい教育実践をつくるために」をテーマに、13時からスタートしました。

誰しも自分をふり返るのは苦手で、自分と向き合うことは簡単じゃありません。

恥ずかしいし、怖いし、自己嫌悪に陥りそうだし…。でも成長や変容のために避けては通れない必須事項です。これまでともに学んできた仲間と一緒ならきっと大丈夫!さぁ、最後の講座が始まります。

もくじ

  1. はじめに:今日のねらいと流れ
  2. アイスブレイク
  3. 「私がファシリテーションをする目的」をふりかえる
  4. 「普段、どんなふりかえりをしていますか?」
  5. 「講座での自分のファシリテーションをふりかえろう」
  6. 「自分だけのオリジナルふりかえりカードを作ろう!」

1.アイスブレイク

気づけば師走目前、「最近・今年自分が頑張ったなぁと思うこと」を各自チャットに書き込んでもらいました。

「育児も仕事も学びも」「ただただ毎日頑張った」という涙ぐましいコメントから皆さんのアクティブな毎日が垣間見られたようでした。

中には「断捨離」という方もいましたが、あ、今ブログを見ると第5回のアイスブレイク「今年中に頑張りたいこと」というテーマで「本棚に本が山積みになっていて、今年中に整理、断捨離したい」という方が。1週間で断捨離、成功したのかな?

2.改めて「開発」と「ファシリテーションする目的」を考える

講座の第3回で「開発」について考えましたが、今回改めて「開発」とはなにか、整理しました

日本で一般的に使われるややネガティブなイメージを伴った従来の「開発」を問い直すこと、そしてありたい未来や公正な社会をみんなで創っていくためのプロセスが、開発教育で使われる「開発」という言葉に込められています。

そして「公正」という概念やその質そのものが問われる今、その中身を自分たちで作り上げていく過程にファシリテーションが必要とされる(※参考:『激動するグローバル市民社会―「慈善」から「公正」への発展と展開』重田康博著、明石書店、2017)。

だからこそ、開発教育ファシリテーションにはテクニックではなく、常に「開発とは」「持続可能とは」「公正とは」…と正解のない問いを考え続ける努力と気力が必要とされているのではないでしょうか。

「開発」を改めて考えた後は、「私がファシリテーションをする目的」を各自で考え、3人1組で共有しました。参加者は、過去の自分が受けてきた教育への想いや今働いている業界で感じる課題、モヤモヤなどを率直に話してくださいました。


本講座6回目という参加者間のつながりと「どんな意見も否定されない・判断されない」という安心感があるからこそ自己開示ができるんだろうな、と、この場そのものが自然と参加者全員によってファシリテートされている?と不思議な感覚を抱いた新川でした。

4.自分の「ふりかえり」をふりかえろう

続いて、これまでの自分の「ふりかえり」を各自整理し、グループで共有する時間です。
  1. 何のために?(目的)
  2. どんな方法で?(方法)
  3. いつ?(タイミング)
  4. 次にどのように活かす?
を中心に、自身の「ふりかえり」の現状をざっくばらんに把握していきました。
グループでは「変容や成長を求めてのふりかえりはもちろんだが、そこまで高度な目的ではなくとも、自身の感情や気持ちと向き合うために行うこともある」、「ふりかえることを意識しないと前に進むばかりになってしまう」といった意見が上がったようです。

本講座では各回終了後にふりかえりを提出しています。アンケートではなく、あくまで「ふりかえり」です。休憩を挟んだあとは、各自が過去毎回提出してきたふりかえりを手元に準備し、以下について自身で分析していきました。


自身を客観的に見つめた参加者からは、様々な意見が出ました。
  • 自分のファシリテーターとしてのありようとは、つまり自分自身のありようなんだと思う。相手をゆさぶり、「本当にそうなの?」と常に別の視点を投げかけている。
  • 心に余裕がないままファシリテーションを行うことが多く、不安が多かった。でも他の人と話すことで、ありのままの自分、自分らしいファシリテーションというポジティブな発想が生まれた。
  • その場が盛り上がったら良い、ではなく、参加者の行動変容を促せるようなファシリテーターになりたい。参加者の学びの意欲を高めることのできるファシリテーションを目指したい。

5.自分だけのふりかえりカードを作ろう!

最後に、自分が今後活用できるオリジナルのふりかえりカード作成に着手しました。


DEARの「評価研究会」で議論・作成された視点には以下の5つがあります。
  1. 視点アプローチ:ESDや開発教育の視点からふりかえる
  2. 記述アプローチ:自身の実践の記録や書くという作業を通じて客観的に向き合う
  3. 学習者アプローチ:学習者の様子や変化、コメントからふりかえる
  4. 気持ちアプローチ:自分自身の感情を入口にふりかえってみる
  5. 総合アプローチ:事前準備から事後まで一連の流れをプロセスにそってふりかえる
これらを踏まえつつ、自分らしいファシリテーションを意識して作成するふりかえりカードの提出は宿題となっています。各自が完成後、参加者全体に共有される予定です。素敵なクリスマスプレゼントになりそうですね。

6.修了式〜いつか、かならず対面で!〜

講座終了後、ドレスアップの時間(?)をはさみ、オンライン修了式が行われました。

中村絵乃事務局長からは「今年度の講座は『自分のファシリテーションをふり返る』ことを主軸においた講座にした。ある回の参加者のふりかえりに『意識すると変えていける』というコメントがあったが、それはつまり「意識しないと変化しない」ということでもある。一人で意識し、変わっていくことは難しいからこそ、多くの人と学べたことを感謝しています」との言葉がありました。

修了式では一人ひとりに「私にとって開発教育ファシリテーターとは」を発表してもらいました。10月16日の第1回目で最初に聞かれた、同じ問いです。
  • 「大人に対してのリスキリングを促す」
  • 「丁寧な合意形成者」
  • 「マシな社会をつくる仲間を増やす人」
  • 「新たな気づきの機会、視点を提供できる人」
  • 「未来の変革に構造的にまでたどり着ける促進者」‥‥
開発教育が目指す公正、持続可能な社会、共生などは多様でさまざま。だからこそ、理想のファシリテーションもなりたいファシリテーター像も多様で良い、多様が良い。参加者一人ひとりのコメントから、そのことがたくさん伝わってきました。

最後に、近藤牧子副代表から「いろいろな困難、やりづらさを共有できる仲間ができたと思う。自分や相手と向き合うのはしんどいけれど、今後もDEARに参加することで、そのハードな機会を一人ではなく仲間とともに考え続けていってほしい」という言葉がありました。

そう、この講座は今回で修了しますが、気づきや学びに修了はありません。この日はあくまでも始まりの終わり。これからもDEARのコミュニティを活用してつながっていきましょうね。

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そしてしつこく、最後は私のひとりごと
第6回の一場面で参加者とスタッフのこんなやり取りがありました。
  • 参加者:過去にプロのファシリテーターが言った、「プロとアマの違いはなにか?それは覚悟」という言葉が印象に残ってるんです。
  • スタッフ:昔から自由で民主的な学びができる国と、一定の枠内で勉強せざるを得ない教育制度が存在する国では、それぞれ求められるファシリテーションは違うはず。大人になって初めて学びの楽しさを知る、なんて人が少なくないこの国でファシリテーションに携わるのは一種の覚悟じゃないかな?そしてそれをやろうとしているここにいる人全員がある種のチャレンジャーだよね。
立派なことを言わないでいい。覚悟するプロであれ。チャレンジャーであれ。

受講生として、また修了生として計3回、「開発教育ファシリテーション講座」に参加させてもらった私の心に、こんな言葉が刺さったまま抜けません。これからも抜かずに、抱えていこうと思います。(報告:新川美佐絵)

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