第1回 会員交流会開催しました!

 こんにちは!DEAR事務局スタッフの進藤です。

12月7日に、第1回会員交流会を開催しました!


今回の会員交流会は、以下のような趣旨で企画・開催しました。

『DEARは、30種類以上の教材・書籍を作成・発行しているのですが、みなさん、どのように使われていますか?使いやすい、使いにくいなどもあるとも思いますが、そもそも、使ったことがない、という方も実は多いのではないでしょうか。

「DEARの教材持ってるけど、どうやって使うかわからない」

「使ったことのある人から、感想や工夫していることを聞きたい」

「まだ持っていないけど、関心がある!」

などなど、どなたでも、気楽におしゃべりしませんか?』

かなりベテランの会員さんがたくさん来てくださり、教材を使っていてのお悩みをシェアし、みんなで話し合いました。


100人村の識字のワーク、どうしている?

まず最初にテーマになったのは『ワークショップ版 世界がもし100人の村だったら』の「識字のワーク、どうしている?」というピンポイントなテーマ…!

※100人村の識字のワークは、2種類あり、1つは、ネパール語で「座ってください」と書かれた用紙を見せて、役割カードにその指示が書かれている人は、指示通り座るが、書かれていない人は、その指示がわからないという体験をし、ふりかえるワーク。
 もう一つは、1つ目のワークで字が読めなかった人たちを一つの家族に見立て、家族の一人が病気になったと仮定する。家族が薬局に薬を買いに行くが、そこには、ネパール語で薬、水、毒と書かれたコップがあり、中には薬(砂糖水)、水(水)、毒(塩水)が入っている。薬だと思うものを選んで、病気になった人に実際に飲んでもらう。飲んでみた感想、なぜそのコップを選んだのかなどを共有し、文字が読めないとどんな不便さがあるのかを考えるワーク。

(私はまだまだ勉強不足でどんなものなのかわかっていなかったのですが、、)さすがベテランの皆さま、それぞれの実践で感じていること、そこからどのように捉え、扱っているかなど熱く話されていました。

  • 普段はやっていない。スリルでインパクトはあるけれど、根本的な問題に目が向かないから。
  • 中国でお土産選びのときに失敗した経験もあったことや、海外で一時期住んだときに片言の言葉で乗り越えた経験など、さまざまな経験から、字が読めないということをひとくくりにはできないだろうと懸念している。
  • 時間や対象によるけど、ほとんどやらない。「座ってください」の用紙を見せるワークはすることがある。文字が読めない人も困らないようにするには?などを考えてもらうように工夫している。学校にいるALTたちとのコミュニケーションにも絡めてやっていた。
  • ワーク全体もボリューミーだし、識字のところだけでもメッセージが大きい。後半の山場でもあるし、貧困やジェンダーなどの問題と絡まっているから取り扱いたいとは思っているけど、テキストは説明が多くなるので、工夫してやっている。
  • 答えを出さないことをグランドルールにしてやっている。これまでの経験や知識だけに留まらないので、調べたり考えたりと広がりがあった。
  • ちゃんとやっている。ネパールでの識字教室やホームステイ先で出会った人々は、字が読み書きできなかったが、地域のリーダーでみんなに頼りにされていた。そういう人の存在も、そして、字が書けずに奪われる尊厳も両方伝えていきたい。その後、男女の識字率の差を伝えて、プラン・インターナショナルの識字に関する情報などを見せ、なぜ女子の識字率が低いのか、についてや、母親が字が読めることの大切さ、などを伝えている。
  • 高校に呼ばれたときに、自分の団体がネパールに本を届けることを伝えると、子どもたちが日本語の本を持ってきて、届けてほしいと言った。そこで「これをどうやって読んでもらうの?」と聞いた。「字が読めない人がいる場合どうすればよいのか」と聞いたりした。
  • 日本では識字率の調査はされていないが、すでに多様な人たちが共生している。日本の中で字が読めない人がいること、昔は、支援学校がなかったから、就学免除という制度があったこと。日本語社会の中で、日本語を読めないことがどういうことなのかという問いにもなる。
  • 高校時代に、漢字がわからなかったときに字が読めないことが恥ずかしいという経験があった。字が読めない経験をした人の気持ち、聞けない気持ち、を想像できた。自分ごとにして捉えて、教材を活用していきたい。

学校などでの実践だけでなく、ご自身が海外などで経験した識字に関する体験などからも、ワークの捉え方が変わった、というお話なども興味深く聞いておりました。

どんなきっかけで、学ぶことが楽しいと思えた?

次のお題は、「言われたからやるのではなく、学習者に自ら学ぼうという意識をもってもらうにはどうすればよいのか?」というものでした。

参加者からは、以下のような意見が出ました。

  • 子どもの社会・職業体験施設で、哲学対話をしたことがある。モヤモヤしながら、無理に結論に結びつけず、意見を出さないことも認められる。必ずしも優秀な学校の生徒が深い対話をできるわけではないことが面白かった。賢い子どもたちは周りの目・意見がどうとらえられるかを気にしているのかもしれないと感じた。大きなテーマと教材について両方面白かった。

以前に比べて、今の生徒や学生がというのではなく、いつの時代も「自ら学ぶ」というのは重要であったという話になり、『皆さんは、どんなきっかけで、考えを深めたり、学ぶことが楽しいと思えたのか?』というお話しになりました。

皆さん共通していたのが、「もともと考えるのが好きだったのもあるけれど、DEARに出会ったことで、より考えられると思えている」ということでした。
いちスタッフとしてもとてもうれしいですし、自分自身も皆さんに追いつけるように、さらに考えていくことを実践を通してしていきたいと思いました。

感想タイムではご好評もいただけたので、今後も企画していこうと思っています!
(こんな回なら出たい!出やすい!などご意見などもあればいただけますと幸いです。)

また皆さんとお話しできる機会を楽しみにしております!

次回予告

次回は3月ごろに開催予定です!
また告知しますので、乞うご期待ください!

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