開発教育ファシリテーション講座2021 第6回「自分のファシリテーションを振り返る~よりよい教育実践を創るために」&修了式

開発教育ファシリテーション講座2020修了生のしんちゃんです。

まだまだ暑さの残る9月からスタートしたこの講座もいよいよ最終回。第6回目は最後の講座にふさわしく、「ふりかえり」がテーマです。そしてこの日の最後には、修了式も行われました。

もくじ

  • アイスブレイク
  • ワーク1「普段どんなふりかえりをしていますか?」
  • ワーク2「自分のファシリテーションをふりかえる」
  • ワーク3「ファシリテーション講座を通して学んだこと」
  • ワーク4「ふりかえりカードを共有しよう」
  • 修了式

アイスブレイク

「いよいよ迎えた最終回、どんな気持ちですか?」という問いかけへの率直な気持ちを、参加者はチャットに書き込んでくれました。
😥「さみしい」
😲「あっという間」
😩「名残惜しい気がします」
といった感情から、
😏「自分はどこか変わったのかな?」
😁「成長した感がある」
😊「たくさん勉強できた」
といった自分自身の変容を見つめるコメントまで様々でした。

ワーク1「普段どんなふりかえりをしていますか?」

最初に今回の講座に関する提案がありました。
「自分自身がふりかえりつつ、ファシリテーターとして相手のふりかえりを促すことを考えるのも重要。第1回から前回までの気づきを最大限生かしてみよう」

まさに自分も、講座全体も、そして講座を通じて自分が得た学びも、すべてを駆使して参加する最終回のスタートです。

最初のテーマは「普段、どんなふりかえりをしていますか?」。個人作業で、以下の点を整理していきました。


各自で行った「『ふりかえり』のふりかえり」をもとに、グループで発表し合った後、全体でも数名が発表してくれました。

学生や参加者からのリフレクションシートでふりかえりをする、そこから1つだけ次に活かすために記録しておく、ふりかえりノートを作って毎回記録していくなど、その方法は様々でした。昨年度修了生である「やっさん」からも、自身が行っているふりかえり方法の共有がありました。

自分のファシリテーションの様子を録画して、後日客観的に見てみる、自分自身の基準を作ってそれに沿ってふりかえる、主観的になってしまうことを避けるため、チームでふりかえる、など、人それぞれに合った方法がありますが、「ふりかえりは重要だ」という点だけは参加者全員に共通のようでした。

ワーク2「自分のファシリテーションをふりかえる」

次に、2人1組となってインタビュー形式で以下の点を深堀りしていきました。
  1. ファシリテーションがうまくいったと思うときはどんなとき?
  2. ファシリテーションがうまくいかなかったと思うときはどんなとき?
  3. 自分のコミュニケーションの癖、考え方の癖について気づいたことは?
  4. ファシリテーターの持つ恐怖*1を改めて見て、変化はありますか?
自分で自分の長所や短所、癖を客観的に掘り下げることって、決して簡単じゃないし、そんな機会を改めて設けることも難しいかもしれません。この時間は、相手の質問やコメントから、自分では気づきにくい自分の特徴を考えていきました。
*1「ファシリテーターの持つ恐怖」:第1回講座ブログ参照(http://dearstaff.blogspot.com/2021/09/20211.html


参加者が笑ったり、発言が活発になれば、ファシリテーターは「上手くいった!」とガッツポーズしてしまいがち。

でもそこにとどまらず、「ファシリテーターのどんな働きかけが良かったから、そのような空気になったのか?」を深堀りしてみると、そこから自分の長所や傾向が見えてくるかもしれません。

また、上手くいかなかったと感じるときには
「参加者を誘導している、と自覚したとき」
「特定の人に発言が偏ってしまったとき」
「否定しない、を前提にしながらも難しい意見が出てきたとき」
など、ほとんどの受講者が、まさに第1回講座のテーマにつながる実体験を多くされたようでした。

しかし、その点もインタビュアーから「それは何故そう思ったの?「どんな場面でそう感じたの?」とさらに質問されることで、新たに気づくことがあったようでした。

そして「自分の癖」についても、「そもそも自分の癖を見直すことが今まで無かった」という人や、ネガティブな自省のポイントを口にされる人も少なからずいましたが、お互い話している中で「それは形を変えると『長所』『個性』になるよね」といった別の角度からのコメントも上がっていました。

ワーク3「ファシリテーション講座を通して学んだこと」

休憩後、第1回から5回までの講座内容を全体でふりかえっていきました。

この講座では、毎回終了後にふりかえりシートを記入してきました。全体で講座内容を思い出したのち、自身が書いた第1回から第5回までのふりかえりシートを各自手元に準備して、以下の点を自分で掘り下げていきました。
  1. 自分のファシリテーション(=自分のファシリテーターとしてのありよう)についてふりかえり、気づいたことはなんですか?
  2. 自分が変化したなと思うこと、何か新しく生まれたものはありますか?それは何ですか?
  3. 開発教育ファシリテーションについてこれから身につけたいこと、学びたいことは何ですか? 
5回までの講座、そしてこの時間までの自分自身を掘り下げる作業を通して、特長も改善していきたい気づきも、たくさんの意見が上がりました。

どうしても感情が先に立ってしまう(これは私もそうですね…( ;∀;))、という人がいた一方で、「常に論理的に考える癖があり、自分の落としどころを無意識のうちに参加者に押し付けていたのかもしれない。相手に寄り添って耳も気持ちも傾ける大事さに気づいた」という人もいました。

また、自分の変化については、皆さんとても具体的にアクションを起こしている様子。「非言語コミュニケーションを意識するため、鏡をよく見るようになった」「パラフレーズ*2をTVニュースなどで日々練習している」という人も! 

やはりこの講座、全6回で卒業ではなく、これから現場で活かしていくための入学準備なのですね(^^)(その証拠に、「自分だけの『オリジナルふりかえりカード』を作成して提出」という宿題が出されております(笑))
*2 パラフレーズ:第2回講座ブログ参照

修了式🎉

この日の講座終了後、オンライン修了式を行いました。休憩後に画面上に揃った皆さんは、それぞれ旅立ちにふさわしい服装や背景で臨まれました。


実は講座の最後の時間、「私にとって開発教育ファシリテーターとは?」という問いへの回答を、各自が紙に書いていました。この修了式で、参加者全員がその自分なりの答えを発表しました。
  • 小さな声を大切にする人
  • 自分自身を見つめ直すきっかけを与えてくれる人
  • 枠組みを揺さぶられ、揺さぶる人
  • 参加者全員が納得しながら、深めるきっかけを与える人
  • 本音で語ってもらった参加者それぞれの想いから、行動を促す人
  • つなぐ人
  • 壁を溶かし、参加者の気づきをそっと育てる人
この講座への参加動機は皆さん様々で、いろいろな問題意識、課題、興味関心と、それを抱くにいたった経験があったと思います。

目的が達成された人も、むしろモヤモヤが増えた人もいると思います。でもこの講座での気づきが、各自が「なりたい開発教育ファシリテーター」へ近づくための大きな財産になったのではないでしょうか。

皆さんがファシリテーションを行う場面で再会できる日が、今からとても楽しみです!
(報告:しんちゃん)

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