高知でワークショップ

8/28(日)は、高知の先生たちのグループ「国際理解の風を創る会」とJICA四国が主催する講座で、ワークショップを行ないました。

丸1日の講座のうち、わたしは、午前中のワークショップ「援助する前に考えよう」、午後のワークショップ「グローバル・エクスプレス~世界からの援助」を担当しました。
そのほか、教師海外研修へ行かれた先生たちの報告や、「国際理解の風を創る会」代表のSさんのレクチャーもあり、盛りだくさんの内容でした。

参加者は、高校・大学生が4分の一、小中学校・大学の先生が半分、JICAや教育委員会などその他の方が4分の一と、バラエティに富む40名ほどです。どんな学びの場ができるか、行く前から楽しみにしていましたが、期待通り、楽しく和やかな雰囲気の中でのワークショップとなりました。

(写真)午後のアイスブレーキングの一こま。こんなに仲が良い!?ケンカではありません。
「援助する前に考えよう」は、タイの農村で寄付を呼びかける日本人による看板を見つけたという場面設定から、寄付や「よりよい援助」のあり方について考えていきます。
「自分ができる範囲の援助をするのは当然」とか、「援助もいいけど交流することが必要では」など、いろいろな意見が出る中で、参加した高校生たちも「こちらの行為が、現地の文化や習慣を壊してしまう可能性もあるのでは」と堂々と発言していました。

「グローバル・エクスプレス~世界からの援助」は、東日本大震災で日本が世界から受けた様々な援助について知り、そのことについてどう感じたか、お互いに思いを共有します。
「はじめて聞いた話ばかり。どうしてこんなことがメディアに載らないの?」
「こういうことを生徒に知ってほしい」
「援助してもらうと、こんなに嬉しいんだということがわかった」
など、話しは尽きることがありませんでした。

午前中は「援助する側」として、午後は「される側」として、援助に関する考えを深めていきました。
「援助」の現場に長ーく関わっている方から、高校生まで、いろいろな視点や立場からの経験談や思い、率直な意見が出されていて、お互いに刺激を受けていた様子が印象的です。

■参加者アンケートより、「もっとも印象に残ったこと」「気づいたこと」の抜粋

  • 東日本大震災では160カ国以上が日本を支援してくれていることを、知らなかった。(同じコメントが多数あり)
  • 人と人とのつながりや思いやり、助け合うことの心強さ、温かさを知った。
  • 自分の認識が揺さぶられたことがいくつもあった。援助することのむずかしさを考えさせられた。
  • 形だけでなく、行動力が必要だと思った。また、その行動力をつづけていくことも。
  • 援助は深く考えすぎるとやりにくくなるけど、あまり考えすぎずにやってしまってもいけないと思った。
  • 今まで人のために良いと思ってやっていたことも、全てが良い方向につながっているわけではないと分かった。
  • 逆に大変さを途上国の人は知っているから援助ができる。そして、募金しかできなかった自分の力のなさ。
  • 震災後、多くの国と地域が支援してくれたにも関わらず、中には名前も知らない国があり、知らないことを恥ずかしいと思った。
  • (震災のときに寄付を送ってくれた)アフガニスタンの話は温かい気持ちに感動した。生徒にも報告してあげたい。
  • 人間は優しい心があり、互いに信頼しあえるものだということ(自分はそう思いたい)。
グループ作業の様子

最後に、一人ひとり、自分の考える「『援助』とは~~~である」の「~~~」の部分を考え、発表しておわりました。

■「『援助』とは~~~(である)」の抜粋

  • 世界を一つにする。
  • 介入である。だからこそ、支援される立場の人々の声が大切。
  • 思いやりとクールさが求められる。
  • お互いの信頼関係ができる。
  • 援助した相手が少しでも良かったと思えるようなことをすべき。
  • 人と人との協力、思いやり。持続可能な社会づくりのためにタッグを組むこと。
  • 人と人とのつながり、持てる国が持たない国に何かをあたえることではなく、お互いへの何かの懸念に基づいて行なわれる相互ケアのような行為ではないだろうか。
  • 一方的なものではなく、相互支援につながる。
  • 人間が共に生きていく上で不可欠なもの。
(西)

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