リスボンのまち

今日(9月29)は夕方の便でロンドンに行くので、それまで、リスボンの町を歩いた。
昨日の夜にはわからなかったけど、晴れると空が青くきれいで、白いタイルが映える。土曜日だったので、人出も多く、賑やかだ。

トラムに乗ってベレンという港町に向かう。ここには世界遺産のジェロニモス修道院がある。まさに、大航海時代の栄誉をたたえた建物でである。大航海によって世界中から奪った(?)富を象徴していると思うと、500年後の今のポルトガルの状況を見て少し複雑でもある。

ジェロニモス修道院
時間が限られていたので、町を歩く。ベレンではポルトガルの伝統菓子エッグタルトが有名!会議中にもお茶の時間ごとに出されるエッグタルトや、様々なパイ生地のお菓子が美味しくて、つい食べ過ぎてしまう。

会議の休憩時間に出されたお菓子
そろそろ帰ろうとトラムに乗ると、3駅目くらいで運転手が何かさけんだ。人々が降り始める。よくわからなかったけど、どうやらストライキらしい!またか!次のトラムもそこで止まる。観光客だけが大量に残される。トラムを待っていても無駄らしい。
歩いたら、多分1時間はかかるかな、それだと、夕方のロンドン行きの飛行機がぎりぎりだ。6ユーロで行けるなら、とタクシーに乗った。
そして、街の中心地で見たのは、様々な色の旗を持った人たち。リスボンの市庁舎前の広場に次々と集まってきた。若い人もお年寄りも、女性も男性も、音を鳴らしたり踊ったり熱気もある。掲げている旗も、読めないからわからないけど、政府への注文や、金融危機への批判、ずっと仕事が無いことを訴えているのか。




観光客が最も集まる週末の、最も集まる場所でこれをやるんだから、すごいよな。そして、大きな祭りのような感じで、観光客も見ている。人々はたくましく、状況はかなり深刻だけど、言いたいことは言うというパワーがある。

あとで調べたら、欧州労連が呼びかけた統一行動デーだったらしい!金融市場で起こった無謀な投機のツケを労働者が支払う危険についてNOを言い、労働者の権利を主張する。

一時期世界を制覇したヨーロッパは今、どんどん小さくなって、世界への影響力も限られているように感じる。ヨーロッパ最西端のポルトガルは、なんだか素朴で懐かしい感じがした。なんで私たちが?って感じているような。。。身の程を知り、自分たちの生活を守っていくために声を挙げている。何が大切かを実感し、自分たちの方向性を探ろうとしてる。他人ごとではない、まさに私たちにも関わる問題だと思う。
(中村)

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