6月22日、広島で活動する地球市民共育塾ひろしま主催で、教材「もっと話そう!エネルギーと原発のこと」を使用してワークショップを行いました。
これは、エネルギー政策や原発の賛否を問うよりも前に、一人ひとりが未来の社会をつくる当事者として、まずは知ること、そして、安心して話し合う場をつくることを目的として全国7か所で実施しているワークショップの一環です。
他会場での実践の様子はこちらから↓
http://www.dear.or.jp/book/book01_energy16.html
開催前には、一時期参加申込みが3名(!)と開催が危ぶまれたこともありましたが、主催のみなさんの努力がみのり、当日は総勢25名程度の参加者が集まりました。その顔ぶれも、高校生や大学生、教員、NPO・NGOスタッフ、会社員や団体等にお勤めの方など、年齢も経験も幅広い方々と出会え、多様な視点から話し合う機会となりました。
ワークショップではアイスブレーキングをした後、「賛否両論あるテーマについて話やすい場とするためのルール」を、皆さんに考えていただきました。
アイスブレーキングでは「マイクロラボ」の手法を活用 |
ルールを作って、いつでも見えるように白板に貼りました |
ゆうだいくんの投書自体は原発事故を契機に送られたものですが、その内容は、原発や電気のことにとどまらず、私たちのライフスタイル、メディアリテラシー、責任や民主主義のありかたなど、さまざまな点にもふれられていて、意見交換の内容が、参加者の興味関心に応じて多方面に展開していきます。
「ゆうだいくんの手紙」を実施して出された意見 |
地元住民の声として設定された、原発建設に賛成・反対の意見と、賛否どちらでもない意見のそれぞれを分析・整理し、気づいたことなどを話し合いました。
【出された意見より】
- 賛成意見と反対意見が、なかなか交わらない印象がある。
- 原発建設への賛否より、生活の便利さを求める声やメディアの影響が強い。
- 「都市」と「田舎」の差を利用して建設されている。
- 個人の意見というより、立場や職業からの意見が多い。
- 人の目が気になって自分の意見が言いづらい。
- 結局はエネルギーや電気でなくお金の話ばかり。
「知事等の首長」という意見もあれば、「ここには登場しないゼネコンの社長」、「地元の住民は影響力がない」という意見、「住民投票等を考えると、賛否どちらでもないという人々が、結局もっとも影響力があるのでは」などの意見も出されました。
「仮想インタビュー、原発」の作業中」 |
私たちがこの教材を作成したきっかけのひとつは、原発事故が発生してしばらくして、こうしたテーマについて口にしづらい雰囲気があったことです。ワークショップの広がりとしてはまだまだですが、黙ってただ現状に甘んじるにとどまらず、よりよい未来を主体的に作っていく土台として、こうした場づくりに引き続き取り組んでいきたいと思いました。
【参加者の感想から】
- 先入観や主観的な考えがあることに気づけた。
- (もっとも印象的だったことは…)理想(理論的にできること)と現実(実際にできていないこと)がごちゃ混ぜになっている状況。
- 原発について、知っているようで知らないことが、多いと感じました。
- 子どもたち(これから意思決定していかなければならない人)の意見を聞いたり話し合ってみたい。
- 原発の問題はいろんな角度からみないといけないと分かりました。
- 福島県南相馬市に行っても思ったことですが、やはり、いろいろな立場の人々が冷静に議論できる環境を作る必要があると思いました。今回のようなワークショップはとても役立つと思います。
- 地域で少しずつワークショップなど実践していきたいと思います。
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