10月17日(金)、岡山で「フードロスのしくみを子どもたちと学ぶワークショップ講師養成講座」を実施しました。主催はNPO法人フードバンク岡山、ファシリテーターをDEARスタッフの八木が担当しました。
「フードロス」とは、「まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物」のこと。世界では、生産された食べ物のうち約3分の1が捨てられているともいわれています。この「フードロス」の問題について、子どもたちとともに考えるワークショップを実施する講師を養成する、というのが講座の目的でした。
学童保育指導員や公民館職員の方、食品会社の方、会社員、お百姓さん、児童養護施設のスタッフや国際協力団体の方など、多様な約20名の参加者で2時間半のワークショップを実施しました。
前半は、「もったいない鬼ごっこ」という、ハンガー・フリー・ワールドさんが作成したての教材をつかって、ワークショップを体験。参加者は、ニンジンや大豆、アジ、鶏などの食材になり、「生産」→「加工」→「流通」→「消費」→「おいしく食べられる」まで、捨てられないように逃げる!というもの。
それぞれのプロセスで「形が悪いから」「箱がつぶれたから」「消費期限が近いjから」など、さまざまな理由でフードロスが出ることがよく分かります。小学生から大人まで、楽しく参加することができます。
終了後は、3人一組になって、「1.体験してみてどうだったか」「2.子どもたちを対象とした時に工夫したいこと」の2点を話し合ってもらい、全体に発表しました。さすが、普段から子どもに関わっているみなさん!参考になる意見や視点がたくさん出てきました。
「フードロス」とは、「まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物」のこと。世界では、生産された食べ物のうち約3分の1が捨てられているともいわれています。この「フードロス」の問題について、子どもたちとともに考えるワークショップを実施する講師を養成する、というのが講座の目的でした。
学童保育指導員や公民館職員の方、食品会社の方、会社員、お百姓さん、児童養護施設のスタッフや国際協力団体の方など、多様な約20名の参加者で2時間半のワークショップを実施しました。
形の違う2種類のニンジンさん。その後の運命が変わってきます‥ |
捨てられて「フードロス鬼」になってしまった食材・食品の皆さん |
3人一組でふり返りをしているところ。みんな、食材になりきったままです。 |
- 鬼ごっこが楽しくて夢中になってしまうので、1回ごとに食材・食品カードの内容を全員で見まわして確認する時間をじっくりとりたい。
- 鬼ごっこをやるグループと、それを外から見て観察するグループに分かれてもよいかも。何が起こったのか、食材になった人がどう行動したのかを、後で共有するといい。
- 捨てられた食べものたちに「何になりたかったのか」を語ってもらうとよいのでは。ニンジンの気持ちや、豆腐の気持ちになってみる。
- パッケージにプリントミスがあると捨てられてしまう‥というのは、消費者の側の意識の問題もあると思った。選ぶ基準を考え直すきっかけになるかも。
- 人の手で1枚1枚パッケージしていれば、プリントミスは起こらないし、気が付くはず。製造が工場でライン化されているからこそ、フードロスが出てしまう。そういうことにも気付くきっかけになる。
- 「形のよいニンジンも、悪いニンジンも、どちらもおいしく食べられる」のだけれど、子どもたちは畑でニンジンを見たことがないから、どんなものか分からない。生産の現場や体験とリンクしたり、実際に食べ比べをしてみたら、もっと学びが広がりそう。
- 子どもたちは食卓にのぼった食べ物、加工されたものしか知らない。生産や加工のしくみを知ること、体験の裏付けがあると、さらに深まる。
- 子どもが好きな、チョコレートやパン、おせんべいなどの「おやつ」で応用すると、もっと楽しく、関心を持って参加するかもしれない。
- 日本の食料自給率が約40%であることを考えれば、食材・食品とともに、大量のエネルギーを輸入して捨てていることになる。鶏肉だったら、国産と輸入と比べて考えてみてもよいのでは。
今回は、食品会社の方が参加していたので、原料から加工する時にどのくらい野菜が廃棄されているのか、また、賞味期限の短い加工品は廃棄せざると得ない場合もあることなどを、聞くことができました。また、お百姓さんからも、収穫量が多すぎた野菜や、規格外の形やサイズの野菜を処分することがある、といったお話がありました。
消費だけをしていると、お店に並ぶ前にどれだけフードロスが出ているのか、なかなか気が付くことができないものです。鬼ごっこ&参加者の皆さんの発言で、より一層フードロスへの理解を深めることができました。
後半は、『写真で学ぼう!地球の食卓』を使ってワークショップをやりました。続きはまた次回‥。
(八木)
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