フリースペースたまりばでワークショップ「あなたの当たり前ってみんなの当たり前?」



スカッと晴れた午後、川崎市にあるフリースぺースたまりばで開催された開発教育協会(DEAR)主催のワークショップに、ボランティアとして参加させていただきました。私の担当は、カメラマンです。

フリースぺースたまりばは、学校や家庭・地域の中に居場所を見出せない子どもや若者が「生きているだけで祝福される」それを実感できる場を目指して、1991年にスタートした、全国的に見てもかなり珍しい公設民営のフリースペースです。


たまりばは、川崎市子ども夢パークの一角にあって、ここの遊具はどれもとてもカラフル。荒井良二さんの絵と重なります。

なぜなら私が使っている手帳カバーそのもの!

さて、今回のワークショップのテーマは、「あなたの当たり前ってみんなの当たり前?」

日本の当たり前が世界では当たり前ではない。
それを食べ物や文化から学びます。

文化や環境によって異なるそれぞれの“当たり前”は、どれが正しくて、どれが間違いというのはありません。
例えば、世界にはうさぎを食べる国があります。

「ひどい!かわいそう!」

でも、日本人は牛や豚を食べるよね?
それはいいの?

例えば、世界には挨拶するときに必ずハグをする国があります。

「キモいーッ!」

最初はそんな言葉が出たものの、みんなで話をしていくうちに

「仲のいい子とだったらするかも‥」

という意見が聞こえてきました。
じゃあ、当たり前って何なんだろう?


DEARさんのイベントの素敵なところは、スタッフの皆さんが楽しそうなこと。
元気いっぱいの子どもたちと、すごく上手にエネルギーを交換されていて、見ている私まで元気になってきます。


私たちが当たり前のように食べる納豆。
外国人が食べるとどうなるのか?

初めて納豆にチャレンジする外国人の映像を、みんなで観ました。
(外国人の反応はもちろんものすごーく悪かったです)

子どもたちが、とても楽しそうに世界を知りたがっている姿を見ていたら、私も世界を知りたい気持ちがどんどん大きくなってきました。

私は、現地での体験を語る人と、写真や本で得た知識を語る人では、伝えるパワーが異なると思っています。

「インド人は絶対に食事で左手を使わない」と思っている日本人は、どれくらいいるでしょう?

ガイドブックにも「左手は使わない」と書いてありますが、私がインドで食事を共にしたインド人たちは左手を使っていたのです。

実際にインドに行かなかったら、私も「インド人は絶対に食事で左手を使わない」と、一生信じていたでしょう。

ほんの些細なことかもしれませんが、それを知ってインドを語るのと、知らずにインドを語るのでは、何かが違ってくる気がするのです。

大人が、子どもたちと違うのは自分の力で世界を見に行けるところ。
飛行機に乗って行く世界だけでなく、大人だから見られる世界、体験できる世界がたくさんあります。私たち大人は、それらを善し悪しの判断を加えずに伝える役目があるのかもしれません。

ワークショップを終え、子どもたちが世界に興味を持てるかどうかは、私たち大人の責任なのだと、気が引き締まる思いです。

スタッフの皆さん、最初から最後まで全力で参加してくれた子どもたちに、心からの感謝を。本当にありがとうございました。
(報告:高野)

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