2015年から2030年の世界共通の教育の目標を決める「世界教育フォーラム」に参加するため、韓国、仁川に来ています。今回の会議のプロセスを見て、強く感じたのが、市民社会の存在感です。
その背景には、2000年にセネガル、ダカールで開催された世界教育フォーラム(WEF)の「ダカール行動枠組み~万人のための教育:我々の共同の公約を果たす(Dakar Framework for Action- Education for All: Meeting ourcollective Commitments)」 があります。そこで、万人のための教育(EFA)の達成には、現状を知り経験豊富な市民社会の参加が不可欠であることが議論され、ダカール行動枠組みの戦略の一つに、教育開発の戦略の計画、決定、実施、評価すべてのプロセスへの市民社会の参加と従事が強調されました。
特に、市民社会の社会的政治的役割が重視されており、政府が決定したものに対して意見を言うという限られた役割ではなく、定期的な対話を通して、市民社会、つまり学習者、教育者、保護者、コミュニティ、NGOなどが、教育の政策から実施、評価まで、最初から最後まで、関わっていくことが必要だと述べられています。そのために各国政府には市民社会との対話の場や仕組みを作ることを求めています。
ダカールから15年後の今回の会議で議論される宣言文や行動枠組みの中でも、「市民社会が教育の政策から評価まで関わる」ということは、強調されています。新しい教育目標は、途上国も先進国も含めたすべての国において、共通の教育目標になります。日本の教育への市民社会のかかわりは、まだ限られたものでしかないと思っています。今回の会議で、教育政策策定のプロセスに、市民社会がどのように関われるのか、ヒントを得てきたいと思います。
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