6日間の研修のうち、3日目からの後半部分をまとめてリポートします。
毎朝8:30から30分間、担当グループのアイスブレイクが行われます。
体を動かす歌や頭を使ったゲームなど、和やかなムードが作られ、目も覚めます。研修にも慣れ、遅刻する参加者もでてきました。
実は、私も前日の夜中まで新しい友だちたちと盛り上がり、起きられなかった日もありました…。
研修前半(1日目・2日目)は、成人教育・生涯教育について「自分の団体・活動地域・国」での見方を紹介し合い、「ベトナムの取り組み」も学びました。
後半は「グローバルな視点」を取り込んだ内容に移ります。
上條直美さん(DEAR代表理事)のファシリテートで教材『世界がもし100人の村だったら』をつかったワークショップを体験しました。
まず、『100人村』のコンセプトを聞きます。
こんなにもアジアのさまざまな文化をもった人たちが集まり、ワークショップを体験するのは、私自身初めてです。
役割カードをもらい、カードに書かれた挨拶で集まったり、自分の住んでいる大陸を表すロープの中に入りました。どれほどの割合の人たちがアジアに沢山住んでいるか、実感しました。
「大量消費の生活を恥ずかしく思う。気候変動の原因とされる温室効果ガスを多く出す私の国を情けなく感じる」とニュージランド出身の方から感想がありました。自分の生活を見直すきっかけになったのかもしれません。
私も同じことを毎回の開発教育ワークショップを通して、感じます。
小さなことですが、アクションをしてきました。ファスト・ファッションの購入を避けたり、食べ残しをしないようにしたり、シャンプー使用を止めたり。
しかし、ベトナムでできなかったことがありました。
ある日の夜、友人たちと街を歩いているとき、一人が吸っていたタバコを地面に捨て、足で火を踏み消しました。
もう一人は、街路樹のすぐ脇にタバコを捨てました。
私はそれを見て、足を止めたものの、何も言えませんでした。
どうして何も言えなかったのでしょうか。
「新しくできた友だちに嫌な風に思われたくない」という気持ちが強くあったからでしょうか。
とっさに言える言葉が思いつきませんでした。
もしくは、私が何も言わずに吸い殻を拾うこともできたかもしれません。
タバコを道端に捨てるのは、本当にちょっとしたことかもしれません。
しかし、研修で話し合われていることを、自分の生活の中で置き換え、変化させていくことが必要だと私は思うのです。
何もできなかった自分自身のあの時の気持ちは、今でも残っています。
次に同じ場面に出くわしたら、果たして、私は上手く自分の気持ちを伝えられるくらい、進歩しているでしょうか…?
研修も終盤を迎えるころ、「自分が何を学び、自分の実践において何をやっていきたいか」というテーマを紙に書き、仲間探しをしました。
私は大変悩み、この数日間の学びを振り返りましたが時間が足りず、慌てて「開発教育を通しての批判的思考」と書きました。
案の定仲間は見つからず、一人ぼっちになった4人が集まり、自分の選んだテーマについて共有しました。
話してみると、書かれたテーマの言葉は違えど、内容はかなり近いということが分かました。
「若者のリーダー」と書いた人は「どのように若者が問題意識を持ち、リーダーシップをとって問題解決に向かえるか」ということについて、特に実践していきたいと言っていました。
私は、「どのように問題に気づくか」という点で、「批判的な見方」が必要だと感じたため、リーダーシップには欠かせない視点だということを話し合いました。
オーストラリア出身の人に「日本は民主主義の国じゃなかったの?」と聞かれました。それは、9月に成立した安全保障関連法について紹介した際に、デモの様子の写真を見せたときに聞かれたことです。
私はこれまで、ただ漠然と「日本は平和な国」「日本は民主主義の自由な国」と思っていました。それを疑ったことはありませんでした。
本当にそうなのか?と疑問を持ち始めたのは、政府による政治の進め方やニュースの報道、教科書の内容、資料館の展示などを批判的に見ることができるようになったからです。それから、たくさんの疑問や気になることが増えていきました。
「今のままで大丈夫」と思っていれば、「問題」に気づくことはできません。
フィリピンでは3つの季節がある、と参加者の一人が紹介しました。
「1.雨の季節(雨季) 2.乾燥の季節(乾季) 3.選挙の季節」
これには、参加者みんなが笑いました。
しかし、心の中ではちょっと羨ましいなぁと私は感じていました。
フィリピンでは、政治が自分たちの暮らしに密接に関わっていることを実感しているのかもしれません。
このことは、研修で話し合われている「教育」についても同じことが言えます。現状の教育政策に対して、教育をめぐる文化に対して、疑問や問題意識を持っているからこそ、変えよう、良くしようという動きが生まれています。
アジア、南太平洋16カ国から集まった人々のパッションから、再び私の中の「日本の教育はこれでいいのだろうか」という疑問が浮彫りになりました。
私も今回の研修でできたたくさんの仲間と共に、自分を変化させ、周りへ波紋を広げながら、同じ目標を目指したいと強く感じました。
本当に素敵な仲間たちができました。
研修の最終日にみんなの笑いをいちばん得たのは、モンゴルからの参加者による「上條さんのものまね」でした!
これには、参加者にみんなで大爆笑!(もちろん上條さんも)とっても楽しい時間が流れました。
こうやって楽しい時間を共有したことは、何年経ってもみんなで語らうことができる大切な思い出です。
6日間、ひたすら「教育」について考える研修でした。
自分自身について、DEARについて、日本について、客観的にふりかえることができる大変貴重な時間でした。
さらに、ベトナムの政府主導の生涯教育の政策について知ることができたこと、グローバルな課題について参加者のさまざまな経験と視点を持ち寄って話し合えたことは本当に有意義でした。
このような人々に巡り合え、この研修に参加させていただくチャンスを与えてくださり、ありがとうございました。
少しずつ、学んだことを整理し、どんどん前進していきたいと思います!
(報告:星)
毎朝8:30から30分間、担当グループのアイスブレイクが行われます。
体を動かす歌や頭を使ったゲームなど、和やかなムードが作られ、目も覚めます。研修にも慣れ、遅刻する参加者もでてきました。
実は、私も前日の夜中まで新しい友だちたちと盛り上がり、起きられなかった日もありました…。
全身で文字を書くアイスブレイクの様子 |
後半は「グローバルな視点」を取り込んだ内容に移ります。
上條直美さん(DEAR代表理事)のファシリテートで教材『世界がもし100人の村だったら』をつかったワークショップを体験しました。
まず、『100人村』のコンセプトを聞きます。
こんなにもアジアのさまざまな文化をもった人たちが集まり、ワークショップを体験するのは、私自身初めてです。
役割カードをもらい、カードに書かれた挨拶で集まったり、自分の住んでいる大陸を表すロープの中に入りました。どれほどの割合の人たちがアジアに沢山住んでいるか、実感しました。
アジアに暮らすたくさんの人びと |
私も同じことを毎回の開発教育ワークショップを通して、感じます。
小さなことですが、アクションをしてきました。ファスト・ファッションの購入を避けたり、食べ残しをしないようにしたり、シャンプー使用を止めたり。
しかし、ベトナムでできなかったことがありました。
ある日の夜、友人たちと街を歩いているとき、一人が吸っていたタバコを地面に捨て、足で火を踏み消しました。
もう一人は、街路樹のすぐ脇にタバコを捨てました。
私はそれを見て、足を止めたものの、何も言えませんでした。
どうして何も言えなかったのでしょうか。
「新しくできた友だちに嫌な風に思われたくない」という気持ちが強くあったからでしょうか。
とっさに言える言葉が思いつきませんでした。
もしくは、私が何も言わずに吸い殻を拾うこともできたかもしれません。
タバコを道端に捨てるのは、本当にちょっとしたことかもしれません。
しかし、研修で話し合われていることを、自分の生活の中で置き換え、変化させていくことが必要だと私は思うのです。
何もできなかった自分自身のあの時の気持ちは、今でも残っています。
次に同じ場面に出くわしたら、果たして、私は上手く自分の気持ちを伝えられるくらい、進歩しているでしょうか…?
テーマを紙に書き、仲間探し。 |
私は大変悩み、この数日間の学びを振り返りましたが時間が足りず、慌てて「開発教育を通しての批判的思考」と書きました。
案の定仲間は見つからず、一人ぼっちになった4人が集まり、自分の選んだテーマについて共有しました。
話してみると、書かれたテーマの言葉は違えど、内容はかなり近いということが分かました。
「若者のリーダー」と書いた人は「どのように若者が問題意識を持ち、リーダーシップをとって問題解決に向かえるか」ということについて、特に実践していきたいと言っていました。
私は、「どのように問題に気づくか」という点で、「批判的な見方」が必要だと感じたため、リーダーシップには欠かせない視点だということを話し合いました。
オーストラリア出身の人に「日本は民主主義の国じゃなかったの?」と聞かれました。それは、9月に成立した安全保障関連法について紹介した際に、デモの様子の写真を見せたときに聞かれたことです。
私はこれまで、ただ漠然と「日本は平和な国」「日本は民主主義の自由な国」と思っていました。それを疑ったことはありませんでした。
本当にそうなのか?と疑問を持ち始めたのは、政府による政治の進め方やニュースの報道、教科書の内容、資料館の展示などを批判的に見ることができるようになったからです。それから、たくさんの疑問や気になることが増えていきました。
「今のままで大丈夫」と思っていれば、「問題」に気づくことはできません。
アジア・南太平洋の仲間たち |
「1.雨の季節(雨季) 2.乾燥の季節(乾季) 3.選挙の季節」
これには、参加者みんなが笑いました。
しかし、心の中ではちょっと羨ましいなぁと私は感じていました。
フィリピンでは、政治が自分たちの暮らしに密接に関わっていることを実感しているのかもしれません。
このことは、研修で話し合われている「教育」についても同じことが言えます。現状の教育政策に対して、教育をめぐる文化に対して、疑問や問題意識を持っているからこそ、変えよう、良くしようという動きが生まれています。
アジア、南太平洋16カ国から集まった人々のパッションから、再び私の中の「日本の教育はこれでいいのだろうか」という疑問が浮彫りになりました。
私も今回の研修でできたたくさんの仲間と共に、自分を変化させ、周りへ波紋を広げながら、同じ目標を目指したいと強く感じました。
本当に素敵な仲間たちができました。
研修の最終日にみんなの笑いをいちばん得たのは、モンゴルからの参加者による「上條さんのものまね」でした!
上條さんのものまねをする参加者(おもしろい!) |
アニータさん(左・ASPBAE事務局)と上條さん |
こうやって楽しい時間を共有したことは、何年経ってもみんなで語らうことができる大切な思い出です。
6日間、ひたすら「教育」について考える研修でした。
自分自身について、DEARについて、日本について、客観的にふりかえることができる大変貴重な時間でした。
さらに、ベトナムの政府主導の生涯教育の政策について知ることができたこと、グローバルな課題について参加者のさまざまな経験と視点を持ち寄って話し合えたことは本当に有意義でした。
このような人々に巡り合え、この研修に参加させていただくチャンスを与えてくださり、ありがとうございました。
少しずつ、学んだことを整理し、どんどん前進していきたいと思います!
(報告:星)
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