20名の中高生を対象にオンライン・ワークショップ
こんにちは。事務局の八木です。
春めいてきた3月の5日間、学校法人角川ドワンゴ学園 経験学習部と、20名の中高生を対象にオンライン・ワークショップを実施しました。
テーマは、「私も社会を変えられる?~報道TVディレクター・NGO職員とグローバルな社会問題を考えよう~」です。教材『スマホから考える世界・わたし・SDGs』を活用しながら、社会問題と自分とのつながりやグローバリゼーション、解決のためのアクションなどを考えました。
参加した生徒同士、そして、2人のゲストの活動に励まされ、最終日にはたくさんのアクション実施の報告と提案があがりました。
5日間のプログラム
Day1 オリエンテーション(スマホ・クイズ)
Day2 コンゴ民主共和国の紛争鉱物問題に迫る
Day3 ゲストセッション:立山芽以子さん(TBSディレクター)
Day4 解決のためのアクションを考えよう
Day5 ゲストセッション&ふりかえり:大平和希子さん(RITA-Congo)
自分の頭で考えるには?
Day3では、映画『ムクウェゲ「女性にとって世界最悪の場所」で闘う医師』を公開する直前のタイミングで、監督をされた立山芽以子さんが登壇してくださいました。
生徒たちからは、コンゴ民主共和国での取材について、なぜテレビの仕事に就いたのか、伝えることの難しさについてなど、たくさんの質問が寄せられ、その一つひとつに丁寧に答えていただきました。
特に「本当に悪い人間はいない。でも、周りに流されて自分の頭で考えなくなると、人は悪いことをしてしまう」という言葉は印象的でした。
自分の頭で考えるためには「メディアリテラシー」が大事だということで、生徒からは「おすすめの本はありますか?」との質問がありました。立山さんからは『人間の条件』(ハンナ・アーレント著)との回答でした。
2日間の間にたくさんのアクションが!
Day4では、小グループに分かれて「より持続可能な、フェアな(公正な)スマホにするためにはどんなアクションができるだろう?」と考えました。
グループ毎にたくさんのアイデアが出ました。印象的だったのは「N高のみんなでコミュニティをつくろう」「学校で使うガジェットをエシカルなものにしてほしいと提案したい」などと、「N高だったらできる!」と考える生徒が多かったことです。
ほかの学校では「生徒がアイデアを出しても、どうせ学校にダメだと言われる」「意識高い系だねってほかの子に引かれるから、学校ではこういう話はできない」という生徒に何度も出会ってきたので、この「N高だったらできる!」というのはすごいことだなと思いました。
そして、驚いたのは2日後に実施したDay4の冒頭で「この2日間で何かアクションした人は教えてくださーい」と問いかけると、「家族に話した」「ネットでNGOを調べた」「ツイッターに投稿した」など、たくさんのアクションの報告があったことです。
みんなの報告を聞きながら、ほかの生徒たちもアクションへのモチベーションが高まっていることが感じられました。
そしていよいよ最終日!
最終日のDay5では、RITA-Congo理事の大平和希子さんがゲストとして登壇してくださいました。研究者として、NGOの理事として、そして地域で活動するアクティビストとして、3つの側面からお話しくださいました。
アクションをすることのきっかけ、難しさ、楽しさについて、じっくりと分かりやすくお話しくださり、生徒たちもスタッフのわたしたちも引き込まれていました(スライドが画面共有されているにも関わらず、ほとんど全員カメラオン&うなずきまくり!)。
生徒たちにとって、大平さんの歩みは「ロールモデル」となったのではないでしょうか。
「アクションを起こすにあたって大きな一歩になった」
社会問題に関心があるけれど、どんな風に関わったらいいのかと思っていた生徒たちからは、グループで考えることでたくさんのアイデアとパワーをもらったという感想が寄せられました。
😊「社会問題の解決について、自分が無理だと思っていた選択肢が本当はできたり、考え方を少し変えるだけで選択肢が広くなることが、これからアクションを起こすにあたって大きな一歩になったように感じます」
🙄「スマートフォンという身近なものに、自分のよく知らない国が深く関わっていて、さらにその国で深刻な問題が起きていることを知ることができました。そして、このような国際的な問題ないし経済的な問題は、様々な要因が複雑に絡み合っていて簡単に解決できるものではないということを知りました。ただ、そのような難しい課題を解くために活動している人の話を聞いて、エネルギーをもらった気がします」
😀「一番悩んでいた社会問題との向き合い方の点を解消できたことや、意見を出したり聞いたりすることで色々な発想が生まれ自分にできる行動が具体化できた」
「様々なことを学びたい、世界を知りたい」
また、進路や将来についてのヒントも得られたという感想もありました。
👀「趣味がなく、夢もなかったのですが、記者という職業に興味を持つきっかけになりました」
🌏「話し合いやゲストの方のお話など、ワークショップを通して自分は何をしたいのか改めて考えるきっかけになりました。様々なことを学びたい、世界を知りたいという気持ちが強まりました。一番手軽に新しい世界を見たり知ったりできる手段である勉強を続けて、今後も学び続けて行きたいです」
🙋「なんとなく終わってしまいそうだった高校3年間の残り2年で力を入れていきたいことができました。また、将来の夢や進路選択についても新しい視野を手に入れることができました」
まさに「TIME TO ACT」な5日間となりました。参加した生徒のみなさん、サポートしてくれたN高スタッフのみなさん、ありがとうございました。
(報告:八木)
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