「日本の難民の現状を知る」ワークショップ

こんにちは!DEARの岩岡です。

10月30日(月)、聖心女子大学4号館1階のBE*hive(ビー・ハイブ)にて、早稲田大学国際教養学部の1年生12名を対象として、「日本の難民の現状を知る」ワークショップを行いました。今回は、BE*hive オープン以降初めてとなる、BE*hiveの展示を活用したワークショップを企画しました。担当したDEARの中村と私は、学生たちが難民の現状に関心を持ってもらえるよう、学生の反応を確認しつつワークショップを実施しました。

アイスブレイク「難民クイズ」

最初に、アイスブレイクで難民クイズを行いました。難民に対する第一印象や世界と日本の難民の数をクイズ形式で聞いていき、学生には直感で今の気持ちや答えを選んでもらいます。

難民と聞いた時の第一印象は、「かわいそう」「こわい」「もっと知りたい」で分かれました。「かわいそう」を選んだ学生が一番多く、また「こわい」を選んだ理由としては「難民自体がこわい」という学生もいれば、「難民を生む背景がこわい」と答える学生もいました。「もっと知りたい」を選んだ理由としては「難民についてあまり知識がないのに、最初からかわいそうと決めつけたくない」と答える学生もおり、難民問題の現状をもっと知りたいという意欲が感じられました。

世界と日本の難民の数は、ほとんどの学生が勘で答えていましたが、日本には3万人以上の難民が暮らしていると知ったときは、想定よりも多いと感じたようで、皆さん驚いていました。


日本の難民の状況を知る

今回は、日本にいる難民に焦点を絞って、BE*hiveのCコーナー「日本にいる難民」の展示を使ったワークショップを行いました。展示されている日本に住む難民の方々のエピソードを読み、印象に残ったことや、その方たちが故郷を離れなければならなかった理由、自分が同じような境遇になったらどうするか?といったことをワークシートに書いていきます。


そして、ワークシートに書いたことをグループで共有します。ひとりひとりが異なる難民の方々のエピソードを読んでいるため、まず自分がどういうエピソードを読んだのかを他の人に説明し、そこから気づいたことを共有していきました。

自分が読んだエピソードを自分の口から伝えることで、その難民の方に対する理解が深まると同時に、それを聞いている人はその人が読んだエピソードと共通するところや違うところに気づいて、共有していました。エピソードに登場する難民の母国や故郷を逃れた理由は様々ですが、学生たちは自身が難民になったつもりでエピソードを共有し、難民の方々は様々な背景・理由があって日本に逃れてきているということを実感したようです。

難民問題について知りたいこと

ここからは、日本における難民の受け入れ状況や難民認定制度について説明しました。
日本では、2016年に1万人以上の難民認定申請がありましたが、認定数は28人でした。その背景には、日本における「難民」の定義が狭いこと、日本へ難民申請する側から見た場合に日本の難民認定制度の申請プロセスやビザの種類などに課題があることを説明しました。また、「日本に難民を受け入れたほうが良いか」という問いに対して、「受け入れるべき」と答えた人が18%であった(朝日新聞記事)ことも説明しました。


その上で、現時点で難民問題に関する疑問やもっと知りたいことなどをたくさん書き出し、グループで共有しました。

難民認定制度の仕組みや日本が難民に対してどういう支援を行っているのかといった疑問や、日本に暮らす難民がどうして日本へ来たのか、どういう生活を送っているのか、日本語はどうやって学ぶのか、子供たちは学校に通えているのかといった普段の日常生活に関することも多く挙げられました。



最後のふりかえりでは、最初の難民クイズで難民の第一印象を「かわいそう」と答えていた学生に、ワークショップ終了後の印象を聞くと、「かわいそう」ではなく、「みんな私たちと同じように普通に暮らしている人間であることを実感した。自分たちに何ができるかをもっと知りたい」と答えていたのがとても印象的でした。
 
ワークショップ終了後は、BE*hive内の日本の難民認定制度に関する展示を興味津々に見学する学生がいたり、さらに熱心に質問する学生もいて、参加前よりも難民問題に関心を持ってより自分ごととして捉えているような印象を受けました。今回のワークショップで得た気づきが、今後の更なる学びにつながっていったら嬉しいな、と思います。
(報告:岩岡)

BE*hiveでは、「難民・避難民」をテーマとした展示を行っていますが、学びをより深めていただくために、様々なワークショップをご用意しています。参加者が主体となって話し合いや展示・映像などを使って学ぶため、参加者同士の学びや気づき、発見があります。総合学習や修学旅行、その他グループの学習などの一環としてぜひご活用ください。お問い合わせはこちらまでお願いします。
▼グローバル共生ワークショッププログラムに関する質問・申し込み先
TEL:03-3497-5811(代表)(内線:104)
Email:be-hive@g.u-sacred-heart.ac.jp

コメント