こんにちは、研修先のロンドンから事務局の伊藤です。
今回は、イギリスの開発教育団体であるThink Globalを訪問してきました。
Think GlobalはイギリスでDEARのような活動を行っている団体で、開発教育のネットワーク団体として、学校や教員向けにリソースを紹介したり、プログラムを実施したり、教育に関する政策提などを行っています。イギリスには国内の各地域に23の開発教育センター(通称:DEC)があり、Think Globalはそのハブ役を担っています。
今回は、プロジェクトマネージャーンのファーリアさんに、お話を伺うことができました。
訪問する前から、一番気になっていたのは、難民や移民の問題、Brexit(EU離脱)に国が揺れている中で、どのような活動を行っているのか、困難に直面しているのかということでした。興味深かったのは、Start The Change projectというものです。
これは、過激派といったcontroversial topics(論争を呼ぶ話題) について若者の意見を聞き、そういった話題をより安心して討論できる環境づくりや教員のサポートをするために行われた調査プロジェクトですが、結果的に学校内でのアクションにもつながっているそうです。
プログラムの一環で、教員に対してワークショップを実施したそうで、そこでは、国内が分断の岐路にある中、先生は「論争を呼ぶ話題」を取り扱う事にストレスを感じているとのことでした。
ワークショップの際は、正解のない題材に対して、どう扱ったらいいのかと思っている先生に対して、先生も意見があり、生徒もそれぞれが意見を言ってもらうように促し、先生がファシリテートをするように助言しているそうです。
実際に、Start the Changeに取り組んだ2つの学校の先生と生徒たちを取材したムービーをご紹介します(英語)。
Start the Change- Think Global from Think Global on Vimeo.
また、ファーリアさんがこの調査を行った印象としては、多様性があるロンドンにおいては、多様性に対して寛容だが、逆に多様性がない北の方の地域などの調査では、「移民が仕事を持って行く」、「テロリストだ」、といった話が容易に出てくることがあるらしく、ムスリムである彼女にとってもショックだったようです。
周囲の環境が考え方に影響をするのはもちろんだと思いますが、出会っていないものや、知らないものに対しての理解や、共感というのは、環境や実体験だけでなく、どうにかならないものなのかと改めて思いました。
また、Brexitに見られるように、国が内向きの政策になりつつあることで、グローバル教育に対する助成金が減り続けているそうです。この状況は、Think Globalだけでなく、他の国際協力NGOにとっても厳しいのではないか、ということでした。国民一人ひとりが選ぶ政策に対する責任の重さをつくづく感じました。
日本のことやDEARの話では、ユースの組織の充実や、放課後や部活動にもっと開発教育を入れられる余地があるのではないか、という意見ももらいました。イギリス、日本、それそれで開発教育の実践がもっと広がるといいなと思いました。(報告:伊藤)
今回は、イギリスの開発教育団体であるThink Globalを訪問してきました。
Think GlobalはイギリスでDEARのような活動を行っている団体で、開発教育のネットワーク団体として、学校や教員向けにリソースを紹介したり、プログラムを実施したり、教育に関する政策提などを行っています。イギリスには国内の各地域に23の開発教育センター(通称:DEC)があり、Think Globalはそのハブ役を担っています。
左からファーリアさん、伊藤、リナさん |
今回は、プロジェクトマネージャーンのファーリアさんに、お話を伺うことができました。
訪問する前から、一番気になっていたのは、難民や移民の問題、Brexit(EU離脱)に国が揺れている中で、どのような活動を行っているのか、困難に直面しているのかということでした。興味深かったのは、Start The Change projectというものです。
これは、過激派といったcontroversial topics(論争を呼ぶ話題) について若者の意見を聞き、そういった話題をより安心して討論できる環境づくりや教員のサポートをするために行われた調査プロジェクトですが、結果的に学校内でのアクションにもつながっているそうです。
プログラムの一環で、教員に対してワークショップを実施したそうで、そこでは、国内が分断の岐路にある中、先生は「論争を呼ぶ話題」を取り扱う事にストレスを感じているとのことでした。
ワークショップの際は、正解のない題材に対して、どう扱ったらいいのかと思っている先生に対して、先生も意見があり、生徒もそれぞれが意見を言ってもらうように促し、先生がファシリテートをするように助言しているそうです。
実際に、Start the Changeに取り組んだ2つの学校の先生と生徒たちを取材したムービーをご紹介します(英語)。
また、ファーリアさんがこの調査を行った印象としては、多様性があるロンドンにおいては、多様性に対して寛容だが、逆に多様性がない北の方の地域などの調査では、「移民が仕事を持って行く」、「テロリストだ」、といった話が容易に出てくることがあるらしく、ムスリムである彼女にとってもショックだったようです。
周囲の環境が考え方に影響をするのはもちろんだと思いますが、出会っていないものや、知らないものに対しての理解や、共感というのは、環境や実体験だけでなく、どうにかならないものなのかと改めて思いました。
また、Brexitに見られるように、国が内向きの政策になりつつあることで、グローバル教育に対する助成金が減り続けているそうです。この状況は、Think Globalだけでなく、他の国際協力NGOにとっても厳しいのではないか、ということでした。国民一人ひとりが選ぶ政策に対する責任の重さをつくづく感じました。
日本のことやDEARの話では、ユースの組織の充実や、放課後や部活動にもっと開発教育を入れられる余地があるのではないか、という意見ももらいました。イギリス、日本、それそれで開発教育の実践がもっと広がるといいなと思いました。(報告:伊藤)
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