機関誌を読む会ー「一人で読むだけじゃなく、語り合うと深まる」

こんにちは。DEAR理事で、機関誌編集委員の近藤です。
年度末になり、活動、仕事、家族ごとなど慌ただしい季節となりました。

皆様、機関誌『開発教育』65号の特集をお読みいただけましたでしょうか。テーマは「安全・安心に暮らすということー難民・避難民・先住民の視点から」でした。


3月15日金曜日、聖心女子大学Be-hiveにて「機関誌『開発教育』65号を読む会」を開催しました。

実は以前に、特集原稿を書いてくださった方をお招きして「読む会」の開催をしたことがあります。今回は内容について、自由に語り合う「読者の会」をやってみたいということになり企画しました。

参加者5名のこじんまりとした会になりましたが、お一人は会員ではなくわざわざ機関誌を購入してお読みくださってご参加くださいました。

最初は簡単な自己紹介と「今日はどんな一日だったか」をお話ししてもらいました。
  • 気候変動のデモに参加した。
  • 地元で「こどものまち」を企画運営する説明会と勉強会に参加した。
  • NGOの会議で、「NGO」「社会貢献活動」「ソーシャルビジネス」の違いについて考えさせられた。
  • 薬物所持で逮捕された方の報道をみていて、世界では「依存症の人」として報道されるが、「犯罪者」を強調した報道がされていたことが気になった。
「今日の一日」をテーマに議論できそうな盛りだくさんの自己紹介でした。

機関誌を読まれていない方が一人でもいらっしゃったら、特に気になるものを皆で「音読」をしようと思っていました。

今回は皆さん「熟読」(笑)されてのご参加だったため、お互いに問題提起をしながら、語り合いました。いくつかご紹介します。
  • 松島さんをはじめ、いずれの特集原稿からも問題の現状を知るには歴史を知らなければならないとまず思わされた。
  • 安全であることと、安心であるということは「=」ではない。
  • 「安全である」「安心である」は自分たちが決めていくことであり、また受動的に得られるものでもないため獲得していくものだと思った。
  • 米川さんが書いていらっしゃった「難民問題は人道問題ではなく人権問題なのだ」ということが本当に本質だと思う。
  • 避難したり移動したりするからこそ、自分の拠点から離れることでアイデンティティが問われ、揺らいでしまうことになるのだと感じた。
  • アイデンティティが揺らぐ人たちと活動し関わることで、関わった人もまた揺らぐのだということが伊藤さんの原稿を中心にどの原稿にも共通する。
  • 支配・被支配の関係、支援・被支援の関係から難民、避難民、先住民の問題を見てしまう。
  • この問題に対して、読み手は、問題の構造に加担した視点で読んでいただろうか。
  • この問題を「伝える」ためのシミュレーションという方法には限界があるように思う
魅力的な問題提起ばかりで、お互いの考えや気持ちをじっくり語り、聴くことができました。

最後にこの時間の感想を話しました。
  • 一人で読むだけじゃなく、語り合うと深まる。
  • 話してみると、どういう風に解釈したり読んだのかが一人ひとり全然違うんだと思った。
  • 人間っていうのは、改めて土地に根差して生きるんだなと思った。
  • 特集の組み方や、今日語り合った内容が、普段自分が考えていることにマッチし、話せてよかった。
編集委員としましては、「難民、避難民、先住民の問題を、『安全・安心』から切り込む鋭さに、元気をもらった」というお言葉にこちらこそエンパワーされました。

これからも、機関誌から問題提起チャレンジをしていきたいと思いました。
(報告:近藤牧子)

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