長浜バイオ大学で「ファシリテーション研修」

春休みも終わりに近づいた3月28日(木)に、滋賀県長浜市にある長浜バイオ大学「ファシリテーション研修」を行いました。研修を受講したのは、新1年生の学習・学生支援を行う上級生(新2・3・4年生、大学院生)など約40名。

新1年生の勉強指導や学生生活の相談役となる上級生たちで、下級生とのコミュニケーション方法やファシリテーションを学ぶことが目的です。今回は、事務局から中村と岩岡が行ってきました。

長浜バイオ大学は、米原駅から北陸本線で2駅の田村駅にあります。琵琶湖が目の前にあり、のびのびとしたキャンパスでした。

研修のはじめに、まず他己紹介と約束づくりを行いました。他己紹介は、二人で自己紹介した後に、他の人にお互いのことを紹介しあう、というものです。みんな最初は緊張している様子もありましたが、最近あった嬉しかったことや今日の研修に対する期待など、楽しそうに紹介しあいました。

その後、みんなが安心して参加し、いろんな意見を出しあうための約束を考えました。それぞれのグループが一押しの約束を発表し、最終的にたくさんの約束が出来上がりました。みんなが参加する場の約束をみんなでを決めるというのは、とても大事なことですね。


グルーピング

ビンゴシート「こんな人を見つけよう!BINGO」を使って、普段話したことがない人とペアになって一つずつ質問しあい、ビンゴを埋めていきました。ビンゴを全て埋められた人もたくさんいて、お互いのことをもっと知るきっかけとなったようです。

「ビンゴ」をつかっていろんな人と話をしてみよう

また、部屋の四隅を使ってさまざまなグループの作り方を紹介しました。「自分が少数者の立場でも意見を言うことができるか?」という問いに対して、学生たちはYES・どちらかといえばYES・どちらかといえばNO・NOの4つに分かれました。

YESを選んだ人は「自分の意見は絶対主張する」と言う一方で、NOの人は「面倒だから自分の意見を言うのは控える」「相手によって自分の意見を言うかどうか決める」など同じ理由でも様々な意見が出ました。多様な意見があることや、意見を表す方法も人によって違うことを、部屋の四隅で学びました。

ビンゴ&部屋の四隅の詳しいすすめ方は「基本アクティビティ集1」で紹介しています

異文化体験ゲーム「バーンガ」

バーンガは、トランプを使った異文化体験ゲームです。グループごとに異なるルールでゲームを行います。ゲーム中の会話は一切禁止、お互いジェスチャーなどでコミュニケーションをとるのですが、そこに異なるゲームルールをもつ人が入ってきて、、さあどうする!?

ゲームを通じて、自分がマイノリティとなった時のコミュニケーション方法や他者の気持ちに気づくことができます。


ゲームを終えてふりかえってみると、異なるルールに直面した時に「自分のルールを通した」という人もいれば、「他の人のルールに合わせた」、「自分からルールを確認した」など対応方法は人それぞれ。

「自分の常識が相手の常識とは限らない」「異なるルール(文化)を説明・理解するのは難しい」「“話すこと”がコミュニケーションの大部分を占めている」などさまざまな気付きがありました。今回は会話禁止でしたが、「果たして言葉が通じれば解決するのか?」「当たり前とか常識って何だろう?」など、ゲームを通じて色々なことを考えました。

ファシリテーターについて

昼休みの後、ファシリテーターについて説明がありました。

ファシリテーターの役割とは何か、注目される背景を説明したのち、グループワークにおけるファシリテーターの態度や役割を確認しました。そして、グループワークのなかで順番にファシリテーター役と書記を決め、実際にグループワークをファシリテートしていくことになりました。最初にファシリを実施する人は緊張しますが、「やったほうが良い経験になる」ことを伝え、すすめました。

そして、地域にあるさまざまな課題に関するコンパス分析を行いました。急増する外国人労働者とその子どもたち、こども食堂、外来魚や外来種、買い物弱者、産業廃棄物の最終処分場建設など、大学周辺地域に関する写真を見ながら、気づいたことや疑問、知りたいことなどを書き出し、それを4つの側面(自然、経済、社会、意思決定)に分けて貼っていきます。

コンパス分析の詳しいすすめ方は「豊かさと開発」に掲載しています

ファシリテーター役は、みんなの意見を聞き、地域が今後どのように変わったらよいか、どんな変化を起こしたいかなど、意見を取りまとめつつ、考え、最後にポスターセッション方式で各グループの発表を順番に見てまわりました。今回はグループごとに全く異なる写真を使ったので、みんな他グループの写真を見ながら発表を興味深そうに聞いていました。


下級生とのコミュニケーション

じゃんけんゲームで頭と体をほぐした後、再びブレインストーミングを行いました。お題は「下級生とのコミュニケーション方法」について。不安や期待、うまくいったことや難しかったことなどをどんどん書き出していきます。そしてそれをファシリテーター役が中心となって整理しながら、関連付けや小見出しをつけてまとめていきます。


今回は、グループごとにユニークな模造紙が出来上がりました。不安に対する解決策をひとつひとつ示してみたり、自分と相手を客観的に見て、話し方や印象を分析したり、1年生の立場に立って不安に思うことを書き出してみたり…。


最後にまたポスターセッション方式で発表しました。今度は「いいね!」「なるほど!」と感じた発表にはシールを貼っていきます。シールによって共感する気持ちが目に見えることで、発表をする人も聞く人も良い刺激となったようです。コミュニケーションを改善するヒントやアイディアがたくさん出てきて、感心しきりでした。


今日一日を振り返って、学んだことや気づいたこと、もっと知りたいこと、これからやってみたいことなどをグループで共有しました。ファシリがいることで話し合いがスムーズになる、一人一人、視点が異なることに気づいた、話を聞くことが大切、場の雰囲気を和らげられるようになりたい、自分から話しかけることが重要、など様々な発見がありました。



最後にみんなで一つの大きな円になって今の気持ちを一言ずつ共有していきました。
これからやりたいことに関しては、「1年生に信頼される先輩になる!」「この人がチューターでよかったと言われたい!」「まずは笑顔と挨拶から」「会話の引き出しを増やす!」など、それぞれの決意を話していき、それに対してみんなで応援の拍手を送りました。

今日学んだことを行動に移すプロセスは難しいけれど、自分を客観的に見ることを大切に。そしてまずは、1年生の様子を注意深く見てあげよう。とお話しして、丸一日の研修は終了しました。

みんないい笑顔!下級生たちとよい関係を築いてくれたらうれしいなー。

研修の最初は不安や緊張が顔に浮かんでいたけれど、最後はみんな笑顔になった学生たち。この研修を励みに、4月から下級生たちと良い関係づくりができるよう、応援しています!(報告:岩岡)

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