ICSWレポート(2)市民団体にしか集められないデータがある

スタッフの伊藤です。
4月8日~12日にかけて、セルビア開催されたInternational Civil Society Week(ICSW)に参加してきました。今回は、報告の続きです。


3日目の全体会では、先日のBridgeを踏まえ、Stairsをテーマに、効果的につながり、そのレベルを上げる方法について、テクノロジーやSDGsの活用に関する報告や提案がされました。
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ここでは、AかBというようにお互いを分けるのではなく、共同(collective)にシフトするべきという話から始まり、自らのコンフォートゾーンから抜け出し、周囲の景色を変えていく必要性が会の最初に強調されました。

パネリストの報告では、コントロールされたテクノロジーや監視の脅威について話されました。現在では、テクノロジーの独占が進んでおり、例えば、フェイスブックやgoogleといった巨大企業に対して、私たちは日々データを注ぎ込んでいる一方で、多くの情報は閉ざされていることが多い状況です。

そういったスペースのコントロールを取り戻し、人間を中心に据えたアプローチにする必要が唱えられました。そして、情報が閉ざされている問題は、もはや倫理の問題ではなく、規制の問題であると指摘されていました。


別のパネリストの報告では、データは政治的変化ももたらすことが可能であり、市民団体がデータをもっとうまく使う必要性があると述べられました。例えば、SDGsの概念は膨大で複雑ですが、それをうまく地域とつなげ、変化をもたらすには、何に焦点を当てたらいいのかを考える必要があり、データの活用はそれに役立つということでした。

会場からは、「政府はSDGsの指標に対するデータを買うことができ、市民団体はそれに打ち勝つことができない」という意見がありました。

パネリストからは、市民団体でしか集められないデータがあることが強調されました。そして、自分たちのデータの正当性を一般化することが必要であること、また、どの国も指標に対する100%のデータは持っておらず、またあらゆる側面を測ることは不可能であること、そして、今ある調査やモデルデータは現地や直接得られた情報ではないこともあることが述べられました。

市民団体は、より周縁化された人やものに関するデータを持っており、また、政府とは異なるものを見ており、どのように、公式なデータや、非公式なデータを使うのかが問題であり、自信をもって声を上げることが重要であるということが述べられました。

また、同意しない人々などと、対話を始めていく必要があり、言葉は同じでなくとも、目的を共有するものとして、一体となってやっていく必要があることがこの日も強調されました。そして、このような会議では、最もひどい現状に対して、どのような支援が今まさに求められているのか、見極める必要があることも述べられました。

つながりを強め、効果的にしてく上で、とても参考になりました。
(伊藤)

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