BE*hive「ファッションと気候変動」ワークショップ

こんにちは!DEARボランティアの岡村です。 8月19日(月)・20日(火)に、聖心女子大学4号館1階のBe*hive(ビー・ハイブ)で、文京学院大学女子高等学校の1年生32名を対象に、「ファッションと気候変動」という普段はあまり結び付かない2つのキーワードのワークショップを実施しました。

「1枚のコットンTシャツのライフサイクルを通したCO2排出量」にびっくり

前半は私たちの生活にとても身近な「ファッション」「服」の消費の裏側に潜む労働者の人権問題や環境問題について考えました。

「服を買うとき一番大事なことは?」という初めのクイズでは、「安いこと!」「決まったメーカー、ブランドがある!」「流行・デザインが大事!」とそれぞれあてはまるところに移動しファッションに対するこだわりはそれぞれ。さすが高校生!

その後のグループワークでは「1枚3000円のTシャツが売られています。その製造や販売に関わる5人(縫製工場の労働者、縫製工場の工場長、バイヤー、アパレルメーカー、小売業)は3000円のうちどれくらいのお金を得られるでしょう?」という問題をグループで話し合い、考えました。

1枚3000円のTシャツ。誰がどのくらいお金を得ている…?

答え合わせでは、特に労働者・工場長の得られるお金の低さに「えー!」「なんで!?」とおもわず声がでる生徒たちもいました。

「えー!」「なんで!?」と、驚きの声も。

2000年以降、ファストファッションの定着によって、消費者が安い服を買い求めることで服飾業界の生産競争が激化。そのしわ寄せが、製造現場で働く労働者の労働環境を脅かしています。それは海外だけではなく、日本の製造現場でも同じです。

服を買う時にその値段の裏側を考えてみることや、普段着ている服を大事に着ることなど、何ができるかを話し合いました。

後半は、前半のワークショップで学んだことを振り返りながら、「ファッションと気候変動」の展示を見学しました。服を製造して着続けるためにたくさんのCO2が排出されることや、その排出量は日本は世界でもトップクラスであることなどを知って、「え!」「知らなかった…」とショックを受けたような声もちらほら。



アート作品やパネルを見ながらワイワイ友達と話しあう生徒たちもいれば、1人で絵の前でしばらく考え込む生徒など、それぞれ思い思いにファッションと気候変動の関連性について学んでいました。

最後の振り返りでは、「服が気候変動にかかわるなんて知らなかった」、「服を作るのにCO2がこんなにたくさん出ているなんて驚いた」などなど…

ある展示の隠されたメッセージに気づいた子たちは「すこしゾッとした」「ハッとさせられた」という感想も出ていました。(皆さんも探してみてください!)

以下、参加した生徒たちの感想(一部抜粋)です。
  • 服が作られるまでの工程や服をつくるのにたくさんの人が関わっていることを知った。
  • 服の製造工場で働いている人が全然お金をもらえない(ブラック!)。私たちが安く服を買える分、どこかで大変な思いをしている人がいる。
  • ファッションの流行は、だれがどのように決めるんだろう?
  • 服を作っている人のことを考えて、服を大事にしたい。
  • 服を作って着て処分するのにCO2が排出されていることを知った。原料や生地によって排出量は違うのかどうか知りたい。
  • 展示やアート作品がおもしろかった。次回の展示(女性と社会的弱者にとっての気候変動)も見てみたい。
「ファッション」と「気候変動」という普段は一緒に考えることのない二つのキーワードですが、ファッションという身近なことだからこそ考えやすく行動に移しやすいテーマでもあるのかもしれないと感じました。

これから服を買うとき一度立ち止まって、今日学んだような値段の裏のことをふと考えるきっかけになったらいいなあと思いました。
文京学院大学女子高等学校の皆さん、ありがとうございました!
(報告:岡村)

BE*hiveでは、2019年4月より「気候変動」をテーマとした展示を行っています。
2019年9月5日(木)より一部展示がリニューアルし、「女性と社会的弱者にとっての気候変動」が始まります。展示テーマをさらに深めて考える参加型ワークショップも提供していますので、総合学習や修学旅行、その他グループの学習などの一環としてぜひご活用ください。

▼グローバル共生ワークショップに関する詳細はこちら
https://kyosei.u-sacred-heart.ac.jp/behive/workshop/

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