開発教育ファシリテーション講座2021 第2回「感情やニーズ、開発教育観を聴く:傾聴・パラフレーズ」

こんにちは。開発教育ファシリテーション講座2020修了生の渡部です。
9月19日(日)に「開発教育ファシリテーション講座 2021」第2回を開催しました。

第2回は、気持ちやニーズを聴くこと、傾聴の練習を通して、自分の聴く姿勢をふり返り、傾聴とファシリテーションについて考えました。

創造的に対立解決ワークショップ(2018)より

もくじ

  • アイスブレイク「いろいろな気持ち」
  • 怒りを振り返ってみよう!
  • 傾聴(三者リスニング)
  • シンパシーとエンパシー
  • ふりかえり

アイスブレイク「いろいろな気持ち」

最初のアイスブレイクでは、ワークシート「いろいろな気持ち」を使って、最近あった気持ちを3つ選び、それぞれ、どんな時にそう感じたか、グループで共有しました。

「いろいろな気持ち」ワークシート

参加者の皆さんに、感想をお聞きしました。

  • 😏落ち着いて自分の感情を振り返ってみると、自分が思っていたのと違う感情があったと気付いた
  • 😵普段自分の感情を書くことがないが、こんな風な感情があるのかと気付いた。感動したということが、意外とないなと気付いた。
普段気に留めないと、どんどん流れてしまう気持ちですが、自分がどう感じているかは自分しかわかりません。自分との対話は、まず、自分の気持ちを受け止めることから、自分の気持ちを振り返ることが大切との説明がありました。

怒りを振り返ってみよう!🌋

「怒りを振り返ってみよう!」では、自分が怒りを感じたこと、イライラしたことをふり返り、その時感じた様々な気持ち、満たされなかったニーズ、自分が必要としていることについてグループで共有したあと、怒りを振り返って気付いたこと、自分の怒りの傾向や、どの様な時によく怒りを感じるのか、話し合いました。

😈そのときの参加者の皆さんの気づきを一部、紹介します😠
  • 感情の整理・価値づけがとても新鮮だった。
  • 満たされていないニーズを知ることで、相手への対策に向けたヒントが得られる。
  • 怒りと一言でいっても、色々な要素が絡み合って、その感情に至るのだと思った
  • 怒りの感情は2次的なもので、期待が裏切られた時に怒りが生まれるのかなと思った。
  • 相手に対してより、自分に対してイライラしていると気付いた。
  • 相手が「なぜその行動をとったのか」がわからないことに不安や悲しさを覚えたり、怒りを感じる。
  • その場の空気や雰囲気を壊すことや乱すことに「怒り」を感じる傾向にある。自分の価値観と異なることが怒りにつながる。
  • 自分の気持ちを振り返って、何に怒っているのか、気持ちを俯瞰的に整理すると、自分の中で気持ちを、ほぐすことができるのではないか。
  • 怒りの感情が出る時は、自分自身にも余裕がないことが多い。
  • 相手との関係性によっても、怒りの気持ちには違いが出てくると気付いた。


自分自身の怒りや感情の下にある大切なもの、ニーズや価値観に気づくとともに、他者にも同じような構造があり、表に出ている態度の裏にあるものを考えることが大切です。

対話や議論の中でお互いの感情や価値観を理解していくためには、先ずは、自分を振り返る練習を通じて自分のニーズに気づき、同時に他者の感じ方にもアンテナを張れるようになることが必要であるということを学びました。

傾聴(三者リスニング)

次の「傾聴(三者リスニング)」ワークでは、3人グループで、話す役・聴く役・観察役の役割になり、パラフレーズの練習をしました。話す役は「自分にとっての開発教育・開発教育に取り組む理由」について話しました。

傾聴のワークを通して、参加者の皆さんの感想です。
  • パラフレーズを通じて、相手の話・ストーリーに寄り添う大事さ、聴き手がニュートラルであることが大事なのだと感じた。
  • 価値判断を入れない、普段の会話と区別してやる必要があると感じた。客観的な聴き方、気持ちにフォーカスする大切さに気付いた。
  • リアクションが見えることで話し手に影響がある。聴き役の反応によって話す方も変化が出てくるので、聴き役の反応が大事と思った。
  • 聴く役のサポートが重要であることを改めて感じた。パラフレーズをすることで相手と一緒に整理することになり、話し手の安心感にもつながる。
  • 相手の話を聞いて要約して聞く、全身で聞く、ということの大事さを知った
  • 聴き役が大事だと感じた。聴き方によって、相手が話しやすくなると思った。パラフレーズを意識すると、聴くのが難しくなる。訓練が必要。メモに集中して、目を見ることができなかったのが、反省点。
  • 相手の聴き方ひとつで、話しやすさが変わる、深め方も違うと感じた。人によって、やり方は違うと感じた。自分の聴き方を確立したい。
  • 今回は、パラフレーズしなくてはという使命感にかられたが、普通に会話する感覚で相手の気持ちを引き出せたら良いと思った。
  • 質問は話し手が話したいことと一致していると良いが、方向性が変わってしまうこともあると気付いた。
  • 相手の立場に立ってというバランスが重要。今回は、相手の気持ちを想像しやすかったので良かったが、
  • 共通する部分がなかったり、相手の気持ちを想像することができない時は、どうすると良いのかと思った。

全身で聴く、気持ちを受け止めることによって、そのままを受け止めてもらっている安心感や心地よさ、自分が価値のある存在であると感じられ、関心を持って聴いてもらうことで、もっと話したいと思えることを、練習を通じて実感していただけたようです。

シンパシーとエンパシー

ワーク終了後、シンパシーとエンパシーの違いの解説があり、パラフレーズでは、相手の立場に立って、感情や経験を想像し理解すること、エンパシーが大切であることを確認しました。


ふりかえり

最後に、今日のワークで気づいたこと、傾聴とファシリテーションについて気づいたことをグループで共有しました。以下、参加者の皆さんの感想の一部となります。

  • これからの実践に生かしたい。ニュートラルに聞いて、ニュートラルに返しても、実は相手にはメッセージとして伝わっているのでは?と思った。話す「間」でも、話したい気持ちや聞かせたい気持ちに関係するし、相手に与える印象が変わると気付いた。
  • 傾聴は出発点。傾聴は難しいと思った。パラフレーズはオウム返しではなく、相手の立場に立って考えて、全身で聴き、受け止めて、短く返すことが必要。パラフレーズとエンパシーが、今回のキーワード。実際にやるのは難しいと分かったので、意識してやってみたい。まずは、家族で練習したい。

今回は、

😌「傾聴やパラフレーズをすることで、自分の思い込みや先入観ではなく、相手の気持ちや考えていることを確認することができる。相手を深く理解することができる」

😊「ファシリテーションを行う上で重要なのは、自分についても相手についても深く理解すること、行動の背景にあることを理解することであり、傾聴はそれを手助けする」

ということを学びました。

来週は第3回「ファシリテーションにおける「問い」を考える」です。次回もとても楽しみです!(報告:渡部)

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