「東京と世界をつなぐアクティブシチズンワークショップ」(全5回)開催レポート

こんにちは。事務局の八木です。 

12月~1月の5回、東京スポーツ文化館(BumB)主催のワークショップで、15~24歳のユースを対象にしたオンライン・ワークショップを実施しました。タイトルの通り「アクティブ・シチズンシップ(市民性)」を高めることを目的にしたプログラムです。

東京と世界をつなぐアクティブシチズンワークショップ

5日間のプログラム

  • Day1 自分を知る・相手を知る
  • Day2 東京と世界の課題を知る
  • Day3 課題の解決策を考える
  • Day4 活動しているゲストの話を聞く
  • Day5 成果発表・振り返り

参加者数は実はそれほど多くなかったのですが、それぞれ背景や地域の異なる高校生・大学生・大学院生が集まりました。少人数のおかげで、一人ひとりがたくさん・じっくり話すことができて、毎回とても充実していました。

Day1 自分を知る・相手を知る

1日目は、お互いのことを知り、話し合うことに慣れるために、全体とグループで複数回の自己紹介とグループワークをやりました。

打ち解けてきたところで、以下の2点を出し合い、グループで共有しました。

  1. わたしが「気になる」社会問題
  2. 20年後には無くなっていてほしい、変わっていてほしいと思うこと・制度・慣習
グループ1では、ファッション、気候変動、プラスチックごみ、子ども、教育、在日外国人、ヘイト、ジェンダー・バイアス、政治参加などの話題が出ました。

グループ2では、大きくまとめると教育・人権・気候変動の3つの話題が出ました。

最後に、DEARの中村から「アクティブ・シチズンシップ」についてお話をして第1回目は終了となりました。参加者の感想の一部をご紹介します。
  • 😀 みなさんとお話しできて楽しかった。
  • 💬 もっとみなさんのこと知りたい。話したいです。
  • 😅 みんなの話を聞いて「自分は表面的にしか知らないなー」と思った。
  • 💬 この世の中問題がいっぱいあって、それは人間が生み出している。
  • 😕 いろんな社会課題があるけど、問題がつながっている。根本は同じだと思った。
  • 💬 今回は問題提起、共有だった。もっと深堀したい!

Day2・3 課題を知る・解決策を考える

続く2日目は「東京と世界の課題を知る」をテーマに「パーム油のはなし」ワークショップを実施、3日目は「課題の解決策を考える」をテーマに「参加のはしご」を使いながら話し合いました。


学校行事や校則、イベントなど、これまで「参加」してきた様々な事柄について話が広がりました。
「校則がほとんどない高校に入学して、中学校までの価値観ががらりと変わった。『校則はあって当たり前』と思っていたけれど、そうじゃなかった。自分で考えて、責任も意識して行動するようになった」という話をしてくれた参加者もいました。

Day4 活動しているゲストの話を聞く

そして、4日目は、活動するユース2人のゲストを招いてのゲスト・トークでした。
同世代の2人の言葉には「はっ」とさせられる場面がたびたびあり、参加者からはたくさんの感想と質問が出されました。その一部をご紹介します。
  • 😀 自分の興味のある社会課題を考えていくと、政治に繋がっているって気付けた。
  • 😍 行動力すごい!!かっこいい!
  • 😏 2人とも「海外の若者が積極的に政治の参加している場面を見たことがきっかけだった」というお話があって、やはり日本はそういった面で遅れをとっているのかなと思いました。
  • 😊 2人とも、活動する中で自分が持っていた偏見やモノの見方に気付いているのがすごい!
また、特に林さんには「活動において『楽しい』を大事にする大切さを改めて気付かされました」、川村さんには「『闘わずして意見を言うことは簡単』という言葉がほんとに胸に刺さりました。当事者と同じ目線で向き合える人になりたい」との感想が寄せられました。

Day5 成果発表・ふりかえり

最終回は、こちら側で話題を用意せず、参加者から提案してもらい、それについてみんなで話し合ってみる、という形で進めました。当日まで、どんな話題が出るのかな?とドキドキ😣していましたが、2つのテーマで、それぞれ30分ずつ話し合うことに決まりました。
  • 第1ラウンド:学校教育の目的ってなんだろう?
  • 第2ラウンド:どうしたら投票率が挙がるだろう?
みんなでそれぞれの考え方を聞いているうちに、「この2つのテーマは関連しているし、切り離せない!」「どちらもシチズンシップ(市民性)と関わっている」ということが見えて来ました。

アクティブ(A)シティズンシップ(C)を表現するみなさん

最後に、1日目にご紹介した「アクティブ・シチズンシップ」の考え方をもう一度見てみました。そして、一人ひと言の感想を発表しました。
  • 😊 いろいろなアクティブシチズンの方法があるということを知った。(教員志望なので、将来)こういうことを知ったうえで授業ができたらと思った。
  • 😳 目の前の社会や環境に向き合うことが結果的に投票行動につながると思う。やっぱり、社会への視野が狭いことが(低投票率の)原因。社会に目を向ける教育がなされていないことが実情。理想の社会の姿があり、自分と自分の大切な人が生きやすくなれるように思える教育、周りに視野が行く教育ってなんだろう?
  • 😏 家庭や教育の中で「人に迷惑をかけるな」と言われ続けてきた。その価値観が強く、「助け合うことのコミュニティづくり」という前提が否定されている。現状がこのままで良いのか、という危機感を持つことが大事だと思う。
  • 😣「政治参加は投票行動だけではない」ということは、大人が範を示さないと子どもだけがアクティブシチズンになるなんてことはない。大人がアクティブシチズンなのか、というのは大きな論点だと思う。
本当に、子どもやユースだけに「アクティブシチズン」になることを求めるだけでなく、大人が「アクティブシチズン」としてのロールモデルになること、それが日常の光景になることが重要なことだと思います。

参加者の皆さん、ゲストの皆さん、主催者のBumb&東京都の皆さん、ありがとうございました。
(報告:八木亜紀子)

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