こんにちは。スタッフの八木です。
3月に発行した新教材『服・ファッション 開発教育アクティビティ集5』はおかげさまで好評をいただいています。
教材発行のために194名の方がクラウドファンディングに参加してくださいました。今回はその中で「報告会」参加のリターン(お礼)を選んだ方を対象に3月29日(火)に開催した報告会の様子をご報告します。
教材作成メンバー9名が報告しました |
9人のメンバーで約10か月にわたって教材作成をしてきました。
その過程では、作成中の教材を使って授業やワークショップをやってみたり、ニュースや勉強会の情報を共有し合ったり、「こんな展開はどうだろう?」とアイデアを持ち寄ったりと、チームで話し合ったことが本当に楽しく豊かな時間でした。その一端をご紹介できればと、報告会のプログラムを考えました。
プログラム
1.オリエンテーションとメンバー紹介(進行:磯野)
2.教材紹介(八木)
3.実践報告
・フリースペースでの実践(谷田・岩岡)
・地理総合での実践に向けて(松下)
4.ファッションとサステナビリティについての報告
・環境・気候変動の観点から(西原)
・人権、労働環境、文化の観点から(鈴木)
5.質疑応答
6.交流会(21時から30分間/自由参加)
2つの実践報告
メンバーと教材の紹介をした後は、さっそく2つの実践をご紹介しました。
まず、谷田さん(小学校教員)と岩岡(DEARスタッフ)が「フリースペースえんでの実践報告」、続いて、松下さん(中・高校教員)が「地理総合でのチャレンジー服・ファッション×ミステリー教材の作成を通して」を報告しました。
レポートはブログに掲載しています |
子どもから大人まで、さまざまな人と一緒に学ぶフリースペースでは、興味を引くためのクイズを工夫したり、ぱっと見て分かるよう視覚化したり。作成中の教材をつかって実施したことで、教材にも反映できるヒントがたくさん得られました。
🙋参加者の声
- ちょうど今フリースクールでボランティアをしているのでとても身近な話題として感じられました。
- 教材のアレンジや、実践した授業での受け止められ方を伺って、教材の核の部分を共有して頂けた気がしました。
- 教材をどのように使ったらいいか具体的にイメージできるようになりました。
- 「本当に服のリサイクルっていいの?」と素直に疑問に思えるような思考をたどれるのが素晴らしいと思いました。
ワーク4の「服の一生」のカードセットを使った応用のアイデア(作成途中のミステリー教材) |
松下さんによる「地理総合でのチャレンジー服・ファッション×ミステリー教材の作成を通して」は、この4月から新たに必修科目になった高校「地理総合」で実践するなら、どんな展開ができるだろう?という作成中の授業案によるチャレンジングな報告でした。「ミステリー」という手法を使ったアイデアに関心が集まりました。
🙋参加者の声
- システム思考、ミステリー、とても興味あります。複雑なつながり、関連性を見出す、つながりを構築していくことがとても大事だと感じます。
- ひとつのことを学ぶことで沢山の深堀があってとても面白いと感じた。
- 新しい学習指導要領の中で、新たに教材を作られているそのエネルギーを感じましたし、地理の先生方の想いや願いを垣間見させてもらいました。
ファッションとサステナビリティについての2つの報告
つづいて、西原さん(聖心女子大学)による「ファッションと気候変動」、鈴木さん(ピープルツリー)による「人権、労働環境、文化の観点から」の報告がありました。
この教材の作成のきっかけは聖心女子大学BE*hiveでの「ファッションと気候変動」展示(2019年)だったので、わたしは西原さんのお話しを聞きながら当時のことを何度も思い出しました。服を手入れする時に排出されるCO2の量や、着られないまましまい込まれている「死蔵衣服」のことは、展示で初めて知ったことでした。
🙋参加者の声
- 日常生活、身近なできごとが世界につながっているということを改めて実感することができました。
- 授業でも展開をしてきたことですが、死蔵衣服については、実践したくてもなかなか実践できないのですが(ご家庭の協力が必要なこともあり)、やっておきべきだったと感じました。
- 死蔵衣服という言葉は衝撃でした。また、地球のために洗濯し過ぎないということも、肝に銘じました。
- 多くの知識も得られるワークショップ実践に繋がる座学でした。大変わかりやすかったです。
- 自分もエシカルな消費に対して、もっとポジティブに明るく行動をしていきたいと思いました!
- 環境や人権問題との繋がりは何となく感じてはいましたが、お話を聞いてより具体的なものとして理解することができました。
- 改めてこの問題への危機感を覚える内容でした。服、という誰もが他人事ではない問題だからこそ、とても胸が痛くなりました。最後に温かいメッセージを伝えて頂いて嬉しかったです。
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