N/S高生、N中等部生と「はじめての環境問題ワークショップ!プラスチックから考える持続可能な未来」

 こんにちは。事務局の八木です。 

5・6月の4日間、学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校・S高等学校・N中等部において、約30名の中高生を対象にオンライン・ワークショップを実施しました。


テーマは、「はじめての環境問題ワークショップ!プラスチックから考える持続可能な未来」です。教材『プラスチックごみ 開発教育アクティビティ集4』を活用しながら実施しました。

4回のプログラム

  • Day1 オリエンテーション(プラスチックを探せ!/クイズ)
  • Day2 ロールプレイ(どうする?プラごみ!関係者会議)
  • Day3 ゲスト・セッション:松井聡史さん(RKB毎日放送・テレビ制作部ディレクター
  • Day4 原因と構造(イラストで考えるプラごみ/「Re〇〇」を考えよう

Day1 オリエンテーション

1回目は、まず小グループで自己紹介をして、参加の動機や期待をシェアしました。

今回、タイトルに「はじめての」とつけたことで、なんと参加者の全員がワークショップ形式のプログラムには初参加!ちょっとドキドキしながらのスタートでしたが、プラスチック・クイズからの「プラスチックを探せ!」は盛り上がりました。

みんなが家の中から探し出した「プラスチック製品」にはこんなものがありました。

👓メガネ・コンタクト(身に着けてる)
📚クリアファイル/ペン/ノート/文房具いろいろ
🎮ゲーム機器/VRのキット
🍬お菓子の袋/ペットボトル/食品の包装いろいろ
⏲時計/レゴ…などなど、たくさん!

そのほか、よく分からないものや「謎物質」もありました。

😲「ほとんどのものがプラスチックだった」
😕「本の表紙とかジュースの紙パックとか、つるっとしているのはプラなの?」
😳「柔軟剤とか化粧品とかにも小さいプラスチックが使われてるって聞いたことある
😲「そういえば…人工芝って、プラスチック?」

「本当にそうかな?」「もっと知りたい!調べてみたい」という声が出たので、商品に使われている素材について企業に質問したり調べたりする方法をお伝えして、1回目が終わりました。
(ウェブの「お問い合わせフォーム」などから簡単に質問できます!)

Day2 ロールプレイ(どうする?プラごみ!関係者会議)

2回目は、まず1回目のふりかえりからスタートしました。

とても嬉しかったのは、さっそく「気になる商品について調べてみた」「企業に質問してみた」という生徒がいたことです!また、「身の回りのプラスチック製品が気になり出した」という声もちらほら…。みんなの「プラスチック・センサー⚡」の感度があがってきたようです。

さて、今回はプラごみ関係者が登場するロールプレイをやりました。
生徒の中からも2人がボランティアで役になってくれて、合計6人の登場人物が自分とプラスチックとの関わりをしみじみと語りました。

ロールプレイ・カードは教材『プラスチックごみ』に収録しています

みなさんの名演技に、チャットに流れる大量の「88888888(拍手)」👏👏

その後、グループワークで以下の3点について話し合いました。
  1. あなたが最も共感したのは誰?その理由は?
  2. あなたが最も共感できなかったのは誰?その理由は?
  3. あなた自身はプラスチックごみについてどう考える?
誰が・どう行動を変えると、あるいは、ここにいない誰が・どう行動を変えるとプラスチックごみを減らすことができるのか…?

それぞれの立場や意見が分かるだけに、募るモヤモヤ…😑
問題の複雑さやジレンマに向き合いながら、生徒たちは真剣に考えていきました。

Day3 ゲスト・セッション

3回目は松井聡史さん(RKB毎日放送・テレビ制作部ディレクター)をゲストにお招きしてのセッション!

松井さんは、2019年制作の番組「人類vsプラスチック」で第61回科学技術映像祭・内閣
総理大臣賞を受賞されたTVディレクターさんで、特技はなんと「プラスチックと話をする」こと!最近は「SDGsおじさん」(笑)としてサステナビリティに関する発信もしています。
  • 前半:なぜ私はプラスチックと会話できるようになったのか?
  • 後半:コンポストと農業にハマった!持続可能な社会へのトライアル
当日は早朝2時から生放送の準備をしていたという松井さん。ネットが若干不安定になりつつも、たくさんの写真と共に、2部構成で楽しく・分かりやすくプラスチック汚染の状況と「循環」を生み出す取り組みをお話ししてくれました。

会社の屋上にあるという「るるるるーるるガーデン」とは!?

「ごみ拾い」と「コンポスト」に興味津々な人が続出。
「わたしもやってみたい!」という声がたくさん出ました。

アンケートから生徒の感想をご紹介します。

<プラスチックについて>
  • 環境問題に向き合って、ゴミの声が聞こえるほどゴミのことを考える人のお話が聞けた。
  • 自分の机の上を見てみるとプラスチックと食べきれず乾燥してしまったパン...がありました。改めて自分の生活・循環に対して見つめ直そうと思わせるキッカケにもなりました。
  • ドイツの小学校では、プラスチックを含む環境問題への意識に対する取り組みが進んでいることを学んだ。小学生が雑誌の付録にプラスチックを使わないよう出版社に手紙を送る姿は印象的だった。
<コンポスト・循環について>
  • 前から給食の残りが多いとは思っていたけど、現場の映像を見てみると本当に酷かった。
  • 自宅でちょっとした野菜を作る人もそこそこいるみたいだし、学校で廃棄する余った食糧を肥料にして野菜作りをやってみるのはとてもいいと思います。今もやり取りしている小学校でお世話になった先生がいるので、そういう取り組みってあるの?と聞いてみようと思いました。
  • テレビ局で「コンポスト」で野菜作りをして、ああして野菜の紹介をして社員食堂で食べる、というのもいいなあと思いましたが、それを売るというのには驚きました。確かに地元のテレビ局の屋上で作った野菜なんておもしろいし、なんじゃそりゃ?とコンポストを知る機会にもなる。
<進路や将来について>
  • 将来環境問題に関わる職に就きたいのですが、どの職でもやり方次第でできることが沢山あるとわかり、選択肢が広がりました。
  • 自分が進路を選択して、最終的にどんな仕事につくかという意味合いでも、大きな指針とさせていただくことができたと思います。
  • 社会問題に取り組む際だけでなく、新しい計画を立てる際にもSDGsの意識を持つことが重要だと感じた。
ほんとうに、どんな仕事についても、どんな職種であってもサステナビリティとは無縁ではないですね。

Day4 プラごみ問題の原因と構造

    あっという間に最終回!

    この間、ちらほらと「もっとリサイクルすれば問題解決なんじゃない?」という声が出ていたので、まず、日本のプラスチック・リサイクルの現状をクイズで学びました。

    そして、ハイムーン工房さんのイラストを見ながら、気づいたことをどんどん出していきました。


    「初めはたいしたことにならないと思って、対策も考えないで蛇口を開けっぱなしにしたんじゃないかな」「これからもしばらくは蛇口が増えそう」という意見にはドキリとしました。それって、プラスチックごみのことだけではなく、これまで繰り返されてきた「持続不可能な開発」そのものです。

    最後に、これまで学んだことを整理するとともに、自分のアクションを表現してみよう!ということで「Re」で始まる言葉を考えて、一人ずつ発表しました。


    英語だから少し難しかな?と思ったのは杞憂でした。
    生徒のみんなのクリエイティビティにびっくり!
    • rental!(借りられるものは借りる)
    • regularよりlarge(小分けより大容量の方がパッケージが少ない)
    • realize(気づく。地球の状況、物の価値に気づく)
    • remind(心がける・自分にリマインド)
    • rechange(変わろう!)
    • resize(サイズを見直す)
    • replace(還る・代える)
    • reshare(もっとシェアする)
    • reform(考え方や行動もリフォーム)
    • restart(やり直そう)
    • remember(学んだこと・考えたことを忘れない)
    • respect!(もの・人・自然環境をリスペクト!)
    • realize(ちゃんと社会のことを理解する)
    • repair(直して長く使う)
    • reconnect(社会とつながる)
    • reconsider(ちゃんと考える・考え直す)
    • reaction(無視しない・スルーしない)
    • 老後までつかえる(長く使えるものを選ぶ)
    • Renvironment=環境(Rを除く)新語を造語!
    今回なぜか、進行役のDEARスタッフ(ヨーカドー&やぎー)が1回目と4回目の終了時間を勘違いしており、30分早く終わらせようとする…というハプニングがありました。慌てふためくわたしたちを「Recover!」「Retry!」と「Re」の大喜利で応援してくださった皆さん、ありがとうございました。😂

    そして、4回の間にも終了後にも、ワークショップのslackにおすすめのリソースや企業への問い合わせ方法など、情報やアクションが共有されたのは嬉しい驚きでした。

    参加してくれた生徒の皆さん、ワークショップをサポートしてくれたスタッフの皆さん、ありがとうございました。ぜひ一緒に、変化を起していきましょう!(報告:やぎー)

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