こんにちは。事務局長の中村です。
10月29日(土)は、東京都荒川区の「あらかわエコセンター」で、「あらかわエコジュニアクラブ」の子どもたちと気候変動ワークショップを行いました。中村と、ボランティアの土戸さんで実施しました。
「あらかわエコジュニアクラブ」は、荒川区が主催する1年を通して環境問題を学ぶ学習講座で、小学校4年生から6年生まで約23名が参加しています。
今回は、17名の小学生が参加してくれました。
テーマは気候変動ですが、まずは「世界のことを学ぼう!」ということで、最初に「世界がもし100人の村だったら」を体験しました。
最初にみんなが協力できるか確かめるために「ちきゅうぎを回そう!」をやりました。
「みんなで、大切な地球を落とさずに早く回す方法は?」
たくさんアイデアが出て、最初は18秒だったのが、最後は5秒で回せました!
次に、1人一枚写真が配られ、どこだろう?どんな場所だろう?を想像します。「実は、みんなはそこに住んでいるんだよ」といって、その中の「運命のカード」を手に取ります。
100人村ワークショップ
いよいよここから、100人村のワークショップです。まずは、カードに書かれているあいさつでグループになります。
世界で一番話されている言語は?「英語」に手を挙げる人が多かったけど、実は「中国語」。その他にもたくさんの言語があって、世界には約6000語があるけど今世紀中には半分になってしまうことを説明しました。
「なんで言語がなくなってしまうと思う?」と聞くと、「話す人がいなくなってしまうから」。じゃあ、「日本語がなくなってしまったらどうする?」
「さみしい」「困る」「文化がなくなる!」
「そうだね。言語がなくなるということは文化がなくなってしまうことだよね」
言葉と文化のつながりにも気づくことができました。
その次は、地域で分かれて、ロープの中に入りました。
ぎゅうぎゅうになったアジアで、「どんな問題が起こるかな?」というと、
「ゴミが増える!」「空気が悪い」「CO2が増える!」「けんかになる」
既に、小突きあっている子どもたちがいて、もう、けんかが始まっている??
じゃあ、人が集まってよいことは?
「新しいアイデアが生まれる!」「ビジネスチャンスがある」
なるほど、そうだね。
今度は大陸ごとにピンクの紙が配られました。「大陸で作られているものだけどこれは何だと思う?」
床にならべると、アジアや北米、ヨーロッパにはたくさんあるけど、アフリカや南米にはちょっとしかない…
ピンクの紙はなんだろう? |
「CO2だ!」
正解!そうなんです。CO2の量は大陸でこんなに違う。
国別でみると中国が一番だけど、一人当たりでみると、アメリカが1位、そして日本はなんと4位!世界で4番目に多くのCO2を出しているんです。
さらに、今度は青い紙が配られて、やっぱり、アジア、北アメリカ、ヨーロッパが多い。
これは何?
「ゴミ?」「生ごみ?」「紙のゴミ?」「プラごみ?」
そう、「使い捨てプラスチックの生産量」。
実は、一人当たりの使い捨てプラスチックの廃棄量の1位はアメリカで2位はなんと、日本。
「ペットボトルが土に戻るのは何年?」のクイズには、みなさん、400年以上!と大正解!
どうしてそんなもの使い続けるのかな?
「便利だから」「プラスチックでなくてもよいものもあるよね」いろいろな声が挙がります。
最後は、カードに書いてあるA~Eに分かれました。これはお金持ちの順に並んでいると知って、喜ぶ人とがっかりする人。
これから40個の飴を配るけど、みんなのところに何個来るか、予想してもらいました。
そして、現実は…
A 32個
B 4個
C 3個
D 2個
E 1個
Aチームは大喜びだけど、ほかのグループからはブーイングが。
「ずるい」「不公平」「分けて!」
Aチームのところにもらいに来る人もいるけど、飴はなかなか配られません。
中には、ぎゅっと握って放さないメンバーも。
そこに、もう一度、ピンクの紙を配られます。
なんと最も豊かな人たちが、世界のCO2の70%を出しているんです。
Aチームに大量のピンクの紙が!
「うわ、CO2きた!」と思わず叫ぶ子どもたち。
Aチームに大量のピンクの紙が! |
「こんなにCO2を出していて、何とも思わないの?」
という怒りの声と、Aチームをじっとみつめる子どもたち。
「CO2を出しているのはAチームだけど、実際に気候変動の影響があるのは、どの人達?」と聞くと、EやDを指す子どもたち。
そうなんです。多くの人たちはCO2を出していないのに大きな影響を受けているんです。
100人村のメッセージを読んで、少し休憩したところで、後半です。
気候変動の原因と結果
気候変動の原因を改めて考え、現状をデータなどで紹介しました。
4枚の写真を見て、どこだろう?何が起きているか、考えてもらいました。
- アフリカの干ばつの写真を見て「このひび割れに、落ちちゃうんじゃないの?」
- 島の幅が350mのキリバスの写真を見て「狭い!海から逃げても海だ!」
- 西日本豪雨でボートで救済されている人々の写真を見て「お年寄りばっかり」「お年寄りじゃなくても怖いよね」
よーく写真を見ると、気づくことがたくさん。
気候変動の影響が世界に広がっていることが分かります。
そして、気候変動の原因や結果は多岐にわたることを理解するために、様々なカードをつなげていくことをしました。最初は全て使わないと、と思っていた子どもたちも、自分たちなりに理由を考えてカードをつなげていきました。
- 干ばつで作物が取れなくなって、お金が無くなって、学校にも行けなくなる?
- エネルギーには限りがあるので、足りなくなって争いが起きて、難民になる人もいる
カードを考えながらつなげていく子どもたち。
集中力は途切れずに、意見を出し合っていました。
カードのつながりを考える |
最後に、少しでもこの状況がよくなるために、できることを書いてもらいました。
- 古いものを使い続ける
- 火力発電ではなく、太陽光発電にする
- 戦争に反対する
- 伐採をする人に反対する
カードをつなげてみる。できることを足す |
気候変動は、環境問題にとどまらず、いろいろな問題と関わっています。
問題の広がりとともに、できることも無限大!
みんなと一緒に学べて楽しかった。
エコジュニアクラブで、引き続き、学び続けてください!(報告:中村)
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