開発教育ファシリテーション講座2022 第5回「ファシリテーションを分析して実践に活かそう」

こんにちは。昨年度、開発教育ファシリテーション講座を修了しました、山本敬典です。11月20日(日)に「開発教育ファシリテーション講座 2022」第5回が開催されました。

第5回は「エクササイズ」をテーマに、自分と他者のコミュニケーション・ファシリテーションを分析し合いました。

これは初の取り組み!
常に進化を続ける、開発教育ファシリテーション講座です。

もくじ

  1. ウォームアップ
  2. エクササイズ①〜動画で分析〜
  3. エクササイズ②〜合意形成に再チャレンジ〜
  4. おわりに(連絡事項、次回の案内)
3人でウォームアップ「今年もあと2ヶ月!今年中にやりたいことは?」

1.ウォームアップ

最初のウォームアップでは、3人のブレイクアウトルームに分かれ、「今年もあと2ヶ月!今年中にやりたいことは?」をテーマに話しました。

私のグループでは、「本棚に本が山積みになっていて、今年中には何とか整理、断捨離したい」という話しで盛り上がりました。いよいよ年末に近づいてきている実感が湧いてきます。

2.エクササイズ①〜動画で分析〜

それでは今回の本題、エクササイズに入ります。

まずは第4回「新聞記事から出た問いのコンパス分析」「閉じた質問&開いた質問の吟味」についてのグループワークを行なった際の動画を見て、自分・他者のコミュニケーションをふりかえる作業を行いました。

自分がコミュニケーションをとる動画を見直すことは日常生活で滅多に(ほぼ?)ないので、非常に学びが多いです!以下の「コミュニケーションを見る観点」をポイントにそれぞれのやり取りを分析し、お互いにフィードバックし合いました。

そして、相手に伝える際には以下の点に注意しました。

  1. 自分が見たまま感じたままの正直な事実を伝える→解釈や評価ではなく、情報提供
  2. 「I(アイ)メッセージ」で伝える→「私は…と思いました/と感じました/に見えました」
  3. アドバイスや忠告はしない→相手に選択の余地を与える
  4. ×「…した方がいいと思います」「…しなさい」

参加者の方からは以下のようなふりかえりがありました。

  • 😲 相手のいいと思ったことでも、実は本人は反省していることがある。自分がどう感じているか、相手がどう感じているか、が違うということがわかった。
  • 😏 ワークショップを録画して振り返るということはあまりなかった。今まではイメージでやってきたが、具体的に振り返ることができた。

  • 😅 自分は聞くのは上手にできていると思っていたのだが、それが本当にできていたのかな、と思った。相手に共感するばかりになっていた。問いかけができていないように感じた。

さて、エクササイズ①終了後、改めて「どんなファシリテーションに挑戦したいか。気をつけたいと思ったこと」をgoogleフォームに入力し、エクササイズ②で再トライです!

3.エクササイズ②〜合意形成に再チャレンジ〜

いよいよエクササイズ②です。前半で気づいた課題について、気をつけたいこと・挑戦したいことを意識して実践します。お題は「パーム油の課題について『今の状況をよくするためには』を考えよう」です。

『パーム油のはなし』(DEAR、2002)はポテトチップス、チョコレート、カップラーメンなどの原料になっているパーム油を通して、身近なものから世界とのつながりを知ることができる教材です。拡大する消費が生産地の熱帯林伐採や児童労働などの問題を生み出しています。

参加者でグループに分かれ、以下の10の選択肢から「今の状況をよくするために」できることベスト3を合意形成するというグループワークに取り組みました。

参加者のみなさんのふりかえりを紹介します。

  • 意見をまとめようとする(自分側の意見に寄せようとする)ことに気を付けたい。ファシリテーターはまとめるのが仕事の一部とも思っていたが、最後にまとめてしまうと、きっと自分よりの意見に寄せてしまうと思う。最後にまとめるときは、あくまでも「わたしの」まとめであることを提示するようにしたい。ファシリテーションは教育の場だけでなく職場のあらゆる場面で活きてくると思う。この体験をしっかりと概念化し、自分のものにしていきたい。
  • 「互いに学びあう」には「心地よい発言の往還ととりまとめ」だけではなく「切磋琢磨」のための発信、挑戦も必要ですね。

  • 立ち止まる提案をしたりもしてきてるけど、あんまり上手くいってない。自分が何に違和感を感じていて、なぜ立ち止まる必要があると感じているのかをうまく伝えるにはどうしたらいいか考えたい。 今回は、ファシリを学びたい人たちの集まりなので、そのような提案をすれば多分立ち止まってくれる。でも現実世界ではそうすんなりとはいかない。みんな忙しいし。相手の枠組みを理解することはもちろん重要だが、こちらの枠組みをわかりやすく見せ、受け入れてもらうためにはどうしたらいいのだろうか、試行錯誤していかんといけんなと思った。

開発教育ファシリテーションにおける正解ってなんなんだろう…🤔自分の課題について意識して取り組んだ今回でしたが、さらに疑問や課題も生まれます。開発教育ファシリについて考えることに終わりはないんだなと改めて実感しました。

4.おわりに(連絡事項、次回の案内)

11月27日(日)は講座の第6回&修了式です。最終回は「自分のファシリテーションを振り返る〜より良い教育実践を創るために〜」です。この時間も最終回かと思うと少し寂しいですが、最後まで学びを続けていきましょう!!

最後に、ここからは余談ですが…
第5回終了後のスタッフミーティングで印象に残った話を紹介します。

それは「ファシリテーションにおいて、沈黙が怖い人・怖くない人、その差はなぜ出るのか」です。みなさん、ファシリテーションする際、沈黙をどのように感じますか?沈黙を恐怖に感じないためには、「沈黙の価値を知る」ことが大切のようです。

沈黙の価値を知り、沈黙が必要か不必要かで判断すること。必要な沈黙であれば、その時間を大切にすればよいですね。また沈黙してしまった際に「自分がどうにかしなければ」と無理に喋るのではなく、相手に振ることで沈黙を破ることもできる。

スタッフの皆さんは本当に経験豊富な方ばかりなので、私も場数をもっと踏みたいなと思いました。(報告:山本敬典)

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