八潮南高校で「服・ファッションから考えるサステナビリティ」のワークショップ

こんにちは。スタッフの八木です。

4月27日(木)、埼玉県立八潮南高校で「服・ファッションから考えるサステナビリティ」のワークショップをやりました。

八潮南高校では「総合的な探求の時間」でSDGsの視点からの課題探究に取り組んでいるそうです。とっても元気な高校2年生のみなさんでした。

プログラムは教材『服・ファッション 開発教育アクティビティ集5』をもとに構成し、45分×2コマ(合計90分)で実施しました。

校舎の壁画が立派!

プログラム

1.アイスブレイク「服とわたし」
2.調べてみよう!わたしの服
3.服の一生・どこからどこへ?
4.ふりかえり

1.アイスブレイク「服とわたし」

まずは、「部屋の四隅」で生徒たちの服・ファッションとの関りを聞いてみました。

ひとつ目の質問「服やファッションに関心がある?」では、大半の生徒が「はい」と「どちらかといえばはい」のコーナーに移動しました。「はい」のコーナーにいる生徒に理由を聞いてみると「お気に入りの服を着ると気分があがる!」と。わかる!ほんとうにそうだよね。

2つ目の質問は「服を選ぶときの基準は?」でしたが、こちらは大半の生徒が「価格」のコーナーへ。尋ねてみると「安ければたくさん買える」「安くていい服を探すのが楽しい」とのこと。なるほど、なるほど。

3つ目は、ちょっと大きな視点で「環境保護と経済成長は両立すると思う?」と聞いてみました。なんと、大半の生徒が「いいえ/どちらかといえばいいえ」のコーナーに!理由を聞けば「経済成長するためには、資源が必要だから」とのこと。たしかに。

「はい(両立できる)」のコーナーにいた少数派の生徒の声を聞くと「技術が発達して電気自動車とかが誕生しているし、そういうことを『上の人』が決めるようになればいい」と、テクノロジーと政治・政策への期待を語ってくれました。

2.調べてみよう!わたしの服

事前宿題で、自分の服3枚について、素材・販売国・製造国を調べてきてもらいました。生徒の半数以上が制服を調べていたため、同じ結果が多くなってしまったものの(「制服以外」とちゃんと伝えればよかった…反省)、小グループになってシェアしてみれば、さまざまな結果が出ました。

● 製造国は中国、バングラデシュ、ベトナム、ポーランド
● 日本にあるのに外国製の服が多い!
● アメリカやドイツのメーカーの服がアジアで製造されている
● ポリエステルやアクリルって何からできているの?
● 毛ってなんの毛?
● 綿と毛ってなにが違うの?

「毛ってなんの毛?」という疑問を全体に聞いてみると…
「羊!」「鳥!」「山羊!」など、次々に声があがりました。
「鳥の羽はダウンジャケットとかに使われていているね」というと、「蚕は?」という声が。
「お蚕さんは昆虫だね。そこからつくられるのは?」…「絹か!」
「綿は植物。コットンは綿の英語なので、綿とコットンは同じです」というやりとりをしながら、植物や動物、昆虫由来のものは「天然繊維」であること伝えました。

では、「謎のポリエステルやアクリルは主になにからできている?」と聞くと…
「プラスチック!」
「ペットボトル!」「なんかのチップ!」
「油っぽい…石油!」
というやりとりをした後、「天然繊維」と「化学合成繊維」の違いを確認しました。


3.服の一生・どこからどこへ

後半はカードを並べながら、服がどのような工程を経て自分の手元に届くのか、全体の流れ(サプライチェーン)を確認し、それぞれの工程でどのような環境・人権・社会的な問題が発生しているのかを考えてみました。

カードは教材『服・ファッション 開発教育アクティビティ集5』に収録しています

CO2の排出って、全部にあてはまるじゃん」
「ジェンダー規範って、着るときだけじゃなくて、販売する時も、そもそもデザインするところからだよね?」
など、時間をかけて考えていくとカードはどんどん増えていきました。

4.ふりかえり

最後に小グループでふりかえりをしました。
ワークシートの一部をご紹介します。



ほか、こんな感想・意見がありました。

「服を作って売るまででもたくさんの仕事が関わっていた。SDGsは自分には関係ないと思っていたけどしっかり考えていこうと思う」

「労働環境が悪いせいでも亡くなってしまったり、病気になってしまう人が少なくないこと。”安い”ということだけが良いことなのか…」

「CO2排出は服やファッションにも関係があった。経済や環境を保全するには自分たちが行動する」

「ファッションに正解なんてないんですよね…。これからはもっとファッション業界を熱くしたいすね。CO2排出をおさえたいですね」

これからの探求学習の素になるような感想・意見がたくさん綴られていました。
八潮南高校の先生・生徒のみなさん、ありがとうございました。
(報告:八木亜紀子)

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