DEARカレッジ 第4回「ジェンダー」を開催しました。

こんにちは!DEARカレッジ第4回「ジェンダー」の回のブログを担当します、大学生ボランティアの登島です。

今回のDEARカレッジでは、和光大学名誉教授であり、ジャーナリストの竹信三恵子さんを講師としてお招きし、「全ての人の人間らしい健康で文化的な生活の実現のために」というテーマでお話しいただきました。

竹信さんと進行役の近藤さん

1. ウォームアップ「非正規雇用をめぐる身近なエピソード」

講義に先立ち、ウォームアップとして「非正規雇用をめぐって、自分や身近な人の具体的エピソードや状況から問題に思ったこと」についてグループで話し合い、全体で共有する時間を取りました。
  • 証券会社で20年以上働いてきたが、外資系は中途採用でも非正規にならない。日系は中途採用は非正規から。
  • SDGsやダイバーシティ&インクルージョンにより、中途採用の男性は役職に就けるようになった。一方女性は正社員でも管理職が少なく、非正規だとなおさら。
  • 女性が男性並みに働くのはしんどい。男性でもしんどい。
  • 常勤講師は専任と同じ仕事なのに、専任になるための試験が必要。教員不足なのに、なぜ取らないのか。
参加者には教員をされている方が多くいらっしゃったため、学校における非正規の問題への言及も複数見られました。

2. 竹信さんによるレクチャー

次に、ジェンダーに関して竹信さんにご講義いただきました。ここではいくつかのポイントを抜粋してお伝えしたいと思います。

【妻付き男性モデル】
男並みになることが良いことであるという意識は未だにあるのが現状ですが、それよりも性別を理由に生きにくくなっている状況を改善する必要があります。ジェンダーギャップの要因の1つに、竹信さんが「妻付き男性モデル」と呼ぶ問題があります。標準的とされる働き方が妻のいる男性を中心に考えられているために、それ以外の人々には非現実的であるという問題です。これは、男性は妻を背負って頑張らなければならず、女性も男性に頼らなければならないという状況を生み出しています。

【各国の女性議員比率の変化】
日本の女性議員比率が低い原因として文化的背景が指摘されることがありますが、当初各国の差は非常に小さく、時間が経つにつれて国ごとの落差が大きくなっていきました。必ずしも文化の問題ではなく、クオータ制の導入の必要性を共有できたか否か、などが結果を分けたと考えられます。

【夫(父)セーフティネット】
困ったら夫に頼れ、単身女性は父に頼れという前提を竹信さんは「夫(父)セーフティネット」と呼んでいます。「夫がいるから」多少仕事を失ったって生活に困らずに生きていけるはずという考えにより、公的資金の投入が不十分になっているのが現状です。しかし低収入男性や共働き家庭の増加が示すように、その前提は崩壊しつつあります。

【認識の拡大と共有】
日本では、公的支援を節約するために男性に女性の支援を押し付けているという認識の共有はあまりされていません。このような認識を広げ、みんなで共有することが仕組みを変える第一歩となります。男性は責められるのでジェンダー平等の話は聞きたくないという声が聞かれることもありますが、責められているのではなく実際には男性も苦しめられている、という認識の共有も必要です。

3. ディスカッション

最後に竹信さんの話を聞いて印象に残ったこと、感じたこと、ジェンダー規範がもたらす不平等について自分の経験に引き戻されたことなどをグループで話し合いました。
  • 「女性は生きないように、死なないように扱われている」という言葉が印象的だった。江戸時代から何も変わっていない。
  • 行政の施策では女性の社会進出・リーダーシップなどの綺麗な言葉が使われるが、実際にそこに行った女性が困ってしまうような状況もまだ多いのではないか。
  • アファーマティブアクション、クオータ制の導入で変わっていくのではないかと思うが、それを誰に伝えたら良いんだろうかと思った。
竹信さんはこれらを受け、奨学金などの公的な支えが十分にあれば家庭に余力がなくても女子を大学に行かせることができるように、意識の改善だけでなく公的な支えを強化していくことがジェンダーギャップの改善に必要であると強調されていました。

4. おわりに

現在大学で、女性の経済からの排除の問題について扱うグローバル・スタディーズの授業を受講しています。女性と男性の賃金格差やケアワークの問題など今回のお話と重なる部分も多く、授業で学んだことと関連付けながら竹信さんのお話をお聞きしました。

女性の非正規雇用の問題は私自身当事者になり得ることで、認識の拡大と共有や必要な公的支援のために声をあげることの重要性は特に強く印象に残りました。

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