こんにちは、ボランティアの丸山です。
2月14日(金)、神奈川県川崎市にある「フリースペースえん」で、今年度6回目のワークショップを行いました。
当日はバレンタインデー!
NPO法人APLA(あぷら)の野川未央さんによる「本物の手作りチョコレート」のワークショップです。
「えん」ではワークショップへの参加は自由ですが、バレンタインデー当日で、チョコレートがテーマということもあり、子どもも大人もたくさん集まりました。すでに前日にチョコレートを作った人も多く、聞いてみるとたくさんの手があがりました。
「どうやって作った?」野川さんがさらに質問します。
「チョコレートを溶かして、型に入れて」子どもたちが口々に答えます。
「ブラウニーを作った!」という声も。
「スーパーでチョコレートを買って、というのは『えん』ではしませーん!」と野川さん。カカオの実からチョコレート作りをします。
まずはカカオの実についての紹介です。
見本は本物と同じくらいの大きさ、重さも同じくらい。
カカオの実の中に種が入っていて、種をすりつぶして使います。
種を砕いたカカオニブ、一見チョコレートのようなカカオマス、カカオを絞った油はカカオバターといいます。
カカオの種は、たくさん油を含んでいます。
カカオの種のどのくらいが油でしょう?
「うーん80%くらい?」
正解は、55%くらい。「ホワイトチョコはこの油に砂糖とミルクを加えたものです」と野川さん。
子どもたちによるチョコレート作りが始まります。
まずは、板状のカカオマスとカカオバターを刻みます。
「包丁でケガしないでね、血の味のするチョコはいやよー」と野川さん。
「昨日沢山板チョコを刻んだ」という声もありました。
刻んだカカオバターはボールに入れて、中に水が絶対に入らないように湯せんで溶かしてみると…
「なんか変な色になったー」
「ここにミルクと砂糖を加えると、一気にホワイトチョコになります。さっきホワイトチョコが好きって言った人はこれを食べてるんですよ」
怖ーい!と反応したのは主に大人の参加者でした。
同じように、刻んで溶かしたカカオマスにカカオバターを加えるとトロトロになりました。さらに砂糖や粉乳を加えてつぶつぶがなくなるまで混ぜ合わせます。
「普通のチョコレートはここで72時間まぜ続けます!」
ここからはテンパリング。
お湯で温めたり水で冷やしたりして温度を調整します。チョコレートの温度を温度計で測って…
「50度になったら教えてくださーい」
なかなか温度が上がりきらないボールもありましたが根気強く混ぜます。
「次は28度!冷たくなるとすぐに固まるからね。もう一回お湯に変えて2度上げます。すぐに上がるからね」「28+2は?」「30度!」
出来たチョコレートを大胆に、スプーンで丁寧に、思い思いの方法で、型に流し込み、冷蔵庫で冷やします。
少しチョコレート作りの工程をさかのぼり、カカオをすりつぶす作業もしました。まるでお餅つきのようにチームワークを発揮して、ペースト状になりました。
カカオの種15個からできたのはこれくらい。
とっても貴重なんですね。これに砂糖とミルクを加えたものをクラッカーにのせて食べてみました。「普通のチョコと違って苦いけど、香ばしくておいし~」
チョコレートを冷やしている間に野川さんからチョコレートにまつわるお話を聞きました。
「チョコレートが好きな人!毎日食べている人!」-はーい!
「どんなチョコを食べる?」-チョコエッグ、アルフォート?
日本人は1年間でおよそ板チョコ43枚ものチョコレートを食べている、チョコレートがおいしいと有名なヨーロッパ、ドイツなどではもっとたくさん食べられている、というお話に、「そんなにたくさんチョコを食べるのはどいつだ!」なんて言うダジャレが聞こえてきました。
「カカオ豆の原産地は主に赤道直下の暑い国です」
カカオを取り巻く現実-児童労働というスライドの写真をみながら「この子はどこに向かうところでしょう?」という質問に、「豚を狩りに行くところです!」と、すかさず答えが。昨年もワークショップに参加していた子どもたちでした。すごい記憶力です。
カカオ農場では子どもたちが学校に行きたくても行けない、勉強をする機会もないまま、時には親から引き離されて暮らしながら働かされているという現実があるのです。すぐに手に入るチョコレートの裏側では、カカオの収穫をしたり重いものを運んだりしている子どもたちがいます。
おいしくて甘いチョコレート。そのチョコレートで誰かが悲しい思いをしているかもしれないことを考えると、作る人も食べる人も幸せになれるような、チョコレート自体が愛に溢れたものにしていきたい、と野川さん。
出来上がったチョコレートを作った人みんなで試食しました。
「ツヤツヤしていてとってもきれい」
「しっかりテンパリングしたからだよ」と野川さん。
「いつものより苦い、ビターは大人味」
「やっぱりおいしい!」
身近なチョコレートひとつとっても私たちは世界とつながっている、つながってしまうということを、このワークショップを通じて考えさせられました。みんなで作った「本物のチョコレート」は食べてしまうのがもったいないほどに、思いの詰まった出来上がりでした。
2月14日(金)、神奈川県川崎市にある「フリースペースえん」で、今年度6回目のワークショップを行いました。
当日はバレンタインデー!
NPO法人APLA(あぷら)の野川未央さんによる「本物の手作りチョコレート」のワークショップです。
「えん」ではワークショップへの参加は自由ですが、バレンタインデー当日で、チョコレートがテーマということもあり、子どもも大人もたくさん集まりました。すでに前日にチョコレートを作った人も多く、聞いてみるとたくさんの手があがりました。
バレンタインにチョコレートを作った人はいるかな? |
「どうやって作った?」野川さんがさらに質問します。
「チョコレートを溶かして、型に入れて」子どもたちが口々に答えます。
「ブラウニーを作った!」という声も。
「スーパーでチョコレートを買って、というのは『えん』ではしませーん!」と野川さん。カカオの実からチョコレート作りをします。
まずはカカオの実についての紹介です。
見本は本物と同じくらいの大きさ、重さも同じくらい。
カカオの実の中に種が入っていて、種をすりつぶして使います。
種を砕いたカカオニブ、一見チョコレートのようなカカオマス、カカオを絞った油はカカオバターといいます。
カカオの種は、たくさん油を含んでいます。
カカオの種のどのくらいが油でしょう?
「うーん80%くらい?」
正解は、55%くらい。「ホワイトチョコはこの油に砂糖とミルクを加えたものです」と野川さん。
ホワイトチョコって、油(カカオバター)とミルクと砂糖のカタマリなんです(衝撃!) |
子どもたちによるチョコレート作りが始まります。
まずは、板状のカカオマスとカカオバターを刻みます。
「包丁でケガしないでね、血の味のするチョコはいやよー」と野川さん。
「昨日沢山板チョコを刻んだ」という声もありました。
刻んだカカオバターはボールに入れて、中に水が絶対に入らないように湯せんで溶かしてみると…
「なんか変な色になったー」
「ここにミルクと砂糖を加えると、一気にホワイトチョコになります。さっきホワイトチョコが好きって言った人はこれを食べてるんですよ」
怖ーい!と反応したのは主に大人の参加者でした。
同じように、刻んで溶かしたカカオマスにカカオバターを加えるとトロトロになりました。さらに砂糖や粉乳を加えてつぶつぶがなくなるまで混ぜ合わせます。
「普通のチョコレートはここで72時間まぜ続けます!」
カカオマスにカカオバターを加えて、混ぜ混ぜします。 |
ここからはテンパリング。
お湯で温めたり水で冷やしたりして温度を調整します。チョコレートの温度を温度計で測って…
「50度になったら教えてくださーい」
なかなか温度が上がりきらないボールもありましたが根気強く混ぜます。
「次は28度!冷たくなるとすぐに固まるからね。もう一回お湯に変えて2度上げます。すぐに上がるからね」「28+2は?」「30度!」
出来たチョコレートを大胆に、スプーンで丁寧に、思い思いの方法で、型に流し込み、冷蔵庫で冷やします。
少しチョコレート作りの工程をさかのぼり、カカオをすりつぶす作業もしました。まるでお餅つきのようにチームワークを発揮して、ペースト状になりました。
カカオをすり潰してペースト状にしてみました |
カカオの種15個からできたのはこれくらい。
とっても貴重なんですね。これに砂糖とミルクを加えたものをクラッカーにのせて食べてみました。「普通のチョコと違って苦いけど、香ばしくておいし~」
ペースト状のカカオを食べてみました |
チョコレートを冷やしている間に野川さんからチョコレートにまつわるお話を聞きました。
「チョコレートが好きな人!毎日食べている人!」-はーい!
「どんなチョコを食べる?」-チョコエッグ、アルフォート?
日本人は1年間でおよそ板チョコ43枚ものチョコレートを食べている、チョコレートがおいしいと有名なヨーロッパ、ドイツなどではもっとたくさん食べられている、というお話に、「そんなにたくさんチョコを食べるのはどいつだ!」なんて言うダジャレが聞こえてきました。
チョコレートが固まるまでの間、野川さんのお話を聞きました。 |
「カカオ豆の原産地は主に赤道直下の暑い国です」
カカオを取り巻く現実-児童労働というスライドの写真をみながら「この子はどこに向かうところでしょう?」という質問に、「豚を狩りに行くところです!」と、すかさず答えが。昨年もワークショップに参加していた子どもたちでした。すごい記憶力です。
カカオ農場では子どもたちが学校に行きたくても行けない、勉強をする機会もないまま、時には親から引き離されて暮らしながら働かされているという現実があるのです。すぐに手に入るチョコレートの裏側では、カカオの収穫をしたり重いものを運んだりしている子どもたちがいます。
おいしくて甘いチョコレート。そのチョコレートで誰かが悲しい思いをしているかもしれないことを考えると、作る人も食べる人も幸せになれるような、チョコレート自体が愛に溢れたものにしていきたい、と野川さん。
わーい!チョコレートができたよ。 |
出来上がったチョコレートを作った人みんなで試食しました。
「ツヤツヤしていてとってもきれい」
「しっかりテンパリングしたからだよ」と野川さん。
「いつものより苦い、ビターは大人味」
「やっぱりおいしい!」
「やっぱりおいしい!」 |
身近なチョコレートひとつとっても私たちは世界とつながっている、つながってしまうということを、このワークショップを通じて考えさせられました。みんなで作った「本物のチョコレート」は食べてしまうのがもったいないほどに、思いの詰まった出来上がりでした。
(DEARボランティア 丸山晴奈)
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