開発教育ファシリテーション講座2020 第6回「ふりかえり」👋

みなさん、こんにちは。ファシリテーション研究会メンバーの上條です。
11月8日(日)、開発教育ファシリテーション講座第6回が行われました。


最終回のテーマは「ふりかえり」で、自分のファシリテーションをふりかえることと、本講座全体からの学びをふりかえることを目的に、このような盛りだくさんのメニューで実施しました。

  1. アイスブレイク
  2. 第5回「問い」のふりかえり
  3. 第1回講座で行った「ふりかえり」のディスカッションまとめ
  4. 開発教育実践における自分のファシリテーションをふりかえる【ワーク1】
  5. 第1~5回講座をふりかえる【ワーク2】
  6. 「わたしにとって開発教育ファシリテーターとは」を考える【ワーク3】
  7. 自分のファシリテーションをふりかえるための「ふりかえりカード」を作る【ワーク4】
第1回講座で行った「ふりかえり」ディスカッションまとめより

ワーク1 開発教育実践における自分のファシリテーションをふりかえる

開発教育ファシリテーション講座への参加動機はそれぞれだと思いますが、自分のファシリテーションはこれでいいのか?もっと“うまく”なりたい、という思いは共通していたのではないでしょうか。

自分のファシリテーションをふりかえることで課題を見つけ、自分なりのファシリテーションを構築していくこと。そのために自分の開発教育実践をふりかえってくることを宿題にし、ワークの中で、「自分の実践のふりかえり」&「“よい”質問の実践」を行いました。

ファシリテーションをふりかえる視点
  1. 開発問題の捉え方(第2回から
  2. 学習者の感情や発言への向き合い方(第3回から
  3. 話し合いの場づくり、参加の保証について(第4回から
  4. 問いかけについて(第5回から
  5. その他自分なりのポイント
  6. 意図と学習者の学びとのずれはなにか
受講生のふりかえりから
  • 実践の内容を振り返ることは普段あっても、ファシリテーションを振り返るということについてはからっきしなんだと気づいた。
  • 実践をしたときは、ファシリテーションの視点をほとんどもたずに進めてしまっていた。今回、自分の実践を振り返ることでいかに傾聴すればよかったのか、どのように参加を保障すればよかったか、どんな問いなら深まったか、など、視点をしぼって振り返ることができた。参加型やっている風の実践に近かったと思うので、いかに学習者が本気で、本音で参加できるか、ということを意識して実践していきたい。
  • 最後の問いの「意図と学習者の学びとのズレ」が書けなかったのは、自分の中で「ズレ」という感覚があまりないことに気づいた。参加者からでてくる様々な考えや声をどうまとめていくのか、最終的にどう終わらせていくのかが課題だと感じた。

ワーク2 第1~5回講座をふりかえる

毎回の各自のふりかえりをもとに全講座を通じて、以下の2点に焦点をあててグループで共有しました。

  1. 自分の中で変化したなと思うこと、何か新しく生まれたもの
  2. これから身に着けたいこと、学びたいこと

受講生のふりかえりから

<こんなことができるように💬
  • 相手の枠組みで話を聴けるようになった。
  • これまで無意識に行っていた事(パラフレージング)を、意識的に行えたことでその重要性が分かった。
  • 自分で考えたことに対して「なんで?」と問い返すようになった。
  • これまでは話を促す質問をすることが多かったが、考えさせる質問を心がけるようになった。
<こんな変化が💬
  • ファシリテーションをする時に焦らなくなりました。何気ない質問や発言から良いアイデアが生まれることを身を持って感じたので、結論を急がずパラフレーズしたりするよう心がけるようになりました。また、ファシリテーションの仕方は人それぞれで避けた方がよい行動はあっても、正解はないんだとわかりました。人と比べてうまくミーティング回せなかったなと落ち込むことも多かったのですが、振り返りの際自分の良いところにも目を向けられるようにしたいと思いました。みんな違ってみんな良い。
  • ファシリテーターをすることが怖く感じることもあったが、少しそのような気持ちが薄れたように思うと同時に、ファシリテーターをやる意欲がアップした。
  • 誰に何を届けるためのねらいや発問なのか、なにをもって参加とするのか、自分はどのような思いを持っているのかなど、自分自身に問うようになった。
<もっと頑張りたいこと💬
  • 深めるための問い、自分の枠組を理解する、自分のファシリテーションのメタ認知とふりかえり。
  • 人の意見を要約する力、学びを深めさせるための問の立て方。
  • 参加者の個々の発言を拾い、つなげることで、協働の学びを深める
  • 揺さぶる「問い」。傾聴。開発教育の視点。
  • 議論を深められる問いを素早く組み立てられるようになりたい。パラフレーズをもっと実践的な場で使って自分のものにしていきたい。
  • 対象に合わせて内容や問いかけの方法を変え、参加者の意見やモヤモヤを傾聴する。参加の保証をしつつ、合意形成の際にはそれぞれの感覚の差を双方に理解し、一つの結論を出すということをできるようになりたい。
  • 相手を嫌な思いにさせない問いの作り方
  • 傾聴、感情をききとること、パラフレーズで互いの思い違いを最小にとどめること
  • 社会の様々な出来事を学習者が自分事としてとらえられるように促す「問いかけ」づくりを学びたい。
  • ファシリテーションの自分自身へのふりかえり、「!?…」を大事にする
  • 問うスキル(抽象的になりがち。参加者の立場を理解した上で答えやすい問いをできるように)、瞬発力(情報を受けてから自分のコメントや質問を出すまでに時間がかかってしまう)。

ワーク3 私にとって開発教育ファシリテーターとは

  • 「人と学びを支える人」
  • 「参加者の発言の自由と権利を認められる人、本当の意味での「参加型」の場を作れる人」
  • 「自分自身と向き合わせる人」
  • 「信頼&モヤモヤし続ける」
  • 「地球市民として、フラットな視点で、参加者とともに、問い続けていく人」
  • 「参加者と共に考え学び続ける人。 ねらいを常に意識できる人。 そのために、常に参加者にとってベストな場を臨機応変に設けられるよう、準備・振り返りをする人。」
  • 「「水面に小石を投げる人」。ただし、水の流れや量によって、投げ入れる石の大きさを自分で選んで投げるスピードを調整できる人。」
  • 「誰一人取り残さないようにするため、参加者に寄り添い、参加者に働きかける参加の促進者」
  • 「知ろうとし、不正に気づき社会参加を促すことができる人」
  • 「場面問わず、相手への好奇心マックスな人」
  • 「「自律した学習者」「真の国際人」を育てるために必要な人」
  • 「一緒に学び、自分にも相手にも問い続ける人」
  • 「無限の可能性」
  • 「大きな問題に取り組む小さな人達」
  • 「学習者と共に学びを深める人」
  • 「自分と相手の内省と相互作用の「場」」
  • 「ふだんとは異なる視点、見方、考え方を提案し、新しい学びや気づきを促し/見守り、それがうまく進められるような場を参加者とともにつくる人」

ワーク4 オリジナルふりかえりカードを作ろう

これまでのふりかえりをふまえて、これから自分が自分のファシリテーションをふりかえるときの手がかり、自分への問いを、カードの形にして残していく作業をしました。

じっくり考えて作ってもらいたいので、各自完成させて後日共有することにしました。(講座終了後も宿題!)

第1回目にも「私の考える開発教育ファシリテーターとは」という同じ質問をしましたが、そのときと比べてどんな変化が生まれたでしょうか。

6回の講座でしたが、皆さん忙しい中、参加率も参加度も高く、感謝しかありません。講座は終わりますが、開発教育ファシリテーションの道はこれからも続きます。一緒に頑張りましょう。

…そして修了式

受講生の皆さんには、「私にとって開発教育ファシリテーターとは」を紹介していただきながら、ひとことずつ感想をいただきました。それを聞き合う幸せ時間!

中村(事務局長)より開式のことば
たくさんの学びを皆さんと一緒に歩んだ、素晴らしい経験でした。
スキルの習得のみを目的とした講座ではありませんでした。スキルの意味を改めて考えることを通して、普段のファシリテーションをふりかえり、自分らしいファシリテーションにチャレンジする講座だったと思います。
終わりのないチャレンジ、トライする価値のあるチャレンジを!
修了おめでとうございます!

近藤(副代表理事)より閉式のことば
開発問題は、SDGsの2030アジェンダでも言われているように、改革では足りなくて変革が必要、特に教育の変革は大切です。教育という言葉の意味はとても広く、学校教育だけでなく、人との学びを作っていく作業をさします。私たちは教え教えられる関係を超えて、共に変化し、教育の側面からの変革にチャレンジするという意味で、ファシリテーションという概念、ファシリテーターという存在は大切です。自分らしくそれぞれの良さを活かしたファシリテーションは無限大にありますし、一人でなく協力してやっていくものです。
皆さんがDEARのイベントに参加し、ファシリテーションの力を発揮して下さることを期待しています。
ぜひ対面でお会いしましょう!


受講生、スタッフの皆さん、お疲れ様でした!
(報告:上條直美)

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