2017年7月13日木曜日

フリースペース「えん」2017年度第1回 みんなで「ポンデケージョ」をつくろう♪

こんにちは。スタッフの小口です。
6月9日(金)、関東も梅雨入りしたという話が嘘のような、良く晴れた金曜日にフリースペース「えん」で今年初めてのワークショップを開催しました。

「えん」に到着すると、「DEARの人たちだー!」と寄ってくる子どももちらほら。「えん」でワークショップをするのも4年目となり、DEARのワークショップを楽しみにしてくれている子どもたちもいるんだと嬉しくなりました。

今回は、ブラジルのシュタイナー学校でボランティアをしていた元職員の星さん(通称:ほっしー)プレゼンツのワークショップ、その名も「ほっしーおかえりブラジルトーク」!

まずは、「ブラジル神経衰弱」と名付けたカードゲームをしました。ルールは神経衰弱がベースとなっているのですが、数字ではなく、日本とブラジルの組み合わせを探すゲームです。

例えば「国旗」というお題であれば、日本の国旗とブラジルの国旗をめくることができればそのカードをGETすることができます。「人」というお題では、「日本人」と「ブラジル人」の組み合わせを探しました。ブラジルは移民が多いので、一言で「ブラジル人」といっても色々な人がいます。自分たちと似たような人が映ったカードを指さし、「この人もブラジルの人なんだよ!」と星さんが言うと、「知ってる!日系ブラジル人でしょ!」という声がありながらも、「ブラジル人って肌が黒い人ばっかりだと思ってた」という声が子どもからあがりました。

大人も真剣になってカードゲームに参加します
そして次なるお題は「パン」。日本のパンは「焼きそばパン」ですが、ブラジルのパンは・・・・「ポンデケージョ」です!「ポンデケージョ」は、キャッサバ粉から作るパンです。ということで、その後、今回のワークショップのメインである「ポンデケージョ作り」をしました。

普段からお昼ご飯を自分たちで作っている子どもたちは、料理道具の準備やセッティング等、率先して動きます。キャッサバ粉に牛乳、チーズ、卵、バター、塩を混ぜるだけという非常にシンプルな材料をみんなでコネコネ。

沸騰させた牛乳をキャッサバ粉に入れます
沸騰させた牛乳が温かいうちに材料を混ぜなくてはいけないということでみんなで協力してテキパキ進めます
美味しくなりますように~という願いを込めて混ぜます
「これゆるすぎじゃない?」「だったらみんなの混ぜてみようよ!」とみんなで協力して和気あいあいと進むパン作り。外遊びから帰ってきた子どもがその様子に興味を持って参加するなど、興味を持った時、興味を持った部分に参加できるスタイルも、「えん」ならではだなあと思いました。材料がある程度混ざったら、スプーンですくって鉄板に並べ、「美味しくなりますように!」という念を入れてから、オーブンに入れました。

そしてポンデケージョをオーブンで焼いている間、星さんからブラジルのシュタイナー学校であるレジリエンス・スクールについての話を聞いたり、動画を見たりしました。子どもが自分で自由に遊べる場所があり、遊ぶ方法を自分たちで開発する子ども達の様子を見ながら、「えんみたいだね~」という声もあがりました。

そうこうしているうちに、パンが焼ける良い香りとともに「プープーッ」という焼き上がりを告げる音が。心配そうにオーブンの方向を見つめるスタッフ。見つめる先には、美味しそうに焼きあがったポンデケージョが!

星さんの感覚(!)に任せたパン作りでしたが、結果は大成功。外はカリッと、中はもちっとした美味しいポンデケージョをみんなで楽しく食べることができました。珍しい触感にそれまでいなかった子どもたちも興味津々。たくさんの子どもたちが集まってきてみんなでポンデケージョを食べました。
ポンデケージョの完成です!
みんなでアツアツを食べました!
最後に、レジリエンス・スクールを運営しているモンチアズール・コミュニティ協会のドキュメンタリーをみんなで見ました。えんのスタッフに交じってドキュメンタリーをくいるように見つめる子どもも。

ブラジルの中流階級の子ども達の通うシュタイナー学校の教師であったドイツ人のウテ・クレーマーさんが「様々な子どもたちをつなぐ架け橋になりたい。」という想いでファヴェーラ(スラム街という意味)の住民達と、診療所や保育所、学童、助産所を作ったこと等、熱心に見ていました。

星さんのお話しを熱心に聞く「えん」のみなさん
その後、ウテさんにも実際に会ったという星さんから「ウテさんは、大学の時からずっと教育を勉強していた、という人なわけではなく、もともとは通訳の仕事をしていた。でもブラジルに来て、ファベーラの子どもたちの状況を変えたい!とコミュニティ協会を作った。元々すごい人、というわけではなくて、自分の想いがあれば、誰にでもチャンスは回ってくるんだと思った」というお話がありました。

そんな星さんの言葉に真剣に耳を傾ける「えん」のみなさん。そんな話の中で、星さんが「来年3月にはウテ・クレーマーさんが来日する予定です」というと、直ぐに「私も会いに行きたい!」と、とある子どもが言いました。その後、「えん」の職員のスマートフォンで直ぐにウテさんの情報を調べ、星さんに熱心に話を聞きに行っていました。

「子どもには難しいから分からないかもしれない」「大人と子どもは違うから別にしたほうが良いかもしれない」といって子どもの学びを制限するのはいつだって大人の方。子どもたちの素朴な疑問や考えにハッとさせられることはたくさんあります。

ホンモノに出会うこと、色々な大人や子どもと出会い一緒に学びあうこと、自分が学びたいことをたっぷり学べること、そんなチャンスがたくさんある「えん」は本当に素敵な空間だなあと改めて思いました。
(報告:小口瑛子)

フリースペースえん第6回「えんすごろく~学んだことのふりかえり」

こんにちは、ボランティアの石田です。
3月15日は今年度最後のフリースペース「えん」のワークショップでした。
早いものでDEARが「えん」でワークショップをやらせていただくようになって、3年が経ちました。今回のワークショップではこの3年間のふりかえりの「えんすごろく」を実施しました。

大きなすごろく盤を前にまずは紙コップに名前や絵をかき、自分のこまを作ります。そして、じゃんけんをして順番が決まったら、いよいよえんすごろくがスタートです。
普通のすごろくと違うのは“ジレンマストップ”や“思い出ストップ”、“サービスストップ”があるところ。


ジレンマストップを引いた人は「こんな時、あなたならどうする?」とちょっと悩ましいジレンマ問題に対して、じっくりと考えて自分の意見で答えてもらいます。

一番初めのジレンマカードの問題は「スキー合宿の当日に弟が高熱を出しました。弟の看病とスキー合宿、どちらを選択しますか?」。このカードを引いた子どもの答えは「弟の看病」でした。他のみんなも「そうだね~、弟の看病だよね。」という口々に言う子どもたち。本当にえんの子どもたちは人の気持ちのわかる優しい子どもたちばかり。

「親友の好きな人のことを、自分も好きになってしまいました。そして、その人からなんとデートにさそわれました。どうしますか?」という問題では、みんな意見がわかれ、それぞれの主張を展開。そうそう、そうだよね、みんな違っていいんだよね~、自分の気持ちをきちんと伝えられることも重要なんだよね。


思い出ストップでは今までDEARが実施したワークショップについての問題に答えてもらいます。「(今年度の2回目に来てくださった中川マリーさんの写真を見せて)この人は誰でしょう?」にみんな「中川マリーさ~ん」と元気な返事がありました。

また「私たちの身近なものに含まれている植物油脂といえば・・・パーム油ですが、そのパーム油が入っている商品を3つ挙げてください」(2014年度第3回目「パーム油劇場」)では「ポテトチップス、チョコレート、カップ麺」等、ずっと前にやったことなのにしっかり覚えてくれているみんなに感動です。


この他、サービスストップでは「ピンク色の靴下を履いている人を見つけて、「その靴下、めっちゃ似合ってるね!!!」と褒めてきてください」とか、「周りの人から3つ質問を受けてください。必ずこたえてください。」という出題に、みんなちょっと照れたりしながらもしっかりチャレンジしてくれました。

「えんすごろく」の後は3年前からDEARが「えん」でやってきたワークショップをまとめた映像をみんなで見ました。「わ~、○○が小さかった!かわいい~。」とか「なつかし~!」と映像を見ながら大騒ぎ。


そんな中、3年前「えん」でのワークショップ第1回目の「世界がもし100人の村だったら」に参加してくれたA君が久しぶりに「えん」に来てくれました。ず~と見かけなかった彼は今、児童館で働いているとの事。彼の成長した姿に「えん」の素晴らしさと子どもたちの成長する力を感じさせられました。

ここにいる子どもたちは本当に素晴らしい感性を持っていて、それは時には周囲から理解されにくい点もあるかもしれないけれど、ものすごい可能性を持っている子どもたちばかりです。日本の学校が最近取り入れようとしているアクティブラーニングをまさに実践しているこの子どもたちが活躍してくれる時代がとても楽しみです。
(報告:石田真理子)

2017年7月7日金曜日

「インターナショナル・フェスティバルinカワサキ」でワークショップをやりました!

こんにちは。7月に入って蒸し暑さが増したように感じているインターンの山本です。

7月2日に川崎市国際交流センターで行われた「インターナショナル・フェスティバルinカワサキ」(主催:かわさき国際交流民間団体協議会、川崎市国際交流協会)に参加してきました。

約30か国以上の国や地域に関わる約100のグループが出展しており、会場内外は多くの親子でにぎわっていました。DEARはブースの出展とワークショップを行いました。ワークショップでは私に加えて小口と山田の3人でチームワークを発揮しました!

浴衣を貸し出している団体がありました。会場には浴衣を着ている人がたくさん!!!
まず、ブースではDEARの教材を展示しました。特に「地球の食卓」の教材に立ち止まる子どもと大人がたくさんいて、写真を通して楽しく話し合うことができました。その写真は世界各国の1家族1週間分の食材とその家族が写っていて、国ごとに家のつくり・家族の人数・食べ物の種類と量・服などの違いを目で見て学ぶことができます。

「この国はどこかな?」と問いかけると、「女の人のおでこに点がある!」「日本人と顔が似ているけど、食べ物と家は違う!」「肉が多いなぁ」など、写真をじっくり見て、国を当てようとみなさん必死になっていました。その後に日本の写真を見せて、世界の食卓と比べて日本の食卓をどう感じるか一緒に考えました。その中でも、日本の食材の多さと金額の高さに驚いていた方が多くいました。

子どもから大人まで、来場者と「地球の食卓」写真について話し合いました!
そして、「世界の食卓を知ろう」をテーマに、私たちが普段食べている食べ物と世界とのつながりについてのワークショップを行いました。最初に中国・ナイジェリア・アメリカの国旗を参加者に見せて、どこの国か、そして世界地図のどこにあるかを答えてもらいました。中国とアメリカは子どもたちからすぐに答えが返って来たのですが、ナイジェリアは難しかったようです。ナイジェリアの国旗を初めて見た方も多かったようです。

次に、その国にちなんだクイズをしました。中国では、うなぎの切り抜きを見せて「これは何でしょう?」と聞くと「ヘビだぁ!」「きたなーい!」「うなぎじゃない?」と声を上げる子どもがちらほら。もうすぐ土用の丑の日で、スーパーで売られていることの多いうなぎ。中国から輸入しているのか、それとも日本で育ったうなぎなのかチェックしてみてと促しました。

また、ナイジェリアの主食となる白い塊のフフの写真を見て、「お団子みたい」「おもちにもみえる」と考えていました。キャッサバやヤムイモという種類のイモから作られていて、ナイジェリアの人にとってフフは日本人の主食であるお米のような存在です。

そして、醤油・味噌・枝豆の原料となっている大豆では、どのぐらい日本で作っているのか、どこから輸入しているのか当ててもらいました。日本で作られている大豆がたったの7%で、アメリカから72%も大豆を輸入していることを聞いて驚いていた人がいたのが印象的でした。

枝豆・しょう油・味噌の写真、全て大豆からできているんです!
クイズのまとめとして、日本を含めた4カ国の穀物自給率について棒グラフを使って読み取りをしました。「どの棒が一番長い?」「一番短いのはどこの国?」「日本はどう?」と質問すると、幼稚園児や小学生も自信を持って答えてくれました。日本は外国から食べ物を輸入していることが理解したように見えました。

最後に、食べ物以外にも服・くつなども世界とつながっていることを話して、今度着る時や履くときに見てみてね、と話しました。ワークショップが終わった後、参加してくれた子どもたちと大豆についておしゃべりをしました。「学校で大豆作ったことあるよ。」「へぇー、大豆ってめっちゃかたい」「このまま食べられるかな?」など、子どもならではの感想を聞くことができました。

今回初めてイベントでワークショップをやってみて、相手とのコミュニケーションの取り方・距離の取り方を学びました。注意を引くきっかけづくり次第で、子どもでも大人でも関心を傾けくれたのが嬉しかったです。相手が興味を持ちやすい要素(食べ物・服・写真)などを分かりやすく説明することの大切さを実感しました。
(報告:山本絵理)

2017年7月5日水曜日

入門講座「パーム油のはなし」をやってみて

こんにちは、ボランティアの木村です。

去る6月23日(金)、私は初めて入門講座のファシリテーターを担当しました。ワークショップは「パーム油のはなし」。私がDEARを知るきっかけになった講座です。

参加者からは「キム姉」というあだ名で呼んでもらいました
私は去年の9月にたまたまDEARの入門講座に参加して開発教育の面白さに感動し、その場でボランティアに名乗り出ました。

それから何度も講師派遣や入門講座に同行させてもらい、その度に開発教育や、参加者が参加型学習を通して考えをめぐらす流れのおもしろさ、ファシリテーションの重要性とDEARスタッフのファシリテーション技術の高さを目の当たりにし、「いつか私もこんな風にワークショップを回す側をやってみたい」とひそかに思っていました。そしてついに、自分がファシリテーションをやる側になったのです。

当日は緊張して、工程を飛ばしたりしどろもどろになることもありましたが、無事成功に終わり、アンケートの満足度100%をもらうことが出来ました。

でもこれは、私のファシリテーションというより、良い雰囲気と話しやすい場を作ってくださった参加者の皆さんが、相互にワークショップの学び合いを高めてくれたおかげです。ワーク中の皆さんの話を聞いていた私自身も学びが深まりました。

ワークショップは、参加者もファシリテーターも両方が楽しめる場なのだな、と参加しているだけではわからなかった新たな魅力を知ることが出来ました。

開発会議も白熱したものに!
実は私は9月末から青年海外協力隊に参加することになっており、その前の語学訓練のために6月末で事務局ボランティアを終了します。このブログを書くことが、事務局での私の最後のお仕事です。

ボランティアを終える前にファシリテーターとして自分でも納得できるワークショップが出来たことは、私にとって大きな自信になりました。協力隊で行くキルギスでも、参加型な活動を心掛け、現地の方々と学び合って成長できたらいいなと思っています。

最後に…。DEARでボランティアをさせていただいていた9か月間は、新鮮なことが多く充実した日々でした。また、DEARの事務局スタッフ、ボランティア、役員や会員、イベントで知り合った方々はそれぞれが、私の目指したい未来の憧れの存在でした。本当にありがとうございました。
(報告:木村)

2017年7月4日火曜日

鎌倉女学院国際セミナーでワークショップ

初めまして。ボランティアの岩岡です。
6月10日(土)、鎌倉女学院高校のフィールドワーク国際セミナーに参加しました。

DEARでは、鎌倉女学院の高校1年生を対象に、「コーヒーカップの向こう側」と「本当に地球にやさしいってなんだろう?(パーム油のはなし)」の2つのワークショップを、午前と午後の2回ずつ実施しました。各回にそれぞれ30名程度の生徒が参加し、とても賑やかで活発なワークショップとなりました。

コーヒーカップの向こう側



最初にアイスブレイクと、5~6人ずつ5グループに分かれた状態でチームビルディングを行い、コーヒーと聞いて思い浮かぶものをできるだけたくさん紙に書き出しました。一番多くて30個近く書きだしたグループがあり、中にはコーヒーのCMに登場する芸能人の名前なんかも出てきました。

次に、コーヒーにまつわるクイズを行いました。日本では、年間一人当たり約350杯のコーヒーが飲まれており、消費量も世界で4番目に多いのですが、これには生徒たちも驚きの声をあげていました。そして、コーヒーの生産工程の写真の並べ替えを行ないました。

特に盛り上がったのが、このワークショップのメインとなる、コーヒー農家の家族となってコーヒーの契約栽培をする疑似体験です。各グループを農民の家族として、役割とグループ名を決めます。営業マンが1年ごとに登場し、次の年の契約をしていきますが、1年ごとに市場価格や契約条件が変わっていくため、どのグループも区画数を真剣に悩みながら決めていきました。


そして突然、4年目の契約をもって企業から一方的に契約打ち切りとなります。生徒たちからは、「えーっ!」「契約する時には何も言ってなかった!」「5年目以降はどうなるんだろう?」などの声が上がり、戸惑っていました。コーヒー農家の立場や、企業との力関係の差を体験することで、農家が抱える不安や、生活(収入)の不安定さを認識していました。

最後に、各グループでふりかえりを行い、感想を全体で共有しました。また、こういった問題の根本は一次産品ばかりを作り続けることであることや、解決策の一つとしてフェアトレードの仕組みや商品を紹介しました。参加した生徒たちからは、以下のような感想や気づきが挙げられました。

  • お金がないと学校に行けず、十分な教育が受けられない。企業と契約をする際に、文字が読めない場合は不利になってしまい、悪循環となってしまう。
  • 不利益な契約をさせられている農家がどれくらいいるのか、知りたい。
  • 実際にコーヒー農家が生活したり働いたりする様子を見てみたい。
  • コーヒーの市場価格が毎年変動するため、区画数を決めるのが難しかった。もっと農家の利益を保障してほしい。
  • 区画数を減らす際に違約金がかかることや、契約期間を事前にきちんと農家に伝えてほしかった。
  • 企業と農家が対等になれない原因は、私たち(消費者側)にもある。
  • いつもは何も考えずに買い物しているけど、これからは安さばかりだけではなく、フェアトレードの商品などを積極的に選んでいきたい。

本当に地球にやさしいってなんだろう?(パーム油のはなし)


最初にアイスブレイクを行い、生徒たちが普段食べるお菓子について聞いてみました。アイスが圧倒的に多く、その次にクッキー・チョコ、和菓子と続きました。また、「地球にやさしい生活をしているか?」という問いに対して、半分以上の生徒たちが「まあまあそう思う」と答えており、地球にやさしい例としては、ゴミの分別や節水などが挙げられていました。

次に、6人ずつ5グループに分かれて、グループごとにお菓子や洗剤などのパッケージを配り、その共通点を紙に書き出しました。細かい成分表示まで見ていくと、どれも共通して植物性油脂が使われていることに気付き、植物性油脂にはどのような種類があるか挙げていきました。

特に、世界で消費量が最も多いパーム油をピックアップしてクイズを行い、パーム油の特徴について学びました。パーム油は、収穫量が他の植物性油脂に比べて多く、匂いがないため、加工品に利用しやすいといった特徴があります。また、植物性は動物性よりは環境にやさしいのではないか、安心・安全なイメージがあるといった意見が出ました。

(写真:峠隆一)
次に、パーム油の生産過程の写真の並べ替えを行い、そのストーリーを考えました。労働者がマスクとゴーグルをつけて除草剤を撒く写真や、児童が油ヤシの実を拾う写真などもあり、生産過程を通して、その生産に関わる人々やその労働実態、現地に住む先住民族について学びました。

続いて、このワークショップのメインである、開発会議(ロールプレイング)を行いました。各グループのごとに、農園開発の賛成派(政府役人、農園開発企業、洗剤メーカー、先住民族の村長)と反対派(環境保護NGOスタッフ、別の先住民族の村長)の役を決めます。全員がその役になりきって白熱した議論を交わし、最終的に地図上にプランテーションを作るための境界線を引きました。

開発会議の結果や、その結果に至るまでの話し合いの経緯はグループによって異なり、どのグループもそれぞれの立場の違いや、開発の難しさについて体験できたようです。また、開発会議の後に、実際にパーム油農園の近くに暮らす先住民族の生活の様子をビデオで鑑賞しました。

最後に、「私たちに出来ること」を1週間から50年の期間(1週間、1年、3年、10年、50年)ごとに、それぞれの立場(自分/家族、学校、地域、企業、日本政府、国際社会)で考えました。パーム油について、もっと知識を深めたり、周りの人に伝えたり、将来的には次の世代(子ども)へ教育する、選挙に行くなど、先を見据えたアイディアも挙げられました。また、今後のアクションとして、RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)や認証パームといった取り組みを紹介しました。

各グループのふりかえりでは、以下のような感想や気づきが挙げられました。

  • 普段買っている商品の裏にこういう問題があることを初めて知った。
  • パーム油の問題は途上国で起きているが、消費者として間接的に自分たちも関わりがある。
  • 先進国が、利益のみを追求するのは良くない。
  • 今日学んだことをもっと深めて、周りの人(家族など)に伝えていきたい。
  • 熱帯雨林の伐採は、環境問題にもつながっているので、世界の現状をもっと知りたい。

どちらのワークショップも、熱心に話を聞いて積極的に参加してくれた生徒たちの姿がとても印象的でした。また、「こういった分野の仕事に興味がある」と終了後に相談に来た生徒もおり、生徒たちの今後の活躍がとても楽しみに思いました。
(報告:岩岡)

2017年6月27日火曜日

【祝・W受賞!】消費者教育教材資料表彰の受賞式に行ってきました

こんにちは。事務局の八木です。

このたび、教材『写真で学ぼう!地球の食卓 学習プラン10』が、(公財)消費者教育支援センター主催の消費者教育教材資料表彰2017の「内閣府特命担当大臣賞」を、そして、『コーヒーカップの向こう側』が「優秀賞」を受賞しました。

6月26日(月)に開催された「消費者教育シンポジウム」で受賞式が開催されるということで、理事の上條、本山と八木の3名で出席してきました。
「W受賞!うれしい!」左より、上條、本山、八木です。
まずは、表彰式。本山が『コーヒーカップの向こう側』の優秀賞表彰状をいただき、最後に上條が、松本純大臣から『写真で学ぼう!地球の食卓』の大臣賞の表彰状をいただきました。
「先進国の食卓には、みんなコカコーラやファストフードがあるんだな」と大臣。写真をよく見てくださってます。
受賞者のみなさんとご一緒に。後列右から4番目が理事の本山です。
受賞式の後には、大臣と審査委員長の東珠実先生(椙山女学園大学)から講評をいただきました。


大臣からは以下のコメントをいただきました。

「受賞作品となった『写真で学ぼう! 地球の食卓 学習プラン10』は、世界各地の家族が食べる、一週間分の食料の写真を基にした教材です。身近な「食」を手掛かりに、文化や宗教の多様性、エネルギー、ごみなどの様々な問題について学ぶことができる、大変優れた作品であると評価しております」

「食品ロスやごみ問題への対応に代表される持続可能な消費食の安全地産地消など、「食」をめぐる課題や取組は数多く、消費者教育の中でも特に重要な分野の一つであると認識しております。その意味でも、今回の受賞作品は時宜に適った、表彰にふさわしい作品であったと思います」


東先生からは、「何よりも、教員の裁量による自由度が高く、使いやすい。あらゆる教科や場面で、使ってみようかなという気になる教材」そして「アクティブラーニングに適している。考える・話し合う・共感する、そして、自分の行動を変える機会になる教材」とのお話しでした。

会場では、各地の消費者センターの方々にお声かけいただきました。講師派遣や教材の活用方法についてのご相談もたくさん!うれしいことです。


消費者市民教育と開発教育は、目指していることがとても近いのですが、開発教育が長年取り組んできた「参加型学習」、そして、「知り→考え→行動する(学習者が変容する)」というサイクルが、改めて高く評価をされる機会となった思います。

教材作成にあたり、寄付や助成でご支援くださった皆さま、教材作成メンバーの皆さま、そして、教材をご活用くださっている皆さまに、改めて感謝申し上げます。
(報告:八木亜紀子)